「SLACK FOOTWEAR」 新作のご紹介!!「VOLF (ヴォルフ)」
こんにちは!!SLACK FOOTWEAR デザイナーの安田です。
GWに入りました!!コロナでなかなか旅行にも帰省にも行けなかった方々も多いと思いますが気を抜かずにたまにはゆっくりしようかと思っております。
さて今回も新作のご紹介をしたいと思っています
今回は「VOLF(ヴォルフ」をご紹介したいと思います。
少し長いかもしれませんが読んでみてください。
「誕生秘話」
ジャーマントレーナーは各社色々とデザインされた物が発売されています。
日々、市場のリサーチをしている中でもセレクトショップを中心によく見かけるなぁと意識しなくても目に飛び込んでくる物はやはり需要があると言えます。そういう物がトレンドであり求められている物です。
そしてすでに物の価値として「安心感」がそこに含まれています。
実はその安心感は非常に大事なんです。
「本家をパクってる!!」
そんな声も聞こえてくるほど各社メーカーがサンプリングしてデザインしているスニーカーです。
そこには”リスペクト”という気持ちの部分はきっとのせてデザインしていると思います。デザインしている僕がそうだったので!!
歴史を紐解くと旧西ドイツ軍が1970年代からトレーニングシューズとして着用していたスニーカーがよりファッション感覚で履ける様に進化してきました。
古着でミリタリーアイテムを着ている様な感覚で履けるスニーカーですがそこまで泥臭さを感じさせず綺麗目なスタイリングにも大人の魅力を引き出す様な1足です。
ミリタリーと聞くとミリタリーブーツの様に頑丈でボリュームもあり強靭なイメージもあるんですがこのジャーマントレーナーにはシャープで繊細なイメージが先行します。
これはあくまで僕が思っていることですがソールに理由があります。
サイドから見たらすぐにわかりますが、つま先から踵に向かうラインが徐々に上がっていきます。つまりつま先の方はソールが薄く、踵に向かってソールが厚くなっていきます。
そしてシューレースの始まりが結構前方からスタートするので目の錯覚でスニーカー自体が間伸びしないでコンパクトに見えるのもシャープに見える要因の様な気がします。
そして1番言いたいのが…
「もうどうにもこうにもこのデザインは100点に近いということです。」
なぜかと言うと、デザインを崩すことも難しく、デザインを足せば邪魔に見える。新しくデザインを組み込むのが非常に難しいと言うことです。
なので各社デザインしたジャーマントレーナーはパっと見、どこのジャーマントレーナーかわからないくらい似た物が存在するんです。
そしてパーツのライン構成も非常に面白いです。
僕はデザイン構成する際に直線と曲線をバランスよく混ぜるようにしています。直線だけだと攻撃的で角が立ちすぎるから曲線で逃がしてあげる。曲線だけだと見た目に締まりがないのでシャープなエッジを効かせたラインでグッと緩さをなくす。
これは僕が師匠から教わったテクニックです。
実際には意識してなくてもそのようなバランスでデザインがされている物はいくらでもあるとは思いますが意識してデザインしているとまた違う物です。
スニーカーや靴はデザインできる箇所が非常に少ない。
面積も少ないですし、まず足に影響があってはならないとなると更に制限されます。そんな中で先人たちが残した究極なラインを生かすか殺すかは1本のラインで決まってしまいますし、その形を崩して新しいものが生まれたりもします。
ジャーマントレーナーは直線と曲線の使い方が非常にバランスよく無駄なラインを寄せ付けない。隙すら与えない鉄壁ガードのデザインだと思います。
「ではそんな鉄壁をぶち壊してやろう!」
そんな思いで誕生したのが「VOLF(ヴォルフ」です!!
「VOLFの特徴」
まずは通常のSLACK FOOTWERのソールの厚みが32mmありますが、VOLFは25mmの厚さしかありません。
つま先のフェイスを本家のジャーマントレーナーに近づけるために薄くしました。
踵に向かってソールが厚くなっていくジャーマンと違って、厚みは25㎜のまま平行を保ちました。そこはバルカナイズ製法を愛している、
SLACK FOOTWEARの意思を尊重しています。
厚みを25㎜にしたことで飛躍的に良くなった事が2つあります。
①従来のソールより軽量化できた。
②ソールが薄いので屈曲性が増した。
更につま先のラバー部分にあるマッドガードを外したので見た目もとてもシャープに仕上げることができました。
そしてサイドラインに忍ばせたリフレクター素材と通気の穴の配置です。
絶対に無理して出しゃばってはいけないように頑張りました。
ここ注目です!!簡単そうに見えてかなり悩んだし、長いことみんなでミーティングしてこの配置になってます。
リフレクター素材は光の反射で暗い場所で光が当たるとビカっと閃光を放ちます。
スポーツテイストがちょこっと入ってるのは僕個人的にドストライクなアイテムでもありまして自身もくすぐられるような素材を入れました。
通気の穴はシンプルですが革靴の親子穴を少しイメージして入れています。
あくまで革靴とスニーカーをMIXさせたような落とし方になりました。
「実はまだあるんです」
ここからが真骨頂かもしれません。
まずは足入れをすると感じるのですがライニング(靴の中の素材)がネオプレーン素材になっっています。脱ぎ履きする時に無駄な引っかかりなどなく、足に非常に優しく肌触りも良いです。サラサラしていてとても気持ちがいいです!!
見た目で勝負せずこういった機能素材で変化球を入れました。
そして最後になりました。
SLACK FOOTWEARの定番モデル「ELCLUDE(エルクルード)」
このスニーカーについているコードロックと伸縮可能なバンジーレースが
付属でついてきます!!
ジャーマンの世界観を壊したくない方はシューレースで!!
ジャーマンを飛び越えていきたい方はバンジーレースで!!
1つで2度おいしいスニーカーになっています!!
是非気になる方は履いてみてください!!
★SLACK FOOTWEAR
革靴のテクニックと現代的な機能素材を融合し、新たなデザインを模索する、東京発のスニーカーブランド。革靴ブランドとスポーツメーカーの両ステージで経験を積んだ、デザイナーの技術とノウハウを踏襲した、制作へのこだわり。手工業と機械工業の工程や構造をブレンドし、これまでにない履き心地と着まわし力を備えたハイブリットな一足を提案する。