映画感想:ものすごくうるさくて、ありえないほど近い
amazonprimeで目に止まって、ちょっと前に観終わりました。
9.11で父をなくした男の子が、悲しみと色々と複雑な気持ちを受け入れるまでの物語
観ていて、仏法の話を思い出しました。
子供を亡くして悲しんでいた女が、釈迦に生き返らせる方法を聞きました。釈迦は、女に言いました。「わかりました。では、誰も亡くなった人のいない家を探してきなさい」。女は家々を訪ね回りましたが、どの家の人も、誰かが亡くなって悲しんだ過去があり、その話を聞くうちに女も自分の悲しみを受け入れていきました。
うろ覚えですが、たしかこんな感じ。
あとは、新美南吉の「かたつむりの悲しみ」という絵本も、似ているなあと思いました。
悲しいのは自分だけじゃない、と頭でわかるのと、実際に自分に近い悲しみを感じている人の話を聞くのとは同じようで全然違うんだなーって改めて感じました。
映画の中で、主人公のオスカーが自分の隠していた一番苦しい気持ちを吐き出せたのが、ママでもなくおじいちゃんでもなく、初対面のおじさんというのも考えさせられました。
追記(2022/6/23)
色んな方の映画感想を読んでいたら「ものすごくうるさくてありえないほど近いものとは何か」というのを書いている人がちょこちょこいらっしゃって、私も考えてみました。
私が思うに、それは「愛」かな。
愛しているから喧嘩してしまったり、愛しているから本音を言えなかったり、愛しているから傷つけたくなくて自分を傷つけてしまったり、愛があるからうまくいかないことはよくあります。愛がうるさいというか、邪魔をしてくるというか、冷静さをなくさせるというか。
最後にオスカーが、本音を初対面のおじさんに話せたのも、いい意味で愛がなかったからかなと思いました。