FJÄLL RÄVEN GREENLAND WAXの使い方
先日,FBに写真をアップして「さて,なんでしょう?」と書いたら,知っててボケてくれているのか(^^),本当に知らないのか,食べ物系の答えを幾つかもらった.その写真がこれ
「ういろう」という答えが多かったみたいだけど,実際は違う(笑
これは,帆布などの撥水加工に使うパラフィンだ.製品名は「ファールレーベン・グリーンランドワックス」と言う.
撥水加工を施したのは工房hosonoのリュック,もともとはパラフィンで加工されていたはずだが(ロウ引き加工という)そこそこ使い込んでいたので,既に生地はクタクタ(よく言えば完全にシーズニング完了)防水性も期待できない,しかも汚れている状態.
で,まず洗った.
100%帆布であれば適当な洗剤でザーッと洗ってしまうのだが,今回のリュックは全体の1/4ほど革が使われているので専用の洗剤を使う.
コロンブスのスニーカーケアシャンプーだ.このシャンプーは2種類あり「レザー&オールマテリアル」の方を選ぶこと.スポンジにシャンプーを取ってよく泡立ててぬるま湯で洗う.革を濡らすのに抵抗があるかもしれないが洗うのは水が一番.乾燥をきちんと管理すれば心配無用.
洗い終わったら陰干しする.直射日光は避けること.この時,たいていの家に転がっているマイクスタンド(ブーム付き)を使用すると,日陰を求めて移動も簡単なのでお勧め.2日ほどかけてしっかりと干したら,まず革の部分をコロニルのクリームで手入れ.
ちなみに「コロニル」はドイツのレザーケアメーカー.ここの「1909 シュプリーム クリームデラックス」と言う栄養クリームで革の部分をきちんと手入れしておく.
さぁいよいよロウ引き加工にかかろう.
まず,ワックスを布にごしごし擦り付けてロウを塗る.イメージはチョークで落書きをする感じ.帆布がロウで白くなるが全く気にしない.全体にムラがないように気をつけながらゴシゴシ・・・
塗り終わったらアイロンを準備する.工作用の手のひらアイロンが大活躍.もちろん普通の家庭用のアイロンを使用しても問題ないが「そんなことに使わないでよ〜」っと怒られそうなのでハナから自分の工作用を使用する.で,温まったアイロンを帆布に当てて熱を加えると・・・
こんな感じ,ロウが熱で溶けて帆布に染み込み防水性を発揮するという仕組み...ついでに,ロウが染み込んだ分帆布が硬めの手触りになるとこも特徴.糊付けしたみたいにしゃっきり蘇る.ちなみに,ドライヤーでも作業できるらしい.
リュック全体にアイロンで熱を加えると,
こんな感じ.ロウ引き帆布が経年変化でロウが落ちてきた・・・と,いう方は是非.とても簡単な作業で帆布のバッグが蘇る.