とやまのプロジェクト|立山で縁をもらう
富山のデザイン事務所 スカビ こと sky visual works inc. が手掛けたプロジェクトの紹介ページ
Healthian-wood(ヘルジアン・ウッド)は2016年にお話しを伺い、翌年からスタートした立山町にある美と健康の村づくりプロジェクトです。
Outline / 仕事の概要
ここ、田んぼです。
2016年5月
立山連峰のふもと、山々をのぞむ、まだ何もない田んぼで伺ったことから始まりました。
Healthian-wood(以下H-w)は、富山県立山町にある、ビューティ&ウエルネス複合施設です。レストラン、アロマオイル抽出工房、ハーブを育てるガーデンとサウナなど、関連施設が何棟も立つエリアの総称と言える場所です。
そのアイデアを知ったときは、そこはまだ、一部が整地されていただけで、ほとんどが田んぼでした。全体のアートディレクション、デザインへの参加が決まったまだ寒い時期の早朝、隈研吾さんが来県し、その後しばらくしてからコンセプトと構想プランが決定。
レストラン、精油の抽出工房、イベントなどに活用できる大きな三角屋根がシンボルの広場、田んぼだった場所に点在する施設がウッドデッキで繋がっています。
田んぼに囲まれたレストランでは、エリアで収穫されたハーブを使った食やお茶を、四季の中で、旬を堪能しながらゆったりと過ごせる、ハーブを軸に二十四節気を感じられる素晴らしいエリアです。
施設のブランディングとクリエイティブ
いわゆる複合施設の分かりやすいサイン計画や、ブランドカラー、制作物のフォーマット化など、考えられることは考え尽くした上で、適度なサイン計画を入れないことを決めました。
各建物に最低限必要だと考えられる造作物の監修と一部デザイン、スタート時点でパーフェクトを求めずに、運用が始まってから必要だったら追加するという方針は、私が求めている寄り添うデザインだからこそお互いの負担にならずに進められている。
一方で外注せずに済むように、ある程度の制作物でフォーマットを作り内制化を促進。大きなテーマである季節の撮影は、ディレクションとコーディネイトで携わり続けている。
キャプションにも書いたオリジナルフォント「Healthian-wood Reguler」を開発。それをベースにロゴ・施設紹介などフォントが統一されることで、世界感もブレにくくなる。
マーク
H-wのロゴ、各施設のマークは山口洋佑さんと共に開発
サイン
レストランのエントランスにあるサインプレートは、私と立山町を繋げてくれた恩人の、地元の陶芸作家 佐藤みどりさん。
WCサインは山口洋佑さんにデザインをお願いし、佐藤さんに焼いてもらっている。やりたかったことが受け入れられたことは喜びにつながっている。
終わりのない旅。
季節ごとの更新や、季節を感じてもらえる仕組みを考え続けたい。
「Healthian-woodプロジェクトは村づくり」とGEN風景の代表前田さんは言っています。私は村づくりは、終わりのない旅だと考えていて、先々のことを想像し、つぎはぎにならないよう、かと言って、完璧なワントーンを目指すわけではなく、エリアブランディングのポジションを成立させ続ける作業と、プロモーションの整理、クリエイティブ面でのサポートを丁寧に続けています。