窓辺からの眺め#13
大翔は自宅の前まで来ると一息ついた。まだまだ誰にも話していない自分の気持ちについて、一人で考える時間が必要だと感じていた。そんな中、彼のスマホが振動し、通知音が鳴った。メッセージは紗綾からだった。「大翔、最近どう?なんか変じゃない?」紗綾は学校での大翔の様子が普段と少し違うことを察知していたようだった。
そのメッセージを見て、大翔は少しだけ胸が締め付けられる感じがした。やっぱり、自分の変化は周囲にも気づかれていたのだ。自分でもまだハッキリと認識できていないこの感情を、どう紗綾に説明すればいいのか、彼は迷ってしまった。
しかし、一方でこのメッセージは彼にとって救いでもあった。自分が一人で抱え込んでいた感情を、誰かに話すきっかけになるかもしれないと感じたからだ。紗綾はクラスでも親しい友人の一人であり、信頼できる存在だった。
大翔は深呼吸をして、スマホの画面を見つめながら、どう返信するか考えた。このまま自分の気持ちを抱え込むべきなのか、それとも紗綾に打ち明けるべきなのか。彼の中で葛藤が始まった。