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親の死に目とコロナ

イギリスは、いまだロックダウン中。段階を踏んだ規制緩和は進んでいるが、まだまだ会いたい人に会えない日々が続いている。毎年、夏には日本に帰省していたが、2020年は完全ロックダウン中で断念。すでに、1年半も日本に帰れていない。「帰りたい。帰りたい。」と日本への帰省のことばかり考えていた矢先、ショックな電話がかかってきた。

「お父さんが、脳梗塞で入院した。意識が戻らない。」

父と母は北海道で二人暮らし。妹は神奈川県在住。コロナ禍のせいで、面会も許されない。妹も急には駆けつけられず、一人家に残された母の不安を思うと胸が張り裂けるようだ。母自身、「震えが止まらない」と言っている。せめて一緒にいてあげられたら、どれほど心強いだろう。こんな時、イギリスなんていう日本から遠いところに住んでいる娘の親不孝を感じざるをえない。

父の回復を願っているが、今、帰国するとしたら、どんな手続きが必要か急いで調べた。

イギリスは上陸拒否対象国

日本の外務省によると、イギリスは上陸拒否対象国。

出入国管理及び難民認定法(入管法)第5条第1項14号に基づき、日本上陸前14日以内に以下の国・地域に滞在歴がある外国人は、当分の間、「特段の事情」がない限り、上陸を拒否することとしています。

イギリスパスポートしか持っていない旦那と娘たちは外国人として入国が難しそうと思ったが、この「特段の事情」に「日本人の配偶者または子」が含まれていたので、家族揃っての一時帰国も可能そう。ただ、イギリス総領事館から、入国目的等に応じて、査証の交付を受ける必要があるとのこと。急ぎで帰国を決めたら、日本のパスポートを持っている私が一人で帰国するのが一番スムーズに行きそうだ。

「特段の事情」があるものとして上陸を許可される方については、滞在先の国・地域の日本国大使館/総領事館/領事事務所(台湾においては日本台湾交流協会台北、高雄事務所)において、入国目的等に応じて、査証の交付を受ける必要があります。

イギリス から日本入国に必要な要件

① 検査証明書の提示
日本の検疫所へ「出国前72時間以内の検査証明書」の提示が必要。コロナの陰性証明が入国の条件なのだ。私は、今週末新型コロナワクチンを接種することになっているが「ワクチン接種証明書」が、検査証明書と同じ意味があるがどうかは明記されていないから、きちんとコロナテストを受けるのが安全そう。

②誓約書の提出
入国後、14日間の公共交通機関の不使用、自宅等での待機、位置情報の保存・提示、接触確認アプリの導入等について合意する誓約書を提出しなければならない。イギリスは、レッドリスト国に入っているので、規制はさらに厳しく、入国後3日間、検疫所が確保した施設に滞在。3日後、再度コロナテストを受けることにも合意しなければならない。

③スマートフォンの携行、必要なアプリの登録・利用
位置情報を提示するために必要なアプリ等を利用できるスマートフォンの所持が必要となる。以下の4項目のインストールと設定変更が必要となる。
1、位置情報確認アプリOEL
2、Skype もしくはWhatapp
3、位置情報保存設定
4、接触確認アプリCOCOA

④質問票の提出
入国後14日間の健康フォローアップのため、検疫時にメールアドレス、電話番号等の連絡先を確認される。日本国内で入国者が使用できるメールアドレス、電話番号を質問票に記載しなければならない。

帰国しても14日は隔離

無事入国できたとしても、14日間は公共交通機関が使えない。東京に到着したら、国内線に乗り換えなければ家に帰れない身としては、実家への道のりは遠い。

気持ちは伝わるという娘の言葉

「すぐには駆けつけられないかもしれないけど、私たちの願いや想いは伝わる」というのが、次女の考え。彼女は、イギリス人が辛いことに直面した時に唱える「Always look on the blight side of life(明るい面を見よう)」の言葉をくれた。イギリスのコメディグループ「モンティ・パイソン」の映画での挿入歌だ。長女は、ボブ・マリーの「Don’t worry, be happy」を歌ってくれた。

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