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ビットコインの4月ドローダウン前後の相場環境を考える (まだ落ちるの?流石にここでリバるだろう?を見極められないか)

 4月18日と23日にビットコインの結構大きなドローダウンがありました。ついにバブル崩壊なんていう話も聞こえて来ましたが、今のところ崩壊というところまでには至っていないようです。

 一方で4月26日からは約5,000ドル幅程度の反発がありましたが、あれだけ勢いよく落ちた直後の急上昇だったので、これどこまで上がるのだろうというよくわからない状況だったと思います。

 そこで、このnoteでは今回のビットコインのドローダウン前後の相場環境について、Open Interests(OI)やBUY SELL Volume、Liquidations等の指標からわかることをもとに考えてみたいと思います。
 今回はあえてこれらの指標から読み取れるものに限定して、相場環境について色々と考えてみたいと思います。限られた情報でもそれらが意味することを整理して考えることで、状況を予測してみるというのが趣旨になります。

 もし、OIなどの上記の指標についていまいち理解できていない場合には、こちらの記事も参考にして頂くと理解が深まるかと思います。

ドローダウン前後の相場環境の認識

 まず、ここ1年程度のビットコインの日足チャートを見てみます。

 2020年末くらいから急激に価格が上昇し始めていますが、それに合わせて出来高とOIが増加しています。また精算(特にロングの精算)が増えています。

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 精算が出やすくなったということは、おそらく2020年末の急上昇に合わせてロング勢がハイレバで入り始めたと思われます。(そもそもレバレッジをかけなければ精算は発生しませんので、精算が頻繁に出るようになったといのは、レバレッジを高くしたポジションが増えているということだと考えられます)

 週足ベースで見るともっとわかりやすいです。

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 出来高が増える比率よりも、精算の発生量が増える比率の方が明らかに大きいので、出来高が増えたから精算も増えたというだけでなく、明らかにハイレバのポジションの割合が増えていると言えると思います。

 一方で4月の後半のドローダウン後は、出来高が減少する割合よりも多く、精算の発生量の減少の方が顕著になっていますので、これはハイレバのポジションの割合が減ったと言えます。

 よって、ドローダウン前後の相場環境の大きな違いとしては、ハイレバのポジション(特にロング)が大きく減ったというところではないかと思います。 

ドローダウン前の状況

 まずドローダウン前の状況を整理してみます。再び日足チャートを見てみます。

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ロング勢が積極的にロングポジションを構築 
 2020年末以降はOI、出来高、精算(特にロングの精算)が大きく増加しながら価格が急上昇していますので、ロング勢が積極的にロングポジションを建ててきたと言えると思います。当然のことながら、ロングポジションとショートポジションは同数になりますので、同時にショートポジションも増えていることになりますが、売り指値が食われる形でポジションが増えてきていたということになります。
 イメージとしては、ロング勢はどんどん上がっていく価格についていこうと成行で買っていき、ショート勢は成行で売っていくことはせず、売り指値を置いていったという状況になります。

ロングはハイレバ突っ込み買い
 また、精算を見るとショートよりロングの精算の方が圧倒的に多く出てますので、ロング勢がハイレバレッジで買っている一方で、ショートは実はそんなにハイレバにしていないようだというのもわかります。

 よって、ドローダウン前は、ロング勢のハイレバ突っ込み買いに支えられて上昇してきたという相場だと予測できます。また、流石にこれだけ上がれば下がるだろうというショート勢もショートを打ちますが、価格の急上昇時にもショートの精算があまり出ていないので、そこまでハイレバでショートにしていない状況だったと言えると思います。

 ショート勢はどこまで上がるかよくわからない相場に対して慎重になって、あまりハイレバにしていなかったのではと思われます。

ドローダウン時の状況

 次にドローダウン時の状況を整理してみます。これトルコのニュースがきっかけだったという説もありますが、そのあたりの因果関係はよくわかりません。

 大きく分けて、4月18日未明の第一波と、4月23日の第二波に分けられます。

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ドローダウン第一波

史上最大級のロングポジションの精算 
 まず、第一波で特徴的なのが、史上最大級のロングポジションの精算と、OIの減少があったことです。OIはbybitのBTC/USDでは3/4程度に減少しています。これらの状況から、ハイレバでイケイケだったロング勢がこの時に一気に焼かれたというのがわかります。ロングの精算が史上最大級に発生していますので、第一波で相当な数のロングポジションが解消されたと思われます。

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 僕もリアルタイムでチャートを見ていましたが、1時間くらいで約8,000ドル幅くらい一気に落ちるという相当な落ち方でしたが、その背景にはロングポジションの大規模な解消があったということになります。

 ここで面白いのは、この第一波の下落でショートは積極的に売っておらず、逆にポジションを減少させたということです。つまり、この下げの時に利確もしくは損切りをしてポジションをクローズさせていたというのが、売買出来高とOIの推移からわかります。

