#6【湾岸探訪】湾岸と運河と水上交通
8月下旬、ららぽーと豊洲でランチをしました。海男さんは、いつも料理を取り分けてくれて、とてもありがたいです。ただ、その理由は「自分が早く食べたいから」だそう。
腹ごしらえを終えて、海辺を散歩。その中で、湾岸エリアの水上交通について思いを巡らせました。
晴海⇔ららぽーと豊洲 距離感
ららぽーと豊洲には船着場があり、浅草やお台場、日本橋などと結ぶクルーズに活用されているようです。
また、8月4日に、都が船旅通勤航路の事業者について発表しています。ことし10月から「日本橋~豊洲」、来年春から「晴海~日の出」の航路が運航開始するそう。航路図に、こちらの船着場の写真が出ているので、日本橋と結ぶ航路は、ここで発着するのでしょうね。
で、この船着場から、もうすぐそこに、晴海フラッグが見えるわけです。
Google MAP 先生によると、SEA VILLAGE E棟の東の角っこまでわずか1.2kmほどだとのこと。
自然と思っちゃうわけですよね。「週末だけでいいから、晴海とららぽーと豊洲を船で結んでくれないか」と。駐車場、当たる可能性の方が低そうですし。とはいえ、晴れていれば、自転車でも行ける距離感ではあります。いずれは、バス便も充実したりするんでしょうけど、日常使いできる水上交通網が広がると、もっと楽しいなあと思います。
(採算が合わないとダメですけどね。)
街を水辺に開いて
というのも、晴子は、2011年に日本橋船着場ができた頃から、幾度か「東京案内」や「地方転勤の送別」などの目的で神田川や隅田川などをめぐるクルーズに参加しています。以来、東京の舟運・水上交通になんとなく興味を持ってきました。
水辺から街を見上げると、陸からとはまた違った表情が見えるのが魅力です。
昭和初期頃までは、今よりもたくさんの運河があり、舟運が日常生活の足としての交通網を形成していたそうです。しかし戦後、車社会になるにつれて「水辺に背を向けた土地利用」(→Cf. 東京都「舟運活性化に向けた取組総括」p.8)がなされるようになりました。クルーズ中も、建物や街が水辺から閉じられていることを嫌というほど感じます。建物に背を向けられ、高~いコンクリートの護岸が続くエリアなんかで、飽きが来ることがあるんですよね。日々の通勤に使うのであれば、そんな景色も見慣れるんでしょうけれど。
近年は、ウォーターフロントに親水テラスが作られるなど、水辺に開いた建物・街づくりが進められていると感じるので、湾岸エリアの水辺がこれからどう変化していくのか、とても楽しみにしています。
「駅徒歩分数」や「通勤時間」などの時間が主要なモノサシにになっている時代ですから、晴海は、最寄りの勝どき駅から遠く「陸の孤島」などと表現されることもあります。でも、まだまだポテンシャルのある舟運・運河・水辺空間の活用に視点を転じると、面としての広がりが出てきます。(もちろん、BRTや先々の晴海駅の開業など、陸上交通網の整備・実際のパフォーマンスにも期待しています。)
今後は、例えば、バンクーバーとノースバンクーバーを12分で結ぶSeaBusのように、鉄道網とも有機的につながり、市民の足として定着する航路が出てくると、「時短」「タイパ」だけではない「豊かな時間」が享受できるエリアとしての魅力が高まるのではないかと期待しています。
人口の増加や水陸の交通網の整備に伴い、湾岸らしいロケーションのカフェやレストランも増えていってくれたら嬉しいですね。