ホテルカルデア第二弾「カルデア捜査本部」部屋の壁にある『謎』の話
ホテルカルデア……2019年以来2回目のサンシャインシティプリンスホテルとFGOのコラボルーム。
筆者はいちホームズオタクとして、2019年の「ベーカー街~親愛なるサイドキックへ~」部屋には何回か宿泊した。そして今回、ジェームズ・モリアーティ(ルーラー)が居るのならばと、捜査本部部屋に2024年1月上旬に宿泊した。
その部屋に前回とは異なり何やら意味深な展示があるではないか。ちょっと待て、この部屋シャルルと若モリ+ホームズ部屋じゃね? とテンションが上がりまくった筆者が、展示の元ネタと謎を以下に書き連ねる。
1.カルデア捜査本部に潜入
まずは部屋のご紹介。コラボルームとは何ぞや? という方もいらっしゃるかと思うので、その辺り含めて軽く記載する。本題ではないので、もう知ってるよ! という方は、この項目は飛ばしていただいて構わない。
サンシャインシティプリンスホテルとFGOのコラボルーム
今回取り上げているのは2023年12月23日~2024年3月31日までのIKEPRI25×Fate Grand Order「HOTEL CHALDEA(ホテル カルデア)」だ。
サンシャインプリンスホテルの25階にコンセプトフロアがあり、いくつかのコラボルームとイベントスペースが配置されている。
各詳細については以下のリンクから確認していただきたい。
サンシャインシティプリンスホテルさんは色々なコラボを行っていて、注力をされていると聞いているので、宿泊された方はアンケートを良し悪ししっかり記載すると良いのではないだろうか。
今回宿泊した「カルデア捜査本部」ルーム
今回宿泊したのはそのイケプリコラボの中の「カルデア捜査本部」と題されるコラボルームだ。
コラボルームと聞くと大体二つの要素があると筆者は考えている。
ひとつはキャラの巨大パネルが配置され、圧迫され、おはようからおやすみまで一緒に過ごす。とても圧迫感があるが推しであればそれも良い体験である。何しろ大抵は全身パネルなので頭からつま先までしっかりキャラの観察できる。とても貴重な体験だ。
そしてもう一つは、その世界に浸れるインテリアや壁紙等で部屋そのものが世界観に染まっているもの。小物、壁紙、壁の展示、ベッドの装飾品、場合によってはアメニティに至るまで、その世界に浸れるように配慮した設計になっている。
各コラボによっては、パネルとアメニティだけや、パネルなし等色々あるのだが、ホテルカルデアはパネル×世界観たっぷりの部屋の装飾、両方が楽しめる。
そんなコラボルーム「カルデア捜査本部」に配置されているFGOのサーヴァントは2騎。シャルルマーニュとジェームズ・モリーアーティ(ルーラー)だ。
ジェームズ・モリアーティ(ルーラー)は何でわざわざ(ルーラー)と書かれているかと言うと、同じジェームズ・モリアーティに(アーチャー)が居るので誤認を防ぐためである。
表記がちょっと長いので、本noteではその外見から呼ばれている「若モリ」と省略して記載させていただく。
コラボルームの部屋の感じは以下の写真をご参照。パネルの大きさが最高ではないか。
※ちなみに筆者が宿泊したのはコンセプトルーム_ツイン type A(29.3㎡)なのだが、お一人様で泊まるには広々としていてとても豪華な気分になった。洗面台とユニットバスが分かれている部屋なのも良い。
2.「カルデア捜査本部」の気になる展示
ここからが本noteの本題となる。
この「カルデア捜査本部」部屋。巨大な推しキャラパネルに目が行きがちだが、壁のあたりの展示装飾品がとても凝っている。凝っていて謎もある。だから何かメッセージがあるのではないか、と深読みしている。
まずは全体を見て欲しい。気になる展示装飾品はおおきく3つあった。
さて、この写真で違和感を覚えた方は、おそらくホームズオタクの沼に一歩足を踏み入れている。そのまま入るとズルズルと抜け出せなくなるので、覚悟を決めて飛び込むのをオススメする。
これらの展示は企画者のこだわりが見えて好ましく思っている。棚の上の小物を除き、シャルルマーニュというよりは若モリ、いわゆるシャーロック・ホームズシリーズにかかる展示がしてある。だからもしかしたら、何かメッセージがあるかもしれない。
3.地図の謎
まずは地図の全体像を見てほしい。
この地図はイギリスのロンドンの古地図である。
一目で分かる人間はロンドン好きか、ホームズオタクしか居ないので、わからなくても何の問題もない。
時代の特定もできる。ヴィクトリア女王の時代(ヴィクトリア朝)だ。
地図の北西(左上)にはリージェンツパークが明記されている。この公園は1845年に完成している。
そしてこの地図には、ライン川に架かるタワーブリッジの記載がない。
タワーブリッジの開業は1894年。故に1845年〜1894年の間に作られた地図と言って問題はなさそうだ。
ちなみに『最後の事件』が起きたと言われる年は1891年。面白いくらいマッチした地図が選ばれている。
ピンの位置
資料を止めているピンが地図の各位置に刺されている。この位置に何か意味があるのだろうか。一番目立つのは中央付近の『Sherlock Holmes』の文字が書かれた資料だ(①の箇所)。
この①のピン位置、ホームズ好きなら少し首を傾げると思う。
ロンドンでシャーロック・ホームズが居るところといえば、ベイカー街221Bだろう。しかしここはベイカー街ではない。
先程リージェンツパークの地図の注釈にも書いたが、ベイカー街はリージェンツパークの西にある。
現在のシャーロックホームズ博物館がある場所もベイカー街である。
この①のピンの位置は、おそらく現在のブランズウィックセンターがある位置だと思われる。
地図外を除く②、③、④のピンの位置は以下。
②ハイドパークのあたり
③ヴォックスホール・ブリッジの南、現在の在アメリカ大使館のあるあたり
④サウスワークパークのあたり
このピンの位置に何か意味はあるのだろうか。もしシャーロック・ホームズ等で関係のある場所であれば、教えていただけると嬉しい。
4.地図に貼り付けてある資料の謎
次に各資料について見てほしい。上記のピンの番号順でご紹介する。
小見出しのタイトルは筆者が適当と思われる文章で記載しているものなので、完全な英語の翻訳等ではない点はご留意いただきたい。
シャーロック・ホームズの署名?
