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ヒコ・みづの講師 × SLACK FOOTWEAR|対談ブログ Vol.09


こんにちは。SLACK FOOTWEARのデザイナー安田です。
対談ブログVol.9は靴の専門学校ヒコ・みづの講師「紀井 長(キイ ナガシ)」さんです!!

将来の靴職人、靴デザイナーを育てる靴業界にはなくてはならない人です。数少ない靴に触れて学べる学校。そういった環境の中で生徒に愛され、生徒にしっかりと厳しく知識と技術を教える立場でありながら、自らも日々努力を怠らず新しい形のスニーカーや革靴をSNSで発信。とても尊敬できる先生と対談です!!

紀井先生との出会い

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安田 / 「お久しぶりです!!今日は学校での対談ありがとうございます!!わざわざ無理を言って色々と準備してくれた事に感謝です。」

紀井先生 / 「すいません授業があってバタバタしてまして!!生徒達の為に何か役立てたらと思ってますので宜しくお願いします!!」

安田 / 「紀井先生のSNS見てたら絶対に対談したいと思ってお声がけさせて頂きました!!もう凄いじゃないですか!!毎日毎日、ひたすら靴に向き合う姿を見させて頂いていますよ!!」

紀井先生 / 「そうですね!!とにかく毎日UPすることを頑張ってます!!けっこう最近だと海外の方も見てくれてコメントをくれるようになってきましたよ。」

安田 / 「まあ!!お楽しみは後でにしましょうか!とりあえず紀井先生との出会いについて話しましょう。」

紀井先生 / 「安田さんとはまだそんなに出会ってから日は経ってませんがうちの生徒が安田さんと知り合いでちょうどSLACK FOOTWEARの展示会がヒコ・みづのの近くでやっていると生徒にお聞きしてお邪魔させて頂いた事が出会ったきっかけでしたよね!!」

安田 / 「そうですよね!!けっこうウェルカムな性格なんで(笑)生徒全員と先生をみんな連れてきて!!ってその知り合いの子に言ったら本当に沢山来てくれて嬉しかったですよ!!やはりこの業界にいるとヒコ・みづのさんの卒業生や在学生にも出会う機会なんかも多くて!!僕も生徒さん達と全く同じ目線で戦いたいなって思ってます。」

紀井先生 / 「そこでいつか一緒に授業をやりたいなぁって思い、卒業展やカリキュラムの一環で授業を見て頂いたり、一緒にセッションしたりと現場と授業の違いなんかも教えてもらってより深い関係になりましたよね!!」

安田 / 「そうですね!!僕も先生側に立つ時代が来るなんて夢にも思わなかったです。僕なんか専門学生の時と就職した時のギャップをモロに痛感した1人だったし、この思いをリアルに先に生徒さんにも伝えてあげたかったのでなんかモヤモヤしていた思いが晴れました。」

安田 / 「色んな生徒さんともプライベートで会ったり、僕のイベントにも生徒さんが足を運んでくれたり、一緒にイベント行ったり、はたまた食事や呑んだりもしてますからね(笑)」

決して悪いことはしていません。むしろ自分も生徒と同じ目線です。

紀井先生 / 「いつの間に!!うちの生徒を乱暴に扱わないでくださいよ(笑)僕の大事な生徒なんですから!!」

安田 / 「大丈夫です!!変なことはしてないですから!!熱血ティーチャーです!!僕も学ぶ事多いからどんどんセッションしたいですね!!でもみんな言いますよ!!紀井先生はすごくいい先生だって。」

紀井先生 / 「僕はしっかりと物作りを生徒に教える義務があるので厳しい面もあるかもしれませんが生徒に見合った教え方をしています。生徒にも個性があるので1人1人に同じ事を求めないですし生徒を見て生徒の良さを伸ばしていきたいです。」

安田 / 「僕も一緒に授業を行って思いましたよ。厳しいジャッジもしながらも愛のある言葉も投げかけてましたし!!甘辛なのにユーモアが入っているから魅力的に感じました。口先な先生じゃなく自分も努力している姿を見せてるから説得力もありますし、自分も若かったら授業受けたいですもん。」

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紀井先生が見るSLACK FOOTWEAR


安田 / 「すいません!!結局話すといつも話が長くなってしまいます(笑)じゃあ次のお題にいきましょう!!紀井先生に今日はSLACK FOOTWEARを見てもらいたいと思いスニーカーを持ってきました。是非色々と経験豊富な先生に厳しい目線で見てもらいたくて!!せっかくだから褒めるというよりは今後の改善点とかも何かあればお聞きしたくて」

紀井先生 / 「はは!!厳しめで行くとしますか!!僕は初めて安田さんと出会った際に展示会場でスニーカーの説明をしてもらいました。その時に言っていた言葉は今でも覚えてますよ。他社とコラボレーションする為に現段階でその先のデザインを考えているとお聞きしたのが印象的でした。」

安田 / 「そうですね!!切替ラインを作って後々、コラボや別注がしやすいようにデザインを組み込んでます。なのでカラーもシンプルに作って他社さんが使える色もあえて残してあげています。」