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ロング勢の焦りによる更なるハイレバ構築
 その後、下落が落ち着いてからはヨコヨコのレンジ相場がしばらく続きました。このヨコヨコの時に興味深かかったのは、そこまで急激に価格が落ちていないにも関わらず頻繁にロングの精算が出ていたことです。おそらく第一波目でロスカットを食らったロング勢が焦って取り返そうとして、さらにハイレバでロングポジションを建てたけど、あまりリバらずヨコヨコ調整となったため、そのポジョションもすぐ焼かれてしまったという状況だったんじゃないかと見ています。

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 また、OIは依然減少傾向が続きましたので、ここでもショート勢はタイミングを見てショートをクローズさせていたと考えられます。この時もじわじわとOIは減りつつロングの精算も出ているので、ハイレバロングがそこそこ焼かれながら調整が進んだのだと予測できます。

ドローダウン第二波

 そして、第二波ですが、第一波と比べると少し時間をかけて下落をしています。こちらは半日以上かけて約7,000ドルくらいの下落幅です。

ハイレバロングポジションの一掃
 ここでもそれなりのロングの精算が出て、OIも減少しましたので、ハイレバロングが結構焼かれたと想像できます。OIは第一波前の約半分くらいになっていますので、ロングポジションの含み益が相当吹っ飛んだと思われます。

 ここで特徴的なのが、第二波後にはロングの精算がほとんど出なくなったことです。第一波の後は頻繁にロングの精算が出ていたので、ロスカットを食らって焦ったロング勢が再びハイレバで入ってきたと想像できますが、第二波を食らって流石にこれはもっと落ちるのではと警戒したロング勢がハイレバロングを控え始めたと見ています。ロング勢がかなり慎重になったことで今度は逆にナイアガラのような下落がしにくくなると考えられます。

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第三波発生の恐れが減少

 基本的に価格が大きく下落するのは、成行売りが大量に発生する(もしくは現在価格の下の買い板が薄くなっている)からなのですが、これはショート勢が新規にショートポジションをメイクするべく積極的に成り行きで売っていくか、もしくはロング勢がロングポジションをクローズ(成行売りで利確か損切り)する必要があります。この場合は価格が下がってきている状況なので、ロングのクローズは利確より損切りが多い状況だと予想できます。

 ハイレバロングがある時にはロングの損切り(ロスカット)が出やすくなりますが、ロングがあまりレバレッジをかけないで慎重になっている時には損切りが出にくくなりますので、ロングクローズが要因となる成行売りは出にくくなります。

 一方で、ショートが積極的に成り行きで売っていくのはビットコインの場合は基本的にはあまりないと考えています。まず、価格が下落する際には現物を持っている人はヘッジ(レバ1倍で同数のショートを持つ)すれば良いわけですので、慌てて投げ売りする必要性があまりありません。出来高を見ると20,000ドルくらいで買っている人が結構多いので、ちょっと下がったくらいで手放す理由がありません。なので、基本的には価格が下落したからと言って投げ売りというのはあまり起こらないのではないかと見ています。

ドローダウン後のリバってる時の状況

第三波目のトライ失敗 
 ドローダウン後のリバが入る時の状況ですが、前項で述べた通りですが、だいぶハイレバロングが一掃されている状況になったので、前回の安値を下回ってもあまり下がらないということが第三波目のトライ失敗で明確となりました。

 よって、そこからショートカバー(ショートの利確)が急激に入り始めます。 

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リバ(反発上昇)のドライバー  
 リバで急激に上昇している時のOIを見てみると減少しています。つまり、これはロング勢が成行買いで買い上がっているから価格が上昇しているのではなくて、ショート勢がショートポジションをクローズ(成行買いで利確か損切り)していることになります。なので、このリバはショートクローズがドライバーになっているリバだということがわかります。

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大きな下落リスクの低減
 また、54,000ドル付近まで上がった後に調整的な動きをしていますが、全くロングの精算が出ていません。つまり、ロング勢はあまりハイレバで突っ込んで買っていないということになります。この急上昇のドライバーはショートカバーであって、ロングの新規買いではないという先程の見立てとも一致します。

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 そうすると、これだけ急激に価格が上がったにも関わらず、ハイレバロングが無いということは、下方向に大きく動くという要因がないということになります。ショート勢が積極的に売ってくれば下落するということはありますが、先程述べた通りビットコインの場合は現物が投げ売りされるような状況にならない限り、あまり考えられません。よって、大きな下落リスクが小さいということで安心して買える状況ということになります。

 実際にこれ流石に落ちそうだなというチャート形状ではありましたが、安心してロングで取れました。

 OIやLiq、出来高などで相場環境をもう少し深掘りして理解すれば、チャート形状が明らかに落ちそうであっても、本当は上方向なんだというのを知ることができます。

 最後に考察としてまとめておきたいと思いますが、恐れ入りますが、ゴールデンウィークの1日を潰して書き上げたということもありまして、これ以降は有料記事とさせてください。
 ここまで読んでいただいて少しでもお役にたてているようでしたら、投げ銭と思って購入していただけると大変ありがたいです。

 考察のサブテーマは下記の通りです。

・ビットコイン相場はハイレバロングに支えられて上昇
・ショート勢は実は控えめ
・ハイレバロングの存在がナイアガラのリスク
・天井と底のリバの違い
・チャートの形よりも価格変動メカニズムが重要
・今後バブル崩壊はあるのか?

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