見出し画像

未練。

無数の可能性の中の、その1番奥に。1番見つかりにくいところに、押し込めたのは俺だ。気付きたくなかった。否定したかった。君を見れば悲しくなってしまうから。でもやっぱり見つけてしまった。

なんで窓は開いてるんだろう?開いている窓がなんで怖いんだろう?無意識に窓を開けてれば振られた彼女が戻ってくるかも、なんて思っていると。

彼女はいい意味で主人公に窓を通して世界と繋がらせてあげたわけなのね〜。そりゃ失うとつらいわ。

自分自身の殻に閉じこもって、勝手に流れていく外の世界をただ眺めていた俺を、たった一人、彼女だけが見つけ出してくれた。
窓を開いたのは彼女だ。
俺の窓は彼女に開かれて、俺はそのたった一つの窓辺から、生まれて初めて世界に触れたのだ。生まれて初めて、本当に世界と繋がることができたと思った。

きっと人との出会いが1番自分を変えるチャンスなんだよな〜。彼女もそうだし、友達もそう。自分を変えてくれたなって人が彼女だったら最高だよなぁ。別れちゃったら辛いだろうな。

開かれたままで置き去りにされた窓の向こうには、今はもうなにもない。ただの無だけがどこまでも、どこまでも。それでもまだ何かを探そうと、うかつに身を乗り出し、バランスを崩して落ちれば終わりだ。多分そのまま無に溶けて俺は消え、二度と誰にも見つけられなくなる。

なんか婚約破棄されたときに窓の外の景色を見てたのを思い出すなぁ。。まぁ、こんな素敵な彼女ではなかったんだけど。自分の場合は。
小説家はすごい。俺はこんなことを言いたかったモスクワから窓をながめてるとき。

「本気で想える人間と出会えてさ。向こうも本気で想ってくれてさ。それを失くしたんなら、おかしくものるよ。なんでそれが下らないんだよ。大変なことだろ」

うーんでも下らない人を想いすぎちゃったなってこと、ないっすか?やっぱり下らないことだったわ。ってこと、ないっすかね?ないか。

いいなと思ったら応援しよう!