見出し画像

木漏れ日の在る日々【イメージ】

【イメージ】から二次創作で小説を書いてみました!
久しぶりの小説で拙いですが
良ければ覗いていってください😊

✦・┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ ・✦



~どこかの大切な人は誰かの大切な人

そのまたどこかの大切な人も誰かの大切な人~



大学に入学して数ヶ月のこと。
私は中庭のベンチに座り絵を描いていた。
あまり人と馴染めず、絵を描いているときが1番気が楽だった。

新緑がさわさわと風に揺れ、木漏れ日がカーテンの隙間から差し込む明かり。
見上げれば、青空を雲が自由に泳いでいくのが見える。
独り占めしているかのようなこの空間は、私の密かなとっておきの場所だった。

お昼をご飯を食べ終え、再び絵に取り掛かかろうとしたところで少しうたた寝してしまったらしい。

ふとシャカシャカと音がすることに気づく。
音漏れのような、聴き取れるようで聴き取れない音。

寝ぼけ眼で隣を見ると見知らぬ男の人が座っていた。
だ、誰??

一気に眠気も吹っ飛び、とっさに離れる。

膝に置いてあったはずのスケッチブックが無いことにサッと血の気が引く。
その場でキョロキョロと見渡し、スケッチブックの在処を探す…

嫌な予感。

隣の男性がまじまじと見ているものは、私のスケッチブックだ。

「…あの、あの!!」

上擦りながら声をあげる。

イヤホンをしているせいか、聴こえていないらしい。
目の前にで手をブンブン振り、アピールしてみる。

「あ、ごめんなさい。あなたのですよね」

イヤホンを外し慌ててこちらを向く。

知らない間に勝手に見られていたなんて…。
なんて失礼な人なんだ。

無言でスケッチブックを奪い取る。

「俺、絵のことよく分かんないけど、すごい上手いですね。地面に落ちちゃってたから拾ったんですけど、勝手に中見ちゃってすみません」

私はスケッチブックを胸に抱えながら、彼の謝罪をどうにか聞き入れた。
悪気があったようには思えない。

「…いえ」

ポツリと小さい声が落ちる。

「ここ、すごい気持ちいい場所ですね。周りの音もしないし、風の音だけって感じで。俺、軽音楽やっててたまには息抜きしたいなってウロウロしてたら、ここを見つけたんですよ」

そう1人でペラペラ喋ると、うーんと、背伸びして空を扇ぐ。
軽音というとチャラチャラしていそうなイメージを抱いていたが、見た目からはそんな雰囲気は感じられない。
むしろ爽やかそうで文学系に見える。

「さて、戻ろっかな」

「あ、あの、どんな、曲やってるんですか」

やっと出た言葉はそんな当たり障りない言葉だった。

反応すると思わなかったのか、少し驚いた表情を浮かべつつ柔らかい笑みを零す。

「えーっとね、ロックでもありポップスでもあるかな、激しめじゃなくてみんなが歌いやすい、覚えやすい曲。今の目標は、学祭かな」

私はスケッチブックをギュッと抱え直す。

「…聴いてみたいです。これ、見られたんで、おあいこ」

ハッとして彼は苦笑いした。

「ですよね!また、ここにお邪魔しに来た時に聴いてもらいますね。また、来てもいいですか」

「はい。でも、あまり知られたくないかも…」

何かを察してくれたのか深く頷く。

「了解です。誰にも言いません」

そんな僅かなやりとり。
とても長く感じたのは、このとっておきの場所だからなのか。

この人となら、もっと話していたい。
纏う雰囲気はどこか落ち着いていて、和まされる。

スケッチブックを抱えていた手に力が入ったまま、私はいつまでもドキドキしていた。

次に彼を見かけたのはカフェテラスだった。

賑やかそうな人だかりの中、ケラケラ笑っている。
屈託のない笑顔は、あの時に見た笑顔と変わらない。

彼を含めたグループがカフェテラスから出ていく時、彼は後ろを振り返った。

やばい、こっちに気づくかなと視線をさ迷わせる。

しかしその考えはだいぶ浅はかで虚しかった。

彼はグループの中のショートヘアの女の子に向かって何か話している。

その笑顔が何だか特別違って見えた。
なんと言うか、優しいけど少しはにかんでいるようで。

置いていかれた二人は急いでグループの元に帰っていく。

チクンと胸が痛んだ。

あれ、なんでこんな気持ちにならないといけないんだろう。

胸がざわついて落ち着かない。

勘というのだろうか。

好きな人の好きな人って
昔からどうしてだか分かってしまう。

だからいつだって片思いのままだった。

こんな特技、本当はいらない。

いらないの。

でも今はもう少しだけ…。



木々が立ち並び陽だまりに包まれ、風が無邪気に流れていく、このとっておきの場所で、またあの人が来てくれることを願いながら今日も絵を描いている。




主人公誰やねんて、思ったはず。
友也君を好きになってしまった女の子です。
全く別の視点から書いてみました。
なのでモブといえばモブですが、1人1人に物語ってあるんだろうなと思って浮かんだ話です。

友也君て、普通にモテそう~(*꒪꒫꒪)ホェー
男女問わず分け隔てなく接する系?
罪深い🏹❤️

結末分かってしまってますが、でも片思いってこういうものじゃないですか?
イヤン(*ノω・*)

好きな人がいるだけで何か毎日楽しくなる感覚。
この子にとってもそうなんだと思います。



二次創作絶賛募集中✨
12月25日までとなっております!


#イメージクリスマス





いいなと思ったら応援しよう!

青央
スキやフォロー、コメントありがとうございます。見て下さっただけでも十分嬉しいですが、もしサポートして頂けたなら、創作活動に使用させて頂きたいと思います!