北海道の好きな道
私はこれまでに、自転車で約17,000 km、自動車で約12,000 km 北海道を回って来た。その中での個人的好きな道を挙げたいと思う。
評価基準は大きく分けて3つ
★ 運転席の楽しさ
★ 助手席の楽しさ
★ 自転車の楽しさ
「運転席の楽しさ」とは?
直線が長すぎず、適度に緩めのカーブを挟むため眠くならず、運転していて楽しい道
極端に遅い車 (法定速度60 km/h の道を40 km/h で走る車) や、極端に速い車 (法定速度60 km/h の道を120 km/h で飛ばしてきたのに一般車を追い抜かず車間距離を詰める車) がおらず、運転していてストレスの少ない道
観光客の少ない道 (道を探している車や無理な路駐車が少ない)
「助手席の楽しさ」とは?
景色が綺麗であること (とりわけ左側の眺望が良いこと)
正面の景色も良いこと (運転手がわき見運転とならない範囲に良い景観があり、助手席と共有可能であること)
「自転車の楽しさ」とは?
急勾配でないこと (上りはしんどいし、下りもブレーキを握りしめなくてはならなくてしんどい)
急カーブが少ない (車以上に遠心力がかかるため)
上りが長すぎない
舗装が整っている (路面の舗装具合に加えて、基本的な走行位置である路側帯内の舗装や、砂・落ち葉等の障害物の少なさ)
大型車 (トラックなど) が少ない
運転席と自転車はどちらも運転手という点で共通しているが、自転車は車道において弱い立場である点や、自分の身体がエンジンである点、天候の影響をダイレクトに受けるという点で車とは一線を画し、道路の評価基準が厳しくなる。
バイクには乗ったことがないのでいまいちわからないが、二輪車である点と天候の影響をダイレクトに受けるという点は自転車と共通しているが、ガソリンエンジンであり、車道において自動車と同じくらいの立場に存在でき、さらに自動車の合間を縫って進める点で、自転車視点よりは自動車視点寄りになるのではないだろうか
ただ自動車視点にあまり無いところとしては、上下前後左右の全方向の景色を楽しむことができ、嗅覚情報や聴覚情報も知覚しやすい点であると思う
第1位 支笏湖畔の道 (国道453号線)
運転席の楽しさ ★★★★☆
助手席の楽しさ ★★★★★
自転車の楽しさ ★★★★☆
道外からの来客があった際には必ずといっていいほど連れていく道である。助手席に楽しんでもらうために支笏湖駐車場からポロピナイPA方向 (地図上では右下から左上 (南東から北西) 方向) に進むのが良いだろうと思っている。この道のいいところは、湖岸ギリギリを走っており紋別岳の稜線が支笏湖に落ちていて、新緑・落葉・深雪のそれぞれの時期の表情を楽しむことができることにある。さらに、支笏湖を挟んで対岸に風不死岳と樽前山を望むのも推しポイントである。雨と夜以外はいつ行っても楽しいと言ってもいいだろう。
惜しむらくは、ギリギリを走る特性上、道幅が狭いので運転席と自転車では運転に多少の集中力を必要とするため星4つとした。
北海道の「秀逸な道」の1つ目に選ばれているのが納得の道である。
第2位 ニセコパノラマライン
運転席の楽しさ ★★★★★
助手席の楽しさ ★★★☆☆
自転車の楽しさ ★★★★★
ニセコパノラマラインは道内有数の絶景ワインディングロードである。上りの勾配がキツくないため、自転車でも景気を楽しみながら上れるし、下りも気持ちよくスピードに乗り風になることができる道である。運転手としては道も広く、車も少なく走りやすくて気持ちのいい道だが、助手席が楽しめるかはいまいちわからないところではある。しかし、この道を通るのは「この道が好きで走りたい」と思っているドライバーやライダーしかいないため、お互いに気持ちよく走れるのがいいところだと思う。
第3位 ジェットコースターの路
運転席の楽しさ ★★★☆☆
助手席の楽しさ ★★★★★
自転車の楽しさ ★★★★☆
初めて行ったのが10年前、自転車で先輩に連れられて。そのときのアプローチは北東の美馬牛方面から。「下りを80 km/hで駆け下りれば、上り30 km/hで上れる超絶楽しい道がある」との触れ込みだった。たしかにまっすぐな道でとてもアップダウンの楽しめる最高の道であったことを覚えている。
そして先日、上富良野方面から上図の左下の直角に折れた道からアプローチした。角を曲がった段階で道がぼこぼこしており、すでにジェットコースターの助走が始まった。そして、目の前にはまっすぐの10%勾配の下り坂、奥に見えるまっすぐな上り坂。これぞジェットコースターの路だ!と思ったが、下り坂の終点には一時停止の看板が…。おそらくみんなスピード出すから事故が多かったことによる町としての対応なのだろうが、せっかくのジェットコースターが…という気持ちにはなってしまった点から、運転席の楽しさは星3止まりとした。
とはいえ、北海道内の有名な直線道路の中では、周りのパッチワークな景色の加点ポイントを含めても1位2位を争う刺激的な道であることに間違いはないだろう。
第4位 オトンルイ風力発電所沿いの道
運転席の楽しさ ★★★★☆
助手席の楽しさ ★★★★☆
自転車の楽しさ ★★★☆☆
