見出し画像

本気の母

私の母は、愛情表現が苦手です。
キツい物言いをするので、余計に愛情が伝わりません。
かなり最近まで、私は母に疎まれていると思っていました。

小学校3年生の時、産休に入る担任の先生に
友達と一緒にぬいぐるみを買いました。
事情があって、完全な割り勘ではなく
私の方がいくらか多くお金を出しました。
すると、母に散々罵倒された挙句
「そんなプレゼント、先生だって喜んでくれないよ!」
と、どう考えても理不尽な言葉をぶつけられたのです。

母に愛されていない。
子供の頃に植え付けられたこのコンプレックスは
長いこと私を苦しめ、自分に自信が持てないまま
大人になりました。

母の愛情が深過ぎて分からなかったことに
気付いたのは、つい最近です。
感情的な言葉の裏にある、私を案じる母の愛情。
母だからこそ気付く、自覚していない私の心の叫び。

去年の11月頃、いくつかの習い事を休みがちになった私を見て
母が言いました。
「お父さんに車で送り迎えしてもらわなきゃ
 通えないんだったら、もう辞めちゃいなさい!」

言われた直後は腹が立ちました。
実家は辺鄙な所なので、車でないと通えないのに
こんな所に家を建てた母が悪いんじゃないか。
怒りの勢いで、習い事を全部辞めました。
これでいいんでしょう!?
辞めれば文句無いんでしょう?!

しかし、怒りの感情は長続きせず
ふと母の言葉の裏にあるものを考えました。

何故、母の言葉に対してあんなに腹が立ったのか。
やる気が失せてきたという指摘が図星だったからです。
私の本音を母が感じ取って、真正面からぶつけてきたのです。

母は私の様子を観察し、本気で考えてくれる
貴重な存在だということに気付きました。
今は離れて暮らしていても、いつも私の事を
気遣ってくれる存在。
私の幸せを誰より願ってくれている存在。

素直に有り難いと思えるようになりました。
私ができる親孝行は、元気で幸せに過ごすこと。
これまで心配をかけた分、存分に親孝行しようと思います。

いいなと思ったら応援しよう!

空色
楽しいお勉強カフェを作りたい!