紀井先生 / 「次の展開も視野に入れたユーザーの為のデザインはすごく良いと思いました。ただもう少し安田さんの色も出した方がいいな!!とも思います!!それは他社の気持ちを考えて行うだけではなく”安田のスニーカーはこれなんだ!!”っていう1本芯のある靴が見てみたい気持ちもあるんですよ。もちろんブランドのコンセプトもある中でエゴをどう出すか!!そこは難しいかもしれませんがそこを出しながらの説得力が靴から滲み出ている、言葉要らずな安田スニーカーっていうものが見てみたいとも思うわけです!」

安田 / 「ありがとうございます!!鳥肌が立ちました!!いい刺激の言葉ですね!!僕もそう言われると言い訳が何個も浮かんでしまいますが(笑)そこは弱い部分だと思い真摯に受け止めます!!」

紀井先生 / 「普遍的でずっと長く売れているスニーカーには必ずと言っていいほどデザインの構成に無駄がなく何か光るディテールの良さが隠されていたりします。僕はジャーマントレーナーのソールのラインが絶妙すぎて大好きなのですがミリ単位で心地の良いラインを表現していたりするんです。バルカナイズだと某ブランドさんはマッドガードのカッティングの立ち切り面までも妥協せずにデザインして作っているので、そう言った心がけをするだけでもスニーカーにより力強いデザイナーの信念を見る事ができるんですよ。」

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安田 / 「僕は職人気質なタイプではなくどちらかというと2次元の世界でデザインをするタイプの人間なので、頭の中の構築と製品のズレが多々ある時がありますがこの部分が紀井先生に教えてもらえてより良いものをお客様にお届けしたいと更に思うことができたのでやっぱり対談できて良かったです。対談の意味はこういう所にありますよね!!」

紀井先生 / 「SLACK FOOTWEARはドメスティックブランドとして夢があるからそれは本当に凄いことだと思うし、生徒だってブランドを立ち上げるって事が夢の人も多い。だからこそ安田さんが先陣切って爆発的なヒットであったりトラディショナルな物を作っていく人であってほしいです!!」

安田 / 「経験を積んでいる人の目線はやっぱ違いますね!!一般的な目線ではない部分により力を入れていきたいと思います!!」

紀井先生 / 「僕も作り手なんで!!思ったことはしっかり言いたいからお互いにこれからも宜しくお願いします!!」

安田が驚愕した紀井先生の取り組み

安田 / 「今日は紀井先生の日々の取り組みを是非、沢山の方に知ってもらいたくてお声がけさせて頂きました。」

安田 / 「さっきからずっと目の前にあるんですが、気になってしょうがないです…」

紀井先生 / 「毎日、ちょこちょこ学校に持ってきては並べていました!!安田さんに全部持って来いと言われたので(笑) 頑張りましたよ。」

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安田 / 「ではでは!!何から聞いたらよいか!!色々聞きたい事が多くてどこから手を付けたらよいか悩みますが…このスニーカー達は一体何でしょうか?」

紀井先生 / 「こちらに並んでいるスニーカーは僕が作ったスニーカーです。コロナもあり、自宅で何か継続してできないか?という所から学生にも目を向け日々の積み重ねを見てもらう!!そんな意味合いもあり始めました。」

紀井先生 / 「とても深いコンセプトもあって、どこにも” 属さないもの ”を作る。生み出していく為には経年劣化した履きたくても履けない、でも思い出が詰まっているから捨てられない。そんな自分にとっての大切なスニーカーを使って、解体して新たな再生を行っているんです。ただ2つのスニーカーをただ合体させているだけではないんです。お互いが存在を共存していけるような絶妙な配置にはとても時間をかけて悩んでデザインしています。」

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紀井先生 / 「商売とかでもなく作家活動の一環としてやっています。ちなみになんですが、このどこにも属さないスニーカーたちをブランディングしようと思って” REshuse"と名づけて毎日SNSに作業工程などをUPしています。」

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安田 / 「僕も実は思い出のスニーカーは捨てられず、履けないし、邪魔だし、汚いし、臭いし、もうどうにもならないので乾燥剤と一緒にジップロックに入れて庭に大きな倉庫を買ってそこに並べて入れてます。」

安田 / 「紀井先生の活動はそんなスニーカーが履けるように息を吹き返すだけではなく、全く新しい見たことがないスニーカーへと変化させるので、とても今の時代にマッチしたクリエイティブな事をしているなって思いますよ!!」

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全部はご紹介できませんでしたがびっくりするクオリティーに脱帽です。

紀井先生 / 「コツコツと積み上げていく姿をSNSで発信するのも結構大変なんですが、安田さんが好きなソールの剝がし方(やかんで熱湯をスニーカーに注いで接着剤を柔らかくしてからソールを剥がす。別名 : キイハガシ)も知らない人からしたらすごく新鮮に見えているんだと思います。そういった驚きや、少しでも靴を作る工程を見て頂けたら嬉しいです。」

安田 / 「ただ好きでやっているだけではなく、生徒の為にも頑張っているとのことなので本当に感動しました!!今日はありがとうございました。」


★SLACK FOOTWEAR

革靴のテクニックと現代的な機能素材を融合し、新たなデザインを模索する、東京発のスニーカーブランド。革靴ブランドとスポーツメーカーの両ステージで経験を積んだ、デザイナーの技術とノウハウを踏襲した、制作へのこだわり。手工業と機械工業の工程や構造をブレンドし、これまでにない履き心地と着まわし力を備えたハイブリットな一足を提案する。

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