セルフケアと睡眠②: 今、余裕がないと感じるひとへ
みなさん、こんばんは。とある睡眠博士です。
皆さんは、毎日少しでも、ゆっくりひとりで過ごす時間を設けていますか。
「ひとりになる時間がない。」
「忙しすぎてそんな時間は取れない。」
ひとにより様々な事情があると思います。
ですが、誰の心にも、静かな湖のように穏やかな時間が必要です。
日常の忙しさに追われ、私たちはその「静けさ」を簡単に見失ってしまいます。
仕事に追われ、家族のために走り回り、友人や周りの期待に応えようとする中で、気がつけば自分のための時間が消え去り、心には張り詰めた緊張が宿っていることがあるのではないでしょうか。
それでも、心の奥底では知っているはずです。
私たちが求める「安らぎ」や「余裕」は、表面的な忙しさからは得られないことを。
そして、その安らぎは、「しっかり眠ること」や「少しでも自分をいたわる時間」によって、少しずつ再び私たちの中に取り戻せることを。
今回は、セルフケアと睡眠の第二弾の記事として、
今余裕がないと感じているかたに向けて、そんな時だからこそ、あえて一息ついて自己と向き合う時間を取る重要性について、お話をしようと思います。
1. 眠りの中で、自分と向き合う。
私たちの人生の約3分の1は、眠りの中に費やされています。
多くの人にとって、眠りは単なる「一日の終わり」や「疲れを取るための時間」に過ぎないかもしれません。
しかし、哲学的に考えてみると、睡眠は私たちが日常から切り離され、自分自身と静かに向き合える特別な時間です。
眠りの中では、思考が解き放たれ、意識が自由な領域を漂います。
そこでこそ、無意識のうちに心の奥底にある自分と出会っているのかもしれません。
私は長年、研究者として睡眠と心についての研究をしてきましたが、その中で見つけたのは「質の良い眠りが、私たちの内面の静けさを呼び戻す」ということです。
忙しい日々でも、眠りの質を大切にすることで、心に自然と余裕が生まれます。
寝る前にスマホを置き、少しの間、目を閉じて深呼吸をするだけでも、次第に自分の中の静かな領域と繋がる感覚が湧いてくるはずです。
2. セルフケアは、自分自身の‘存在’を尊ぶこと。
「セルフケア」は、自己を癒し、いたわるための行為です。
一方で、ひては忙しさに追われると、つい「そんなことに時間を割けない」と思ってしまいます。
でも、本当にそれでいいのか。
セルフケアは、単に「休息」や「楽しみ」といった目的だけでなく、自分の存在を尊重し、自分自身を認めるための時間です。
私が感じているのは、セルフケアは自分の命をもう一度見つめ直し、敬う行為なのではないかということ。
コーヒーを一口飲みながら、一瞬でも「ここにいる自分」を感じる。
通勤中に耳を傾ける音楽に身を委ね、自分が少しでも穏やかでいられる瞬間を楽しむ。
小さな行為が積み重なり、それが心に少しずつ豊かさを取り戻してくれるように感じます。
こうした時間は、決して「時間の浪費」ではありません。
それは‘私たち’が“私たち”自身に贈る、小さな敬意と愛情の表現なのではないでしょうか。
3. 完璧でなくても、あるがままの自分を受け入れること。
日々を生きる中で、私たちはつい「完璧であろう」としてしまいがちです。
かく言う私もそのひとりです。
しかし、仕事も家事も人間関係も、全てにおいてベストを尽くしたいという気持ちが、いつしか自分自身への重圧になってしまいます。
だからこそ、そんな時にあえて、私たちの存在は、必ずしも完璧である必要はない、ということを思い出して欲しいです。
むしろ、「ありのままの自分」を受け入れることが自己受容であり、自己肯定感を高め、心に余裕をもたらす鍵なのだと思います。
私も何度も失敗や挫折を経験しましたが、その度に「それでも自分を大切にしよう」という気持ちを持つようにしてきました。
うまくいかない日や疲れてしまった日は、「それでも、今の自分で十分だ」と“自分“に優しく語りかけ、また少しずつ新しい明日へと歩き出せる自分を感じるようにして、毎日心に平穏を作るようにしています。
‘自分’が一番の”自分“の応援者でなくて、誰が自分を応援してくれるのでしょうか。
今風で言うと、‘一番の推し’は”自分“意外に誰がいるでしょうか。
何よりも頑張っている”自分”を、大切に想ってください。
心にいるもう一人の”自分”を抱きしめるように。
誰よりも頑張っている、自分のために。
存在を大切にすることから、余裕が生まれてくるということ。
忙しい日々の中で、どうしても自分を見失ってしまう瞬間があるかもしれません。
けれども、その時こそ、「今、ここにいる自分」を静かに尊ぶ時間を持つことを私はおススメします。
眠りの中で自分と向き合い、セルフケアで命を敬い、完璧でなくてもいいと自分に優しくすること。
そんな日々の小さな行為の積み重ねが、私たちの心にゆっくりと余裕を取り戻してくれるはず、と私は信じています。
あなたが少しでも楽に、自分をいたわる時間を持てることを、心から願っています。
今夜も皆さんが、ぐっすり眠れますように。
世界のどこかから、愛を込めて。
とある睡眠博士より