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数年先が不安になった母と素直な息子
疲れていた。
私はその日、とっても疲れていた。
日中、仕事で急な依頼が入り神経をすり減らす事が起きた。
何とか時間内に仕事を終えて、保育園のお迎えに向かうと急に自転車から異音が発生する様になった。
長い爪でガラスをなぞるような嫌な音。
何度も止まって、自転車を確認しても原因が分からない。
「嫌だな、恥ずかしいし迷惑だな」
何度もチェーンやタイヤを触ったおかげで指先が真っ黒。
やっと保育園に着いたものの、長男(小1)が学童から1人帰りする時間まで残り10分。
大急ぎで次男をピックアップして、長男の学校へ。
自転車を漕ぐほど、周りに迷惑がかかっている。
人と目が合うと恥ずかしいので夢中で駆け抜けて、何とか学校から家へ歩いている長男を捕獲!
自転車を何とかしなければ!と思い
私のオアシスイトーヨーカドーへ。
誰にでも声をかけられる長男
早速 自転車屋さんに見てもらった所、枝がチェーンに絡まっていた。
修理まで3~40分かかるとの事。
仕事と余計な寄り道に疲れ果てた私は、フードコート様で夕飯を済ませてしまう事にした。
子供2人は「うどんとポテト!!」と大喜び。
うどん屋さんと、ポッポ両方に近い場所に席を取り
私がうどんを買いに向かうと「僕、水用意しておくよ!!」と大張り切りの長男。
すると長男が「紙コップがない!」と言いに来た。
客席内を掃除するような係の人が見当たらない。
仕方ないので、今目の前でうどんを用意してくれている店員さんにお願いし、うどんの用意と会計が終わり次第対応してくれるとの事。
そんな中、中学生か高校生くらいの男の子4人組が紙コップが出てくるはずのボタンを連打していた。
すると長男は離れた所から大声で「そこのコップ全部ないよー!!!」と教えてあげていた。
私なら、よっぽど近くにいない限り声をかけられない。
恥ずかしいと思ってしまう。
子供だからなのか、長男の性格なのか。凄いな…と若干感動していた。
学校に電話来る案件
まだ夕食にしては早めな時間帯。
フードコート内は人が少なかった。
高校生くらいの女の子3人組は何やらお勉強をしている。
20歳前後のダンサーみたいな派手目な男性グループが。
明らかに小学校高学年みたいな二人組。
そして、さっき長男が声をかけた男の子4人組は私のすぐ隣に座っていた。
今夜の子供達のメニューは
ざるうどんと、ポッポのポテト。
「あーあ、炭水化物だらけだな。野菜もなければタンパク質すらない…」と若干の罪悪感を感じつつ、フードコート様の存在を有難く思っていた。
勢いよく食べる我が子をボーっと見ていると背後から男の子たちの会話が聞こえてくる。
「おれ、フロート食うわ!」と声がしてポッポの方へ。
すると数分後、嫌な雰囲気になりはじめた。
「クリーム少なくね?」
「あのサムネ(メニューパネル)と全然違うんですけど!!」
「サムネ詐欺じゃねぇ?」
その声はガランとしたフードコート内に響いていた。
ポッポのカウンターにはお客さんが誰もいなかったので、店員さんも聞こえている感じ。
男の子たちはフロートを持って、敢えてポッポの近くまで行き
メニュー画面と見比べて「全然違うんですけど~!!」と
直接言うのではなく、遠回しに大騒ぎしてケラケラ笑っていた。
嫌な感じだな。
男の子たちは決して見た目が派手とか、クセがあるような雰囲気でもない。
でも、何だか感じが悪いなと思った。
すると何を思ったのか、全くかんけいないうどん屋さんの方へ向かい
フロートの上に、「天かす」を乗せ始めた。
えっ美味しいの?
って言うか、君たち「うどん屋さんのお客さん」ではないよね?
どんどんその子達の事が嫌になってきた。
これがもし「明らかに小学生」だったら、小学校へ苦情の電話が来る案件だろうなと思った。
我が子が騒がしくしているだけでも気持ちがハラハラする。
でも、もっと不安になるのは小学校高学年になって友達同士で外を出歩くようになった時、こうして大人が眉をひそめるような行為を堂々としてしまうのではないか?
ポテトを喜んで食べる我が子を見ながら私は数年先が不安になってきた。
振り返ると、食事を終えた男の子のテーブルはラーメンのつゆでびしょ濡れ、飲みかけのペットボトル放置、椅子はぐちゃぐちゃだった。
思わず長男に「見てごらん、あれどう思う?」とわざわざ「ダメな見本」として見せてしまった。
子供同士なら素直になれるのかもしれない
帰宅後も、その男の子たちの事を悶々と考えていた(しつこい)
「あぁなってほしくない」と思ってしまう。
だけど、「昔はやんちゃだった」なんて言う人ほど、大人になると凄く良い人だったりする。
もし私があの場で注意をしたら、彼らはどんな反応をしただろう?
「うっせぇババぁ!」とでも言われればまだ良いけど。
「はーいすいませ~ん」とヘラヘラ笑いながら謝られたら、嫌な気分だろうな。
なんて、余計な事を考えていた。
ふと、長男に
「今日、後ろにいたお兄さんたちにコップないよ~!って教えてあげてたよね。知らない人にも普通に話しかけられるんだね。凄いね」と言ってみた。
すると長男が
「うん、平気だよ。その後お兄さんたち『ありがとう』って言ってくれたよ」
と言う。
あぁ、素直なんだ。
私が勝手に「嫌だな」って思っているだけで、ちゃんと素直に「ありがとう」が言える子なんだ。
もしかしたら「指摘される」事と「教えてもらう事」で対応は違うかもしれい。
大人に言われるのと、子供に言われるのでは、違うかもしれない。
私は「嫌だな」「あぁなってほしくないな」という目で見てしまったけど、長男の中では「ありがとうって言ってくれた優しいお兄ちゃん」だったかもしれない。
わざわざ長男に「嫌な場面」を見せてしまった事を少し後悔した。
このままずっと素直に育ってほしい。
知らない人にも「ありがとう」と「ごめんなさい」が言える子になってほしい。
多少のヤンチャはするかもしれない。
人に迷惑もかけるかもしれない。
「ルールを疑え」「当たり前を疑え」なんてよく言うけれど
周りの人に不快な思いをさせたら素直に非を認められる子に育つと良いな。
そして私も例え中高生であっても「まだ子供なんだ」ともう少し余裕を持って見られたら良いなと思いました。
で?って話なんですが。
何だか複雑な気持ちでした。
そんな心をnoteに置いておきたくて書いた気がします(笑)
最後までお読みいただき有難うございました。
今日も素敵な一日になりますように☆彡
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