……と思われる資料がど真ん中に貼ってある。
筆者はどこかで見た記憶がある署名なのだが、手元の資料では筆跡が合わなかった。喉に小骨が引っかかっているような気分だ。気になる。この資料の元ネタが分かる方はぜひコメントを入れてもらいたい。
221Bのキーホルダーと背景の原稿
ハイドパークに刺してある謎の資料。
ちなみにキーホルダーの背景の原稿は『ピクウィック・ペーパーズ(チャールズ・ディケンズ版か)』のようだ。
あいにく読んだことがないため、ホームズ関連の内容とマッチしているのかは筆者には分からない。
スミシーズの貸本条件(または、ロンドン研究所の保管)
見たことがないものだったので読み込んでみたら、W.H. Smith & Son's subscription library : 186, Strand, London, and at all railway bookstallsと記載があった。19世紀ロンドンの映像等で必ず出てくるあの書店だ。
知識がないのでわからないが、それがLondon institute(ロンドン研究所)に2月21日に寄贈された、ということだろうか。小ネタはおそらくは2月21日という日付と思われる。
シャーロック・ホームズの豆知識(嘘・ホント)
THE guardianに載っている。ホームズオタクの登竜門。読むととても面白いので、ぜひ読んで欲しい。何故地図にピン刺ししてあるのかは謎。
新聞×2
リアルの新聞ではない(はずだ)。記載内容は最後の事件、ライヘンバッハの滝でシャーロック・ホームズが死んだというもの。わざわざ2か所に同じような内容の資料を貼るのは、若モリ、あるいはモリアーティのほのめかしだろうか。
新聞の内容もきちんと書いてあるので、英語が読める方は読んでみてはいかがだろうか。
5.壁の写真の謎
この二人は『SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁』(英: Sherlock:The Abominable Bride。BBC制作のドラマ『SHERLOCK』の特別編)のジョン・H・ワトスン(右)とグレッグ・レストレード(左)だ。
※『SHERLOCK』については他の方の素晴らしい紹介記事があると思うので説明は割愛する。筆者としてはまずは本編をシーズン3までご覧になってから、この特別編を見てほしい
この二人の写真があるのなら、‘ジム′・モリアーティとシャーロック・ホームズ等の写真が隠れているのではないかと探し回ってみたが、見つけることはできなかった。
『忌まわしき花嫁』はストーリーに面白いトリックがある。そこを考えると、宿泊施設の部屋にこの二人とは、なかなか含みのある人選だ。
6.棚の展示の謎
棚の展示は3点。黒電話、双眼鏡、懐中時計。
この小物たちはコンセプト絵の中に出てくる小物と一致しているので、おそらくは19世紀~20世紀の探偵事務所を想起させるものとして置いただけなのではないかとも思われる。
謎の解決のヒント等ではないと思っているが、もし何か気付いたことがあれば教えてもらいたい。
7.おわりに
やたらに長いnoteをここまで読んでいただいた物好きの皆さまは、これらの展示・装飾・小物に何かしらのメッセージがあるのではないかと感じているのではないだろうか。
たとえ企画者が何となく配置したものでも、深読みしたくなるようなものばかりで、ホテルカルデア「カルデア捜査本部」には楽しく宿泊できた。こんな感じで、きっとほかの部屋も工夫を凝らしたインテリアになっていると思う。興味がある方は宿泊してみてはいかがだろう。
謎は謎のままでも面白いと思う。ただ、もし何かの謎が解けた! という方がいらっしゃったら、ぜひコメントを残してほしい。この謎、もし解くことが想定されているのなら、スッキリすること間違いなし。
企画者はそこまで考えてないかもしれない。それでも楽しめたなら勝ちではないだろうか。
(終)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?