北海道の海岸線を走る道 通称オロロンラインの中でも屈指の人気を誇るスポットであろう。長くまっすぐで平坦な道が続き、南から北上していくと28基の風車が立ち並んでいる。「絶景」というより「壮観」という言葉のほうが適している、そんな景色である。
自転車の評価が低めなのは、ダンプ車両が比較的多いことに加え、風車がとても大きいために遠くからでもその存在を認知できることにある。遠くから目視で確認して「すごいな」と思ってから、実際にフォトスポットにたどり着くまでが自転車の巡航速度だと長く感じられ、さらに28基立ち並ぶことにより、「さっきから景色全然変わらないけど、もしかして自分は漕いでるつもりでも進んでないんじゃないか?」と錯覚してしまうところが評価を少し下げてしまってる。
しかしこの28基の景色が見られるのも残りわずかである。施設老朽化に伴い、2025年3月から現行28基を撤去し、大型風車5基による運転が開始される予定である。
第5位 エサヌカ線 (猿払村道)
運転席の楽しさ ★★★★★
助手席の楽しさ ★★★★☆
自転車の楽しさ ★☆☆☆☆
ここはもはや景色が綺麗とかそういう道ではないので入れるか正直迷いましたが、「北海道の平地・一般道の中で一番スピードを出せるとしたらここ」という感じの道です。ひたすら信号もガードレールも横風も景色もない道が10 kmくらい広がっています。アクセルペダルをベタ踏みしたいひと向けの道というイメージなので、国道238号線のバイパスとして使う大型トラックもいますし、ぶっ飛ばしてくるライダーもいます。自転車にとってはひたすら長く後ろから猛スピードで自動車が追い抜いてくる危険な道です。
車で走ったときは楽しめたので一応ランクインしました。
第6位以下入賞の道
ここからは、3項目のうち1つにしか加点要素が無いものの、特筆したい道たちが続きます。そのため、星は省略します。
国道5号線 (落部ー森)
国道5号線は基本的に好きじゃない。なぜなら、速い車と遅い車がごちゃ混ぜに大量にいるのに追い越し禁止エリアがとても長く、ストレスを抱えた車が非常に多いためである。その道を走ってる9割の車がストレスを抱えているのは健全な道とは言えないと思う。その中で比較的マシなのが「落部ー森の区間 (南下方向のみ)」と、次に書く「目名ー長万部」の区間かと思う。
なぜここの区間が好きかというと、左端から海の中に北海道駒ケ岳がそびえたつのが見えるエリアだからである。そして、上図の中で "5" と "函館本線" の文字がくっついている辺りにある「本茅部」で真正面に駒ケ岳が来る。この景色がとても好き。ただそれだけの道。
国道5号線 (目名ー長万部)
ここは前述の5号線の嫌いな点を全部なかったことにしてくれるエリアである。基本的に「遅すぎる車」というのが存在しておらず、多くの車が50 mile/h くらいで走りたいという共通認識を持っているのかストレスなく走れる。また、たまに背後から「速すぎる車」も迫ってくるが追い越し禁止ではなく、道幅も比較的広いのですんなりと追い抜いてもらえる。
国道37号線のバイパスルートという位置付けもあって、運転手にストレスが無いだけで景色はずっと山道なので助手席の楽しさは皆無と言って遜色ない。
国道229号線+道道740号線 (乙部ーせたな)
ここは苫前のオロロンラインのように風車群などもなく、純粋にオロロンラインとしての海の青さと奇岩を楽しめる道である。道道740号線の中に北海道本土最西端の尾花岬があるが、岬に行く道もないし石碑も無い。海岸線を楽しむ景色全振りの道。
富良野国道 (花人街道)
観光客が多く、よく渋滞しているのでストレスの溜まるが、周りに広がるお花畑が留飲を下げてくれる道。7月下旬の最盛期には本当に綺麗な景色が道の両側に広がっている。
また、道道581号線に曲がり千望峠に上ると周辺のパッチワークな景色が一望できるのでそこもオススメ。
北十九号ミルクロード
ライダー憧れの直線道路としておなじみ北十九号。
ここは1回しか行ったことがないので好きな道に挙げるには思い出不足感が否めないし、あまりにもスピードが出すぎた影響で自転車に乗っていた同期が広がっていた砂に車輪を取られて鎖骨骨折した事故もあって、個人的な理由であまり良い印象のない道になってしまっている。
でも北海道の憧れ直線道路界では、おそらくジェットコースターの路よりも高ランクの道。
天に続く道
ライダー憧れの直線道路の中では一番長く道が見えるのではないだろうか。
ただ10年前に行ったときでもすでに有名だったが、今はもう「名もない展望台」が有名になりすぎて、インバウンドの観光客を乗せた観光バスまでやってくるので「俺たちの絶景ロード」感は薄れてしまっている。それを差し置いても絶景。
礼文島の澄海岬までの道
澄海岬が綺麗すぎることによる思い出補正も若干あるが、そこに至るまでの道道40号線もとても好きだった。
今日のところで思いつくのはこれくらい。
また思い出したら追記します。
みなさん、好い旅を~!!
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