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星を救う者は星に夢を見る 第四節

Zenoa=Rolandとは何者なのか
ただの一介の冒険者であるZenoa=Roland(以下ゼノア)が
なぜ、世界の危機を救った「英雄」となったのか?
当記事では彼女について語っていくものとする。

サンクレッド「さっきも言ったが、俺があいつと初めて会ったときはヒューランの男だった時だ。何というか不思議なものを感じたのを覚えている。」

「不思議なもの・・・それはどんなものか教えてもらっても?」

サンクレッド「あぁ、言葉にするには難しいが近しいもので言うならば『暖かさ』だろうか・・・。こう安らぐ・・・?違うな、当たり前の感覚でいて・・・けど、そうではなくて・・・。すまない。俺ではうまく言葉にできない。他のメンバーには聞いたか?」

「いえ、『暁』の方々ではサンクレッドが初めてです。」

サンクレッド「なら、ウリエンジェの奴にでも聞いてくれ。あいつなら上手く説明できるだろう。多少、長ったらしくはなるがな。」
「ま、ゼノアについてはとにかく不思議な奴だった。とにかく物怖じしない、やたらめったら首を突っ込む、お節介も過ぎる奴だな。
帝国との争いの真っ只中でも、街や村の人たちの話を聞き相談事を解決して回る。どこかへ足を運べば隅から隅まで見て聞いて回る。ゼノアにとっては出会う全てが宝物みたいだったんだろう。」
「そして誰かが何かが傷つき、壊れる、無くなるその様子を見るあいつは誰よりも泣いて、怒って、叫んでいた。」
「こう言葉にしてみるとゼノアはまるで『子供』のようだな。」

サンクレッドは堪えきれず笑ってしまう。

サンクレッド「人間的な所はそんなところだな。しかし、戦いにおいてはゼノアほど頼れるものはなかった。」

「戦い・・・。」

サンクレッド「あいつは『戦闘』においては容赦しない。『戦いにおいてお互いに存在を大事なものを背に戦うんだ。そこに躊躇も容赦もあってはならない。』ゼノアはある決戦前にそんなことを言っていた。」
「戦闘スキルにおいても申し分なかった。あいつは親に叩き込まれたと言っていたな。あと各ジョブにおいて『師匠』がいるともいっていた。ゼノアをここまで育てた『師匠』や『親』とやらにいつか会ってみたいもんだ。」

「私としてはゼノア=ローランドは竜騎士という印象が強いのですが。」

サンクレッド「確かにゼノアは基本竜騎士だな。色々嗜んではいるものの槍が一番あいつにとって手に馴染むらしい。」

「ゼノアと出会って、過去と現在の印象の違いとかってありますか?」

サンクレッド「良くも悪くも変わらないな。俺にとってはやんちゃな子供だな。よく笑い、よく泣き、よく怒り、よく食べ、よく寝る。無邪気なのか邪気そのものなのか(笑)自分勝手な自己中心的な存在だな。」

「結構ひどい言いようですね(笑)」

サンクレッド「自己中心的なんだがな。そのゼノアの自己の中心には『出会ったもの』がいるんだ。家族・仲間・街や物、世界そのものがあいつの中心に居座ってるんだよ。」

彼は優しい笑みをこぼす。

彼の話ぶりを聞く限り、言葉通りの意味ではないことは百も承知なのは明白だ。
ゼノアにとって大切な彼は、彼にとっても大切な存在なのだ。
子供に例えるのも二人の仲があってこそのものなのだろう。
ゼノアに近しいサンクレッドから話を聞けて良かった。私はゼノアに興味が尽きない。もっと色んな人が語るゼノアの話を聞きたい。

「サンクレッド、他の『暁』の方の居場所をご存じないでしょうか?他の方にもお話も伺いたくて。」

サンクレッド「分かった。ただ、そこまで頻繁に今は連絡をとってないのだが・・・。一人だけ確実に居場所が分かる人物がいる。」

彼はそう言って私にある場所を伝えた。
次に会う人が語るゼノアはどんな人物として語られるのか・・・。

第四半節へつづく

                著:フリーライター リリル=リル


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