窓辺からの眺め#14
少し前までは大翔は気さくに話しかけてくれていた。ううん、今でも変わらず声をかけてくれているんだけれども楽しく話しかけてくれているんだけども考え込んでいるのかどうも上の空な時を遠目で見た時に感じる。そんなにあの・・えっとそう美月さんとちょっと話しては一瞬物思いに耽るのか一瞬だけ存在感が薄くなって違う世界のことを考えているような大翔になっている。
私は大翔を好きなんだと気が付いてからはいつも通りに接していこうと思った。大翔は優しいし雰囲気を掴むことができて気配りも出来てしまうモテる男だからね。つい最近でも困った顔をしている先生を廊下の端から走っていっては職員室まで荷物を運ぶのを手伝っていた。そんな大翔に気をつかわせては他にいるファンに示しがつかないと思った。
でも、他の女子と話していてもなんともなかった私が少しだけ嫉妬を覚えたのかな。美月さんと話している瞬間じゃなくてそのもの思いに浸っている大翔に嫉妬している。と、いつの間にか大翔のスマホに嫉妬心をぶつけて飛ばしていた。