映画「ようこそ映画音響の世界へ」

実際に映画館に行くのは億劫だし、という人こそ是非この映画を見て欲しい。
というか例えばハリウッドみたいな、お金かけてる起伏の富んだアクション映画とかSFのような未知の世界を表現しているようなドメジャーな映画好きな人こそ見て欲しい…。

私が見たときには満席で、基本的に興味ある人は勧めなくても見にいく作品だろうから…。

というか下書きにしていたら公開がだいぶ遅くなってしまって、ますます進めにくくなっていて筆不精で不甲斐ない。

家で気軽に映画が見れるのは最高だし、人も時間も気にしないで、好きなものを食べながら好きな体制でいられるのは気楽でいい。

しかしスクリーンの大きさ、没入感、他の観客がいるからこその一体感。
何より「音響の良さ」は家での再現が困難だろう。

映画の「音声」にフォーカスを当てたドキュメンタリー。

映画が誕生した時から遡って、
映像と音声が同時に流せるようになり、音声を編集できるようになる。
コンピューターが出来て、どんどん分業化と専門化されていく過程を有名な映画を交えて見せてくれる。

声、自然音、音楽、架空の動物や機械の音…
「映像美」という煽りはよく言われるけれど、音響にフォーカスを当てることはあまりないことだと思う。
ミュージカル映画にしても基本的には「映画音楽」という文句になるだろう。

実際のところ古い低予算の映画で、内容とか映像は結構いいのに効果音がチープだと結構全体的にチープになってしまうなと思うし、逆にストーリーが全然好みじゃなくても音楽が素晴らしいだけで感動してしまうこともあるけれど、深く考えた事がなかった。

見えている映像の中の、どの音を前面に出すかによって訴えかける場所を潜在的に意識させたり、
例えば画面外の出来事を目線と音で表していたりとか、
小さな音の積み重ねがリアリティを増長させて、
むしろ目で見えないからこそ自然に引き込まれるように設計されている事が可視化され、映画館の音響設備によって体感できる作りになっています。


映画が好きな人にこそ観て欲しいし、
映画をあまり観ない人も映画が観たくなるような作品だと思います。


ドキュメンタリーというか、
解説のような感じなのであまり惹かれない人も多いのかも知れないけれど、この作品を見た後にはきっと、今まで見てきた名作も、これから見る新作も、より楽しめるはずです。




きっと劇場、レンタルなどの代金になります。 話題作とかよりもちょっとニッチなあんまり見る人が多くなさそうな作品のレビューをネタバレに気をつけて書き続けられたらいいな、なんて。