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星を救う者は星に夢を見る 第一節

Zenoa=Rolandとは何者なのか
ただの一介の冒険者であるZenoa=Roland(以下ゼノア)が
なぜ、世界の危機を救った「英雄」となったのか?
当記事では彼女について語っていくものとする。

・ゼノアという冒険者
まず彼女の出自から語っていこう
生まれはイシュガルドの下級貴族の出であることは本人から聞いた。
ローランド家といえば、主に傭兵稼業を生業とする家であり、
かつての竜詩戦争において功績を残し、それにより貴族の仲間入りをはたした家系である。
傭兵・兵隊稼業のため、他貴族からはよく思われていないということも
一般民衆にまで伝わっている事実である。
また、ローランド家は養子を迎え入れることで家を継ぐらしく、家族間に血の繋がりはない。
そこもまた他貴族から疎まれる一因でもあるのだろう。
現在のローランド家は、当主の「ウィリアムス」(エレゼン・フォレスター)
妻の「ミリシャ」(ヒューラン・ミッドランダ―)
長男の「ネィティス」(ルガディン・ゼ―ヴォルフ)
長女の「サクヤ」(ミコッテ・サンシーカー)
そして冒険者「ゼノア」(ララフェル・プレーンフォーク)となっている。
彼らの名に種族の命名規則が当てはまらないのは
ローランド家において「我らは種族の枠に収まらず、家族の和に収まるものとす」という家訓があるからだ。
当主のウィリアムスにゼノアを迎え入れた時の話を聞いた。
「ゼノアはどこから養子として家族に迎えたのか?」
ウィリアムス「私が兵を連れ、訓練の雪中行軍を行っていた時のことだ。
あの日はとても吹ぶいていてね、目の前の視界もままならない状態だった。私たちはキャンプを設営し、吹雪が弱まるのを待っていた。そんな時だった。どこからともなく声が聞こえてきた・・・。『・・・をお願いします。』と・・・。そのあとだ、光が見えてね。この吹雪の中でもはっきりと見える、橙色の、そう、太陽のような暖かな光だ。私は一部の兵を連れ、その光に向かっていったよ。そして光の元にはゼノアがいた・・・。すでにこと切れている乳母に抱かれ、大きな声で泣くゼノアを。私が抱きかかえると急に泣き止み、私のひげを触りながら笑ったよ。その時くらいだ、急に吹雪が治まったのは。
そして見える周りの光景・・・。それはもう凄惨だった。
沢山の魔物と人の死。地は赤き絨毯となっていたほどであった。人であった者たちはその場で弔わせてもらった。彼らは帝国の者であったが、私たちにはそんなものは些細なこと。弔っている時に気づいたのは、帝国の者同士で争った形跡があったこと。そしてその原因がゼノアにあったことを。私はこの子を守らなければという義憤に駆られたよ。今のままではいずれまたゼノアが狙われてしまう。そう思った私はまだ赤子であるゼノアに幻想薬(=姿を変えられる薬、冒険者に流行っている。)を飲ませ、容姿を変えさせた。」

「ではいまのララフェルではないと?なら、彼女はガレアン族なのか?」

ウィリアムス「ゼノアの種族については語るつもりもなく、私がエーテルとなってもそのまま星に持ち帰らせてもらうよ。」
ウィリアムス「我が家は『我らは種族の枠に収まらず、家族の和に収まるものとす』だからね。」

ゼノアは一体何者で、なぜ彼女は生まれながらにして
命を狙われていたのか?謎の冒険者の謎は深まるばかりである。

第二節へつづく

                著:フリーライター リリル=リル


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