社会課題を解決するために構築されたビジネスの仕組み

今日は、お馴染みのビジネスモデルの本から
昨日感銘を受けた事業例を一つ書き残しておきたいと思う。

現在世界には様々な問題が存在しており、
そのうちの一つとして貧困問題がある。

貧困問題となるとよく
「アフリカ」という地域が例に出されており、
その地域の課題に現在適応されている解決策として

一つ『Q Drum』と呼ばれる、
ドーナツの形をした水を入れるタンクを
その形状を活かしてロープを用いてタイヤのように転がすためのものがある。

自分の家から水が汲める場所の距離をひたすら往復して、自分たちの足を使って清潔な水を確保し続けなければならない彼らにとっては多少なりとも負担軽減となる。

その他にも『KickStart Pump』という
ペダルを踏み込むだけで遠距離に水を飛ばし、
それによって遠くに感じる農作物に対して
半自動的に水やりをすることができる装置、

また、『LifeStraw』と呼ばれる
ろ過装置を内部に持ち、どんなに汚れた水でも
水のもつ透明度と衛生状態を回復させることができ"ストロー"などがある。

そして今回触れる題材はまさにこの『LifeStraw』。

しかし今回注目する内容はその機能性でも実用性でもなく、その「ビジネスモデル」にある。

安全な水を飲むことが難しい状況に
日々置かれているアフリカなどの地域の人々が
そのストローの「届け先」である以上、
継続的なストローの供給とそれを可能にする仕組みの構築は必須である。

これを開発するVestergaard Frandsen社は
ケニアに住む400万人に対して無償で配布、
さらにそれを実現する仕組みとして、
「製品を使う人」と「お金を払う人」を分ける
という前提でビジネスを進めていった。

社会問題を問題視している人は世の中に沢山いる。
しかし、我々にできることとしてすぐに思いつくのは悔しいが「寄付」や「ボランティア」ぐらいしかない。

また、個人一人一人にできることは限られているとみんな知っているのでなおさら腰が重い。

そんな中、この『LifeStraw』は世界中の"企業"を巻き込んだ。
そこには、企業が社会問題に対して取り組みをしやすい仕組みがあった。

なんと国連が、企業の環境活動に対する取り組みを「炭素クレジット」として「共通単位」へと換算してその価値を可視化できるようにしたのだ。

別の社会問題である「地球温暖化」の問題に対して企業がどのくらいCO2を削減したのか、
その「削減量」を「排出権」として発行し、
それを別の形で価値交換できる仕組みである。

企業はその「排出権」を
他の企業との間で取引することもできるし
今回の事例のような
企業の社会的責任を表に示すための取り組みに
変えることができるゆえ、

自社のあり方をよく考えた上で
自社の信念に沿った取り組みに対して
より柔軟につき進んでいけるようになった。

社会問題に対する解決策に触れる際、我々はつい
様々な画期的なアイデアに目が行きがちだが、
実はそれを現実に落とし込むための「画期的な仕組み」が重要な役割を担ってくれているということをわすれてはならない。

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