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注目度高まるドローンポートとは?
みなさん、こんにちは。本日のコラムのテーマは「ドローンポート」です。自動化の未来に向けた、重要ツールのひとつとして、今まさに注目度が高まっています。今回のnoteでは、そんなドローンポートについてご紹介したいと思います。
ドローンポートとは
ドローンポートとは、「ドローンが離発着する場所」や「ドローンが格納される基地のようなもの」として表現されることが多いですね。皆さんの身近なもので例えるならば、ご家庭にある「ロボット掃除機(ルンバなど)」を想像してみてもいいかもしれません。
ロボット掃除機は、事前に設定した時間に、自動で充電基地から出発して、決められた場所を掃除してくれて、しかも障害物をよけたり、時にはぶつかっても方向転換しながら働いてくれて、終わったら充電基地に戻って、充電をして…便利ですよね。
まさにドローンにおいても「省人化、省力化」への期待感の高まる空飛ぶロボットにおける運用面の手間(やコスト)といった課題解決に、大きく貢献するものとして、昨今急速に注目度が高まっています。具体的な理由は、後ほどまたご説明しますね。
話を戻します。
空飛ぶクルマでは「バーティポート」という言葉も言われていますが、「ドローンが離発着する場所」というのが、大きな意味でのドローンポートです。小型ドローンに絞ってお話すると、以下の機能などを有しています。
ドローンの充電ができる格納庫
ドローンの遠隔地からの操作ができるシステム
安全運用のための風速/不幸観測や通信設備
これまでのドローン運用は、ドローンを活用する現場に人とドローンが移動する必要がありました。ドローンポートの登場で人とモノの移動は不要となり、さらに、遠隔地からのドローン操作が可能となります。
物流、災害対応、監視業務、インフラ点検など多岐にわたるドローン活用を支えるために設計されており、これらの業務において定期的な自動飛行を予定することもでき、ドローンの運用効率を高めることが可能です。まさに、運用コスト削減と運用効果を最大化するための重要な役割を果たすといえるでしょう。
このような「ドローンポート」が、人手不足の問題や、運用コストなどの経済合理性を成り立たせる上での一助になるとして、期待が高まっています。
なぜ注目されているか
ドローンポートが注目される理由として、「利便性」と「効率性」が上げられます。
ドローンポートはドローンの自動充電や自動操縦(設定した間隔や場所で自動撮影や録画も可能)ができます。これまで人が現地まで移動して対応していたり、もしくは現地に行くこと自体に多くの時間がかかっていた遠隔地での業務を、手元のパソコンやアプリケーションを通じて実施することが可能になります。もちろん撮影したデータを遠隔地へ転送することも可能です。
今まで手動で対応しないといけなかった手順(業務)を省略することができ、時間と手間のコストを大きく削減することができます。ドローンポートに着陸後、自動で決められた場所に撮影したデータが次々に保存されていくという手順が設定できる製品もあります。手動から自動に変わることでデータの保管や移動漏れの人的ミスによるリスクも削減できます。
例として、繰り返し同じ飛行をする業務に対して、活用の期待が高まっています。定点観測や調査、定期巡回を写真やデータで蓄積していくことができるため、点検や警備など広い範囲での活用ができます。敷地内の設備点検や、広大な敷地の鳥獣調査、河川の状況調査などでは、異変に気づくための事前調査と変異を日々データとして残すことが可能となります。
事例1:国土交通省の砂防施設点検の検証事例(合同会社SORABOT プレスリリース)
事例2:巡回・侵入監視を行うセキュリティドローン(セコム株式会社 報道資料)
また、国内で起きている規制緩和も注目される重要な要因の一つです。
日本ではレベル3やレベル4に係る規制緩和や実装に向けた取り組みが様々な角度から行われており、無人/有人地帯での目視外飛行のルール整備が進むことは、商用利用の拡大における重要な要素となってます。
ドローンポート活用における課題や注意点
多くの可能性をもつドローンポートの活用ですが、技術面でも運用面でもいくつか課題があることも事実です。技術面において着目すべきは通信についてです。
