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病気、発生
私は健康体だと思って生きてきた
大きな風邪はひかないし
骨折も、入院もない
ただ、三半規管と、肌は弱めだ
それが30歳を超えたら、
バタバタと病気が現れた
自家感作性皮膚炎
なんだそれ
最初は喉に蕁麻疹ができた
肌が弱い人ならわかると思うが、
蕁麻疹ができることに理由なんてない
ふわっと、さらっと、
彼らは突然やってくるのだ
ちょっとしたきっかけで、
すぐに肌は痒くなる
そんなのが続いて、
不摂生だったかな?
寝不足だったかな?
と、自分を労ったけど、
毎日出るようになった
喉だけじゃなくて、
いろんなところに出始めた
???
ある日、朝起きたら目が腫れていた
ぶん殴られた人のように
片目だけが腫れている
ハリーポッターにハーマイオニーが
かけた、顔の魔法のように
一瞬誰だかわからない
鏡と向き合って、爆笑
え、会社行けない
クインケ浮腫といって、
やっぱりこれらも、いろんな原因で、
ふわっと、さらっと、
やってきては消えていく
なんか、浮腫んでる日が続いて、
太ったのかなと思っていた
そんな折だ
顔がぴりぴりして、
手足、お腹、太もも、ふくらはぎ、
皮膚という皮膚が痛痒い
なんか、神経もピキッとして
たまに歩くのが辛い
???
そう思っていたら
ふわっと、さらっと、
蕁麻疹が現れた
よっ!いつものだよ!
そんな軽いノリだと思っていたら
全身が激しい痒みで襲われて、
次の日それは、あっとゆうまに
発疹に変わった
その次の日、彼らはカブれる
???
痛痒い
熱を持っている
何より、面となって襲いかかってくる
それらの見た目が気持ち悪い
季節は、夏前の
気温の安定しない湿度のある6月
???
最悪だ
皮膚科に通ってみたけれど
薬が効いていない
おまけに抗アレルギーの薬が
強くて、喉が渇くし、気だるい
言い忘れたけれど、私は
人より薬が効きやすい
酔い止めを常用しているが、
大人用の容量をきっちり
守った日には、気絶するのだ
コスパのいいタイプらしい
初診の病院では、
かぶれですね、で、片付けられた
それくらいわかるわと言いたくなったし
処方される薬が合わない気がして
行くのをやめた
2番目の病院では、
お医者さんがセクハラまがいの
おじいちゃんだった
薬は確かに効いたけど
気持ち悪すぎて行くのをやめた
3番目は、診断書を書いてもらって、
大学病院に行こうとしたところで
炎症が止まり、彼らは静かに
私にさよならをしてきた
手先は水疱ができ、水疱が潰れ、
皮が捲り上がり、手を見るたびに、
自分を不憫に思った
好きな人には会いに行けない
脚は太ももから足首まで、
リンパ沿いにただれができて、
とにかく痒くて、最初は全然眠れなかった
お腹の皮膚の薄いところにも、ぽつぽつ
顔にもポツポツできた
なんだかとっても悲しくて
心が萎んでいく音がきこえた
風船の空気がみるみる抜けて行くときの
あの感じが、私の心だった
原因を探してもよくわからないし
いつ治るかもわからない見込みのなさに
ひどく落ち込んだ
救ってくれたのは、セクハラじいさんの
そばについてた年配の看護師さんの言葉だ
「今は辛いね。でもね、必ず治るから。
毎日継続して薬を塗ってね。
最初は肌が茶色くなって気になるだろうけど、
続けると卵みたいに、つるんと、
綺麗な肌になるから、大丈夫だから。」
荒んだ心に、心のための処方箋をもらった
私は肌だし、治るものだけど、
体験すると改めて病気の恐ろしさを知った
本人にしかわからない気持ちって
こうゆう感じかなと思った
今後もしも何かにかかっても、
心の処方箋をうまく処方して、
病気に負けないで生きていきたい
大袈裟だけど、そんなことを思った