学校図書館のウラガワ2.7〜見えない仕事⑦除籍廃棄
本を買う、ということは、その反対の作業もあります。除籍廃棄です。平たく言うと「捨てる」です。
こちらは購入よりはるかに神経を使う作業となります。なぜか。「今後使うかもしれないし、2度と手に入らないかもしれない」本を捨てないようにしなければならないからです。
いっとき、学校図書館の本を捨てるな、みたいなことが囁かれたことがありました。今を学ぶのに過去も必要だからとかなんとか言われて。でも棚の余裕がない学校の方が圧倒的に多く、今必要なものすらしまえない学校も存在します。
授業的にも教科書をこなすことで精一杯で、更なる発展学習の余裕がないことがほとんどですから、比較学習にしか使われないものは日の目を見ません。
なので、古い情報しか載っていない本は廃棄対象となるのです。
だいたいが「この棚パンパンだなぁ」から、装丁が焼けていたり古そうだったりするものを抜いていきます。抜いた本の過去の貸出履歴を見て利用はされているけど内容だけが古い本は、今の情報に互換性のある本が購入できそうだとわかれば即廃棄行きです。
(これがねぇ、昔のいい資料ほど互換性のある本が今は出てないのよ…で、古い本を捨てられない)
利用歴がない互換性のない本は教科書の単元から外れていれば買い替えなしの廃棄もしますが、二度と使われない保証はないのでいつも不安の中で処理しています。まぁでも最悪、公共図書館から借りてくればいいか、とは思っていますが(笑
調べ学習に使う本は廃棄の目安がはっきりしているので、比較的悩まず廃棄に回すことができます。
文学はちょっと難しいですが、生活背景を知るために必要とか、定番図書やロングセラーでない限り、今の子たちが読んで想像できない生活のものは廃棄対象にしています。そういう本は手に取られていませんし、必要なら公共図書館から(以下略)
一番難しいのは絵本の除籍だと思っています。古くても価値のある絵本がたくさんあるからです。買い替えたらいいじゃない、と言われますが、その価値のあるものはもちろん買い替えます。でも、棚の絵本の数を減らしたいんですよ…なまじ、わたしは中学生の頃から絵本や絵本作家さんを見ていたので知識がある分「この人の本は捨てられない」に陥ってしまうのです。
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