一般的にドローンの飛行時の通信は、ドローンと操縦機が直接通信しています。ドローンポートの多くも、現在はドローンと操縦機(多くはドローンポートそのもの)と通信を行うため、樹木・建物などの障害物があると飛行可能範囲が狭くなってしまいます。
また、遠隔地から操作するには、インターネット接続が必要となります。ドローンポートを稼働させるために、電源はもちろん必要ですが、ネットワーク環境が整っている必要があり、山間部や災害時の利用の際は注意が必要です。
運用面においては、法規制と安全性の確保も重要な課題です。
ドローンポートを活用する場合は、補助者を配置しない目視外飛行による運用が想定されます。レベル3やレベル3.5飛行を想像される方も多いと思いますが、第三者の立入管理がされている環境であれば、補助者を配置せずに飛行させることも一部認められています。
しかし、飛行安全性を担保するための点検や飛行環境周辺の確認をどのように行うかが、実際の運用を行う際の課題となっています。無人で運用ができる機器であるからこそ、無人で安全運用するための体制確保が重要であり、それを満たすアプリケーションやシステムを選定することも、ドローンポートそのものを選ぶ以上に重要ともいえるでしょう。
関連して抑えるべき情報
日本では、ドローンの規制緩和が進められており、特にレベル3.5の規制緩和は重要な要素といえるでしょう。レベル3.5は、目視外飛行の可能性を広げるもので、ドローンポートの運用において抑えておくべき規制です。この規制緩和により、ドローンの商用利用の一層拡大に向けて、物流やインフラ点検、災害対応など、さまざまな分野での活用が期待されています。
リンクはこちら↓↓↓
ドローンのレベル3.5飛行制度の新設について(国土交通省航空局)
世界的に有名なドローンメーカーであるDJI社もレベル3やレベル3.5飛行に必要とされる情報提供を開始しました。ドローンポートに限らず、遠隔・目視外でのドローン運用の機運が高まっていることの現れと考えられます。
詳細は、弊社の下記 note記事をご覧ください。
さらに、大阪万博のパビリオンにおいても、ドローンポートや遠隔操縦に関する企業の出展が決まりました。またドローンの遠隔操縦技術を用いて、遠隔地への旅行体験を可能とし、新たな観光事業の創出とドローンの社会受容性の向上についても期待されています。
テレビのメディアにも取り上げられている事例もあります。
遠隔操縦!ドローン技術を体験☆ミャクミャクいろりろ探検隊(こどもちょうせんバラエティ いろりろ 読売テレビ)https://www.youtube.com/watch?v=96f7FuMVmV8
今後の期待感
少しずつドローンポートや遠隔操縦の技術が認知され始め、国内・海外のドローンメーカーもドローンポートの販売を開始しています。メーカーを選ばず汎用的にカスタマイズできるドローンポートメーカーも出てきました。
2024年問題も含め人手不足が加速する中、ドローンポートの活用は今後さらに期待されています。物流、点検、監視業務などの分野での利用が拡大し、社会全体の効率化とコスト削減に寄与すると考えています。そして、遠隔運用が広がると同時に、1人の操縦者が複数のドローンを安全運用する未来に向けて、より一層のドローン活用の効率化を進めることができます。技術革新による自動充電の機能向上や運用の簡素化が進むことにより、遠隔地のドローンを安定的に安心して運用できる世界が近づいてきています。
自動化に向けたドローン活用を検討されたい場合には、「検討・導入・運用」のそれぞれのフェーズに合わせたご相談に柔軟に対応していますので、気軽にお問合せください。最近では、実証実験の相談や、目視外飛行オペレーター育成のご相談も増えてきています。
今回のテーマであるドローンポートについて、さらに理解を深めたい方に向けた、ダウンロード資料をご用意しています。こちらも是非ご覧いただけますと嬉しいです。
【資料DL】はじめてのドローンポート活用検討 https://japandronelicense.com/download/droneport
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。