【金継ぎ】もう器が割れても悲しくない。
5月から金継ぎ(きんつぎ)を習っています。
うつわの割れや欠けを漆(うるし)で補修する、
日本の伝統的な修理技法。
漆は、強い接着力を持ち、酸や熱に強く、抗菌性、防水性にも優れた天然の万能接着剤です。
木、陶器だけでなく、ガラスや金属を接着している作例も見たことがあります。
金継ぎとの出会いはコロナ禍で暇だった頃。
ネットで金継ぎキットを買って、YouTubeを見ながら自分で始めてみました。
金継ぎは大まかに4工程あり、各工程に1〜2時間作業、毎回2週間乾かす必要があるので最短でも2ヶ月半かかります。
漆は湿度がないと乾かないという謎の性質があるので、乾かす際はムロに入れて2週間ほど湿度を保ちます。
金を使うのは最後だけ。
漆を薄く塗り、金粉をまくことで美しく仕上がります。
銀粉をまいて銀継ぎとしたり、色漆を塗って好きな色の仕上げにすることもできます。
細かい作業は好きなのでとても楽しかったのだけど、コロナが明けて外出できるようになってからはなかなか時間を取れず、やめてしまっていました。
またやりたいな〜と思っていたとき、インスタで見つけた先生のお教室のキャンセル待ちに登録し、一年越しに習い始めることになりました。
1回2時間半、10人ほどが教室に集まって、目の前の器に集中して黙々と作業する、その時間がすごく好きです。
贈り物や、旅先で買った思い入れのある器が割れてしまった時の喪失感は、耐え難いもの。
金継ぎができると、大切な器が割れてしまっても、くっつければいいかー!と思うことができます。
先生のアカウント。
累計6500個もの器たち。捨てられちゃうはずだった、また直してでも使いたいと思う大切な器が、丁寧に修復されて並んでいる様子は圧巻です。
壊れたものを直して使う、不完全なものに美を見出すわびさびの心は、日本ならではの美意識です。
捨てるではなく、直すという選択肢をもっとみんなに持ってほしい。
漆はハードルが高いので、簡易金継ぎと呼ばれる、接着剤でくっつけるものでも良いと思います。
この素敵な技法がもっと広まれ〜!と思います。
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