体重の重い小学生は足が速い
我々は上の例のように
「〇〇は〇〇」などの説なるものを耳にする事がたまにある。
それ本当か?と一旦は疑うものの
具体的な数字や言葉を提示されるとその疑いは弱まる。
大人数の小学生を対象に統計を行ったと知れば上の説もそのまま信じ込んでしまうだろう。
数字の力は強い。
事実の根拠になるだけでなく
我々の意識にも大きな影響を与える存在だ。
最近読んでいるのは統計学の本だ。
最近「数字」と真剣に向き合おうと考えている。数字とあまり真剣に向き合ってこなかった今までの自分をこれ以上引きずりたくないと思ったからだ。
では、上の小学生の説に話を戻そう。
果たして体重の重さと足の速さには本当に関係があるのか?
確かに実際に統計的には
体重の重い小学生の方が足が速い傾向があるらしい。
どういうことか?
正直2つの事象にはあまり関係性は感じられないだろう。
実は比較的体重の重い"小学生"というのは
高学年の子たちの事である。
その為比較的体重の軽い低学年の子たちよりも
もちろん体の運動能力も高いはずだ。
上の説を確認もせずに述べられた数字だけで判断するとこのカラクリにも気付けない。
「体重の重さ」と「足の速さ」の間には
「年齢(学年)」という第3の要素が含まれていたのだ。
この説が統計的に証明されたからといって
足の速い小学生が必ずしも体重の重い小学生なのではない。
「体重」と「足の速さ」には確かに相関関係がある。なぜなら「年齢」によってその関係は示せるからだ。
しかし、「〇〇ならば〇〇」といった因果関係は示す事ができない。
論理を考える時に絶対に抑えておくべき点だ。
今日はそんなことを学んだ。
そして自分が小学校低学年の時に高学年の先輩たちを大人と同じような存在だと思っていた事を思い出した。