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バックトゥ・ザ・フューチャーは悲しい映画か?

星の数ほどあるyoutube動画の中で、私の好きなチャンネルに町山智浩氏、岡田斗司夫氏のチャンネルと並んで、「守鍬刈雄(すぐわ・かるお)のお暇なら映画でも」というチャンネルがあります。ひとつの映画を深堀して解説しているサイトです。

私は主に、仕事をしながらBGMとして聞いているのですが、時々、「ハッ!」とさせられるような解説があり、聞いてみないとわからないものだ・・・、なるほど、そういうことかぁ・・・などと感心しながら楽しみにしているチャンネルです。

先日、「バックトゥー・ザ・フューチャー」の解説を聞いていたところ、ハッとする一説がありました。
バックトゥ・・・はもう何回も観ていて、わからない部分や、不思議に思う部分など、もう残っていないと思っていましたが、まだまだ深堀が足りなかった、と反省させられました。

守鍬氏によると、バック・・・は悲しい部分がある。悲しい話でもある。と言うのです。

バックトゥ・・はハラハラ、ドキドキで、全般的に笑えて面白い映画であるはずです。
そして、皆さんご存知のとおり、ラストは、タイムスリップする前の出来の悪いマクフライ家が、真逆とも言える上品で裕福な家庭に一変します。
マーティは念願の自動車を手に入れ、とジェニファーとの湖へのデート。
まさに、ハッピーハッピーエンドです。
しかし、生活が一変したのと同じく、マーティーの家族、廻りの人間たちも一変したわけです。変わらないのはマーティだけ。

上司にバカにされ罵られて言い返す事もできない父親、飲んべえの母親、うだつの上がらない兄と姉。マーティ自身も遅刻常習犯で先生からは目を付けられている問題児、バンドのオーディションは落ちる。そのくせ負けん気だけは強くで、アホなニードルスと張り合い、腰抜け呼ばわりされると自分を見失う、夢ばかり追いかけてるパッとしない青年です。

そんなマーティなのに、タイムスリップ後のタイムスリップ前とは違う、別人と言っても良い家族たちとこの先暮らしていかなくてはなりません。
今までは家族とマーティの間で取れていたバランスが、タイムスリップ後にはマーティだけが劣等人間のごとく、バランスの悪い生活を送らなくてはならない・・・・

なるほど言われてみればそうかも知れませんね。容姿は同じでも、ある日を境に中身は別人になってしまい、そんな家族と暮らしていかなくてはならないなんて、悲しい事かも知れませんね。

でも・・・

パート3のラスト近く、ニードルスのアホ連中とシグナルダッシュをする際、マーティはニードルスの挑発に乗らず、反対方向へスタート。
以前のマーティなら頭に血が上り、スタートダッシュしてロールスとぶつかっていたことでしょう。
そうです、マーティ自身も変わったのです。過去と未来を行き来する中で、色んな経験をし、人間として成長したのです。
確かに、パート1のラストでは、マーティのみが以前のままのようですが、パート2、パート3と、未来と過去を行き来する中で成長し、最終的に大きく成長したのです。

ですから、変化した家族と成長したマーティとはバランスが保たれ、今後の生活は悲しさと言うより明るい未来、希望のある生活を手に入れたと考える方が自然だと思います。
さらにデロリアンは破壊されてしまったし、信頼するドクも時間旅行に旅立ってしまいました。マーティはこれから、変化した家族と愛するジェニファーとの幸せな生活を送るに違いないはずです。

と私は思うのですが、どうでしょう。
ただ、自分の父親が若い頃、同級生にバカにされる存在だったり、覗き魔だったり、母親が異性に対して積極的だったと言うのは悲しい事かも知れません。

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