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