――世界中が果南を待っている 『ラブライブ!サンシャイン!!』第七話感想

◆小言

・後半戦のステージが幕を開けた『サンシャイン!!』。六話で製作されたPVの高評価により、東京のイベントへ参加することに。新たな始まりを感じさせる展開。東京スクールアイドルワールド事務局とか怪しい団体名だなあ笑。あやしい笑。

・未だに「μ's」のグッズが売られているとかはんぱねーな。『ラブライブ!』の頃から思ってたけど、「μ's」はロイヤリティーをブン取ってもいいだろ笑。スクールアイドル事務局はちゃんと払ってんのかァ!ええっ!!

・浦女壊滅!イナカモノズのファッションセンス!! ダサい、ダサいぞ! お前ら壊滅的なセンスだぞ!! もうね、あれはおのぼりさんとかそんな次元を超越していたぜ。千歌ちゃんよ、君はお笑い芸人か・・・ルビィしょうがくせい感MAXで草生えましたわ。

・好きなものには一直線に向かっていき、早速身に着けると、曜とヨハネ氏の似た者同士感がちょこっと描かれていたな。あと、梨子さんキャラ変わりすぎやしませんかねえ・・・新ジャンル「壁クイ」。





◆聖なる雪は何をもたらす?

 新展開を迎えるにあたり、新たなスクールアイドル「Saint Snow」が登場。鹿角姉妹は双子っぽいね。あの神田明神での出会い、「Aqours」の前という順番、因縁がついて回りそうだなあ。どうやら「Aqours」と同じく新興のスクールアイドルユニットのようだが、境内でのアカペラに千歌が惹かれている様子からするに、この姉妹の実力は中々に高いと見る。次回にて描かれるであろう彼女たちのパフォーマンスは、果たして「Aqours」にどのような影響をもたらすのか。追って確認していきたい。





◆真の「Aqours」胎動へ

 一話から六話において描かれたのは、千歌たち二年生と一年生が、“内浦”のスクールアイドルとして成長していく過程だ。あの六話でようやく、アイ活をやっていた当時の三年生たちの世界へ入門したというわけだ。そこに至るよう、マリーは、<講堂を満員にしろ>、<内浦と浦の星の良さを理解しろ>と、パフォーマンスと心構えについて説いてきたのだろう。
 六話と七話から察するに、当時の三年生たちは今の「Aqours」同様、東京でのイベントへ呼ばれるほどに名を挙げ始めていた、新進気鋭の実力者であった可能性が高い。つまり、千歌たち六人はまずあの三人と並ぶために力をつけることが求められていたわけである。まあでも、三年生たちとの実力差は多分まだ埋まり切っていないと思うのよ。ずっと“日課”を続けている果南、しなやかな舞で千歌を魅了するダイヤ。スクールアイドル復活を熱望するマリーもトレーニングを欠かしていないはずだ。

 その東京でのイベントで、三年生たちは思うような成果を上げられないどころか、スクールアイドルとしての自信をも打ち砕かれたのかもしれない。「今の実力で行っても……」というダイヤのセリフは、トップグループと地方のグループの実力差を肌身で感じた者しか言えない言葉だ。ルビィにかけた「自分を強く持つこと」というアドバイスもまた深みがあるね。
 しかし、今の「Aqours」には当時の三年生たちとは違う力がある。高海千歌のひたむきさと全てを受け止める力が折れない限り、千歌はチームを着実に最適解へと導くだろう。毎回言ってるし、一々例を挙げるのもちょっと面倒なので根拠は省略するが、少なくとも彼女は初めての期待と重圧、東京での経験をバネにしてみせるはずだ。全ラブカストーンを賭けたっていい。

 挫折を乗り越えると賭けるマリーは、かつて夢破れた者として、再起を賭ける者として、試練を与えてきた者として、そう期待しているのだろう。三話や六話にて、果南から「本気?」と二回も問われたが、マリーの意思の固さは描かれてきたが、今回もまたこの子の芯が描写されている。「東京で折られても、本当にやる気なら何度でもやるに決まってるだろ」って感じで、マリーの意思の強さを感じるよ。この強情とも取れる姿は、どこかのにっこりの魔法使いとかなりダブるね。八話以降の彼女の動きは要チェックだ。

 期待とプレッシャー、他者のパフォーマンス、演者にはいろんなものがつきまとう。それらを全て受け止め、自分の心のままに歌い、踊れるか。心行くまでに楽しめられるか。『ラブライブ!』シリーズにおける解決策はいつだってシンプルである。かつてのスクールアイドルたちが辿り着いた境地へ、九人の少女たちは旅立とうとしているのだ。




◆世界中が君を待っている

 少なくともマリーは、東京での挫折を乗り越えている。じゃなきゃ戻ってこないし、果南やダイヤを挑発するような発言も、「Aqours」への叱咤激励もできないはず。そして恐らく、「逃げてなどいない」と言ったダイヤも折り合いをつけ切っているのだろう。だからこそ、彼女たちは千歌たちの東京行きについて話すことができるのである。
 翻って、松浦果南はどうなのか? 彼女は未だに挫折を引き摺っているのだ。妹分である千歌と曜の初ライブをまともに直視しなかった点や、部活中の三人への余所余所しい態度は、果南が過去の失敗から立ち直っていない証拠なのかもしれない。加えて、シンプルで力強いマリーの言葉に逐一「本気?」と聞き返すことで、壁を作っているように感じる。あの頃から立ち止まっているから、果南は「Aqours」の東京行きについて何も言うことができないのだ。
 もし、八話にて「くやしくないの?」と声をかけられるとすれば、それはまさしく彼女なのではないだろうか。妹分の奮起を見て、ようやく彼女は二年前の苦節から立ち上がる時が来るのかもしれない。そして、彼女が復活する時こそ「Aqours」が集う瞬間と予想している。

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