【創業5周年記念座談会:後編】キャベツを2万個数え、元旦からドローンを練習した。前年比2倍の成長につながったのは泥臭い努力の日々
創業から5年を迎えた「スカイマティクス」。リモートセンシングとGIS(地理空間情報システム)を活用して、農業や建設、防災などさまざまな現場を変革してきました。
創業5周年企画として、前回は代表取締役社長の渡邉とCTOの倉本に、創業当時の話を振り返ってもらいました。後編となる今回は会社の転換点となった出来事、そして会社の未来について語ってもらいました。
プロフィール
全国を駆け回り集めたデータでプロダクトリニューアル。MBOを経て売上は前年比2倍に
信原:前回は創業から1年でドローンの機体開発からの撤退を決めたという話でしたね。ソフトウェアに注力できるようになったという意味では、大きな転換点だったんじゃないですか?
渡邉:そうだと思います。転換点というと、最初に作ったプロダクトを捨てたことも大きいと思いますよ。2018年に葉色解析サービス「いろは」とドローン計測サービス「くみき」の初期製品が顧客のニーズに合っていないと感じてゼロから作り直すことにしたんですよね、やすさん。
倉本:あれは勇気のいる決断でしたね。普通、苦労して作ったプロダクトを捨てたりしないですからね。でもそこから高速でプロダクトを作り直して、ベータ版をリリースして、データを集めて、すごいスピードで進めていきました。
渡邉:全国の農家や自治体にドローンを50台くらい無償で配って、ベータ版を使ってもらってフィードバックをもらって、改善の繰り返し。僕たちも全国を駆け回って、農家さんを訪問してドローンを飛ばさせてもらいましたね。
倉本:採石場や建設現場でもドローンを飛ばさせてもらったけど、普通は稼働している現場でドローンなんか使わせてくれないですよね?
渡邉:そうそう。しかも僕はその現場でドローンを墜落させた(笑)。でもそこから学んだことも多かったですね。そんな僕たちに協力し続けてくれた農家や建設会社がいくつもあって、本当に人に恵まれたと思っています。
信原:善さんもやすさんも、ドローンを飛ばすテクニックはかなりアップしたんじゃないですか?
倉本:僕は社内で一番飛ばしていると思いますよ。これまでに300時間は飛ばしたんじゃないかな。
渡邉:昔は年末年始も自宅にドローンを持ち帰って練習しましたよね。二人で元旦に連絡を取り合って「飛ばし始め」と称して飛ばしてさ(笑)。
倉本:あったあった(笑)。
信原:凧あげならぬドローンあげ?(笑)。会社がキャベツだらけになったって逸話も聞いたがことあります。
倉本:そうそう、取得したデータが正しいか検証するために、みんな畑でに行って2万個くらいキャベツを数えたなぁ。しかも重さを量ったキャベツは持ち帰ったから、会社のフロアにキャベツがあふれて。
渡邉:塩昆布買ってきてキャベツとあえて、ともかく食べて消費しましたよね(笑)。でも1年かけて地道にデータを集めたことで、19年春にはリニューアル版をリリースできました。しかも農水省の事業に採択されて、プロダクトの知名度も一気にアップ。19年10月のMBO(マネジメント・バイアウト)にもつなげることができました。
倉本:MBOしてからは、意思決定もプロダクト開発もすべてがスピードアップ。創業から3年間で生み出したプロダクトは2つだけだったのに、MBOの後は2年間で7〜8つまで増やせたし、クオリティもはるかに良くなりましたね。のぶさんはどう感じてますか?
信原:数値面で見ると、MBO後はすごいですよ。売上は前年比2倍程度で伸びているし、社員も2〜3倍になりました。メディアにもかなり取り上げられるようになった。手前味噌ですが、ほんとこの2年間の成長ぶりは目を見張る物があると思います。
スマホのようにリモートセンシングが当たり前に使われる社会へ。プロダクトを届け続けたい
信原:二人は、創業当時思い描いていた5年後の会社像にはなれていると思いますか?
渡邉:全然(笑)。確か会社の設立趣意書には「5年後には自社プロダクトを『産業版Googleマップ』にする」って書いていたと思います。でもマーケットにフィットしていて、かつ市場を変革するようなDXソフトを提供できているという自負はありますよ。
倉本:当初の予定では、もっと多くの農家や企業に導入してもらっているはずだったんですけどね。でも国の規制緩和の遅れなども響いている部分はあると思います。
渡邉:ドローン関連は国の方針に左右される部分があるから、そこは難しいところですね。だからこそMBOをしてフットワークを軽くしておいて良かったと思っています。リモートセンシングはこれから成長する産業であることは間違いがないけど、成長速度は読み切れないのが正直なところですからね。
信原:でもだからこそ面白いんですよね。今後はどんな5年間にしていきたいですか?
倉本:5年間かけていいプロダクトを作ることができたから、次はそれを届けていく5年間になると思っています。全国の農家、建設業者、自治体に使ってもらえるようになれば、世界にも挑めるはず。
渡邉:僕たちは「リモートセンシングを世界一社会実装し、新しい社会を創る」という目標を掲げていますが、これは平たく言うと「リモートセンシングがスマートフォンのように当たり前に使われる社会にしたい」ということ。そこに到達できれば、あらゆる業界の仕事の仕方が変わるはず。そこに挑んでいきたいですね。
のぶさんから見て、組織づくりの面ではどうですか?最近、1カ月に一回くらい組織が再編されていますよね。
信原:この3ヵ月で5回くらい変わりましたね(笑)。社員が増えたり、やってみたら違う形がいいとわかったりして、試行錯誤している状態です。でも組織を変えるのは課題があるからだし、課題があるということは成長しているという証だと思うので、マイナスだとは思っていません。
渡邉:その通りだと思います。課題があるということはチャレンジしているということ。特にスタートアップなんて、墜落しかけの飛行機を飛ばしているようなものだから、墜落しないためにやった方がいいと思うことはどんどんやるべきだと思います。
社会を変革するプロダクトづくりができる!スカイマティクスでは仲間を募集中!
信原:ちなみにスカイマティクスではメンバーを絶賛募集中ですが、この会社は何が面白くて、どんな人に来て欲しいですか?
渡邉:リモートセンシングは「DX」そのもの。これからますます重要になっていくので、そこに携われるというのは大きな魅力だと思います。しかもリモートセンシングとGISの両方に携われる会社って、日本ではうちだけじゃないですかね。営業からエンジニアまで、あらゆる職種において絶対に面白い仕事ができると思います。
倉本:メーカーの場合、要求書に従って開発したら「こうした方がもっと良くなるはず」と思っても、予算の関係もあってそれ以上やらせてもらえないことが多い。でもスカイマティクスなら、より良いプロダクトになる可能性があるなら、すぐに挑戦させてもらえます。エンジニア冥利につきる職場だと思いますよ。社会を変革できるプロダクトづくりに関われるので、ぜひ仲間になってほしいですね。
信原:先日資金調達もして、今後社員を1.5〜2倍くらいにしていくつもりです。リモートセンシングで新しい社会をつくるという理念に共感してジョインしてくれた人たちが、楽しみながら成長していける環境づくりを進めていきたいと思っているので、興味を持った方がいたら、まずは話をしましょう!
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