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子育ての公式

学生の頃、数学の公式を覚えるのが苦手だった。というより、「こういうときは、この公式を使えばいい」という覚え方が苦手だった。

教科書や先生を信頼してないわけではないけど、公式だけを覚えるのはどうしても違和感があって、覚えてもすぐに頭から出ていってしまった。

逆に言えば、式を展開して、何度も問題を解いて、どうしてこの公式の形になるのかを自分で納得できてしまえば、公式はすんなりと覚えることができた。

もちろんテスト前などはそうも言ってられなくて、無理やり覚えることもあったけど、やはりすぐに忘れてしまった。

子育てをしていても似たようなところがあって、「子供がこうなった時は、こうするといい」という方法を知っていても、なるべく自分で確かめたい気持ちになることが多い。

例えば、子供が幼稚園に行きたがらない時、「お母さんと離れるときが不安なだけで、行けば楽しくなるから大丈夫」と先生や家族に言われたり、実際に帰ってきた子が「楽しかった」と言っていたとしても、朝、目の前で「行きたくない」という子供に対して「行けば楽しくなるから大丈夫」と思うことができない。

今日は何が不安なんだろう?どんな言葉をかければ安心するんだろう?と毎回答えを探している。門のところまでおんぶする?とりあえずスーパーに寄り道してみる?寂しいから嫌なのか?怖いから嫌なのか?いろんなことを聞いてみる。

答えがわからなくて、休ませてしまうこともある。言葉をかけて「それなら行く」と言ってくれた時も、答えがわかったようで、本当は我慢させてるだけなのかもしれない。私の都合で無理やり行かせることだってないわけではない。

こんなふうに色々考えて試してみても、結局「お母さんと離れるときが不安なだけで、行けば楽しくなるから大丈夫」に落ち着くのかもしれない。

でも、こうやって考えて色々試すのが、多分私は楽しいのだと思う。