ガジェット:Core i7-3770試験記録 for Win10 32bit・4GB RAM・500GB HDD
承前
ファッキン・リマーク品CPUの悲劇を乗り越え、2個目のインテルGen. 3・Core i7-3770が届いた。ヤフオクストアで4,038円+送料924円。
今回は追試験(という名の本番)なので、実際の試験結果を記す。
試験環境
これは、会社のデスクトップPCで使用することを想定し、会社と同環境に限りなく近づけて試験を行うこととした。一番の懸念事項は排熱だが……。
【CPU換装前】
Core i3-3240(2コア/4スレッド・ベース3.4GHz/ターボ無し・TDP 55W
【現状運用中のCPU※今回は試験データ無し】
Core i5-3470(4コア/4スレッド・ベース3.2GHz/ターボ3.6GHz・TDP 77W)
※ジャンク品をヤフオクで1,001円+送料1,200円。実機で問題なく稼働中。
【CPU換装後】
Core i7-3770(4コア/8スレッド・ベース3.4GHz/ターボ3.9GHz・TDP 77W)
※中古品をヤフオクで3,671円+送料924円。C級品、一週間保証付き。
以前落札した3,500円+送料210円の動作未確認品はリマーク品だった。
☝画像中央が、今回購入したi7-3770。右が前回購入した同型のCPUである。限りなくリマーク品であろう、右側のCPUの刻印の薄さを見てほしい。
以下は部品換装前後で共通の部品である。基本的に、元々のPC筐体である富士通 ESPRIMO D551/Gxに付属していた部品を、そのまま流用している。
【CPUグリス】
AINEX JP-DX1 ナノダイヤモンドグリス(熱伝導率 16W/m・K)※私物
【CPUファン】
Nidec UltraFlo T92T12MS4A7-57(92mm・4ピン・PWM制御ファン)
※12VDC・0.36A・92×92×25mm・最大風量は不明
【ヒートシンク】
アルミ製・LGA1155互換形状・4点ネジ圧着式・放熱フィン30×72mm・17枚
☝アルミ製ヒートシンク+92mmファンが1枚という構成のCPUクーラーは、デスクトップPC向けとしては結構ギリギリの冷却力であり、ハイスペックのCPUを使う場合は冷却力に不安がある。少なくとも、私がメイン機で用いるAMD Phenom II X6 1100T BE(TDP 125W)のような爆熱CPUを冷やせる類のクーラーでは絶対に無い……と言うことだけは確信を持って断言しておく。
これは余談であるが、インテルGen. 3 Corei7-3770と、私が使用しているAMD Phenom II X6 1100T(元は1090Tだった。スッポンして壊したけど)は近い世代のCPUだったりする。i7-3770は2012年、Phenom II X6は2010年。
ちなみに各CPUのPASSMARKスコア(≒処理能力)はこんな感じである。
AMD Phenom II X6 1090T BE…… 3,692(TDP 125W)
AMD Phenom II X6 1100T BE…… 3,760(TDP 125W)
intel Core i7-3770…… 6,397(TDP 77W)
intel Core i5-3470…… 4,670(TDP 77W)
intel Core i3-3240…… 2,292(TDP 55W)
AMDの物理6コアは、インテルの物理2コア以上、物理4コア未満とかいう悲しいぐらいの非効率さを呈しており、実際数値で見るとショッキングだ。
【電源】
DELTA ELECTRONICS DPS-230LB A REV:00(230W電源)
※検証機の電源(同型電源・REV:18)は破損し起動不能だったたため、
会社の倉庫に転がっていた富士通 FMV D5250 ESPRIMOを解体して、
電源のみを借用し流用している。なおインテルGen. 4のCorei3-4150を
用いる富士通D583は、電源が同じDELTA ELECTRONICS社製だったが、
マザーボードの電源コネクタが24ピンから8ピンだか12ピンだったかに
変更されており、しかもSATA電源が付属せず、一旦M/Bを経由しつつ
HDDやCDドライブに電源コードを接続するクソオブクソ仕様だった。
つまり新型・旧型(※1世代の差)で部品の流用が効かないってこと。
独自構造はマジ止めろ、あと第3から第4世代で互換性を無くすなアホ。
まあ素人の分解を想定してない筐体だから仕方が無いか……(溜め息)
【メインメモリ/DDR3 SDRAM】
SKhynix PC3-12800U-11-12-C1(DDR3-1600・2GB×2枚=4GB)
※同型機から剥ぎ取った1枚を追加、純正状態では2GBだったと思われる
※Windows 10・32 bit環境では、4GB中3.4GBのみ使用可能。残り0.6GBは
インテルHDグラフィックスの共有ビデオメモリ部分が占用中と推定
⇒CENTURY MICRO CAD8GX2-D3U1333(DDR3-1333・8GB×2枚=16GB)に実機は換装しているが、32 bit環境では無意味なため今回は再現せず
【ディスクドライブ】
日立GST HDS721050CLA762(HDD・500GB・SATA3.0Gb/s・7200rpm)
※親父から譲り受けたジャンクHDD、家に転がっていた物を適当に流用
※会社での運用を想定し、Windows 10・32 bit環境を再現している
⇒SAMUSUNG 860 EVO MZ-76E500B/IT(SSD・500GB・SATA6.0Gb/s)へと実機は換装しているが、手元に流用できるSSDが無かったためHDDを流用
ちなみに交換後のサムスン製SSDのスペックは以下の通りである☟
※画像は https://semiconductor.samsung.com/resources/data-sheet/Samsung_SSD_860_EVO_Data_Sheet_Rev1.pdf より転載している。画像の転載は、転載元の転載規約に従って行ってほしい。
☝まさかのMLC NANDを積んでいた……普及品のTLCより耐久性が高いはず。廉価なQLCはTLCより耐久性が劣る。キャッシュ付きで、安物とは格が違う。
ちなみに、現在ではウェスタン・ディジタル社の一部門として吸収された往年のHGST/日立グローバルストレージテクノロジーズは、耐久性の高い優れたHDDを作ることで有名だった。私のWin7機もHGSTを使ったものだ。
あと韓国製の半導体は宗派の違いで毛嫌いする者もいるだろうが、世界で圧倒的なシェアを持っているのが、サムスンとSKハイニクスの2社であり、特にサムスンのSSDは高価だが性能に定評がある。得体の知れない中国製の格安SSDは信頼性が終わってるので、遊び用途以外では使わん方がいい。
取り敢えず、説明すべき点はこんなもんかな。
試験結果
実働試験にはCPU-ZとCineBench R11.5を使用した。実験中はCoreTempでCPU温度を監視していたが、温度の画像をスクショしていないため、実験の裏付けが怪しいと考える者もいるだろう。あくまで参考程度に捉えてくれ。
画像は無いが、CPU-Zで最初に行ったベンチマーク試験では、5分間連続のストレステストで28℃☞78℃安定だった。フタは開放状態、室温は不明だが20℃は切ってるんじゃないか。念のためにファンの向きを掃気・排気方向でどちらも計測したが、温度は何れも77~78℃まで上がって安定していた。
これが10月の鹿児島で窓をガン開けしている、ほぼ外気温と同等の冷たい室温化で運用した数値であることには注意する必要がある。スリムタワーの窒息気味な筐体で、真夏の室内で運用したらもう幾ばく温度が上がるかも。
まあこんなチョロイことやってても埒が明かんわな。ベンチマークだ。
OSがWindows 10にも関わらず、ベンチがなぜにCineBench R11.5とかいう化石ソフトかと言うと、残念なことに32 bit環境で動くソフトはその世代が限度だったからだ。現行品はR23だが……R15も動かないとかびっくりだよ。
☝Core i7-3770、フタを開放した状態。スコアは6.91pts
☝Core i7-3770、フタを閉鎖した状態。スコアはやや下がり、6.88pts
ベンチマークソフトの世代が古すぎて、完全にガラパゴス状態だな。正直この数値がどれくらい信用できるか、まるで分かったものではない。温度はいずれの状態でも68℃程度で頭打ちになっており、明らかにCPUへの負荷が足りていない。温度が低すぎて肩透かしだ。100℃行くかと思ったんだが。
☝Core i3-3240、フタを閉鎖した状態。スコアは半分程度の3.12pts
同世代のi7と比較すると、思ったほど悪くないと言う感じだ。64 bit環境でもっと負荷の高い新しい世代のソフトを使えば、より差が開くかも知れん。温度は最高で58℃近辺であった。やはりCore i7より発熱は少ないが、顕著な差と言うほどでもない。やはりTDP 55W・77Wという低発熱が利いている。
総括
窒息環境下のCPU冷却性能を心配していたが、このぐらい冷やせるならば純正クーラーでいいかも知れない。夏は多少温度が上がるだろうが、室内でエアコンをブン回して使うはずであり、大きな問題とはならないだろう。
それ以上に頭が痛いことは、恐らく私がこまめに様子を見てやらないと、PCを一週間とか二週間とか平気で回しっぱなしにしそうな現場連中である。
だからi3とかi5じゃなくて、わざと馬力のあるi7を買ったんだよなあ。
パソコンを使ってない時間帯は電源を落とせ。常に回しっぱなしにするとディスクドライブの痛みが早くなるんだよ。特にこれからは、高速化のためSSDに変えたので、経年劣化が心配だ。バックアップ環境も用意しなきゃ。
中古品の寄せ集め(※SSDを除く)なので、安定的に運用できるかちょい心配ではあるが、様子を見よう。15,000円でこれだけ変われば儲け物だ。
まあそんなこんなで、これからも細々と延命処置を続けていくさ……。
【今回の出費】
CPU・4,038円+924円=4,962円
SSD・4,510円+875円=5,385円
DRAM・4,780円+140円=4,920円
※総改修費・15,267円
Core i5-3470・1,001円+1,200円=2,201円
Core i7-3770・3,500円+210円=3,710円(リマーク品のゴミクソ。死ね)
AINEX ナノダイヤモンドグリス DX1・1,620円
変換名人 HDMI(メス) → DVI(オス)変換アダプタ HDMIB-DVIAG・739円
※総出費額・23,537円
素浪汰 狩人の工賃・プライスレス(実質無賃ともいう)
まあ遊び半分、趣味半分で色々買い漁ったので、思ったより出費が増えた印象だな。前のエントリでも書いたが、さすがにゴミクソCPUの代金までは会社に請求できないゆえに、実際に金がとれるのは上半分+i5ぐらいか?
ジャンクPC改造という分野は、思っていても中々手が出せないものゆえに会社のPCでそれを手掛けられたのは楽しかった。作業中は虚無だったけど。色々と想定外のことが起き過ぎて、思い出したくないくらいPCバラしたわ。
結論。安値で良い物は手に入らない。大人しく新品のPCを買おう!
弄れる人は……遊び半分、自己責任でどうぞ。なおメーカー製PCを弄ると設計の癖でドツボに嵌まるが。同じメーカー製だからと言って部品の流用が効くと考えたら大きな間違いだぞ。チップセットの世代はよく確かめよう。
ジャンクPCで安上がりに一台組みたい……と考えてる者の参考になったら幸いである。実際の作業はくどくど説明せんから、己の身体で覚えろ。
今回しみじみ思ったが、ジャンカーはまじで遊びじゃねーな。部品構成を自分で企画立案して組んだからいいようなもんだが、取り敢えず安い条件で一台よろしくとか言われたら、クライアントをぶん殴るかも知れん(笑)。
真似することはまあお勧めしない。
取り敢えず……二発目も偽物引かなくて良かったわー(そこかよ)。
おしまい。
【ガジェット:Core i7-3770試験記録 for Win10 32bit・4GB RAM・500GB HDD おわり】
From: slaughtercult
THANK YOU FOR YOUR READING!
SEE YOU NEXT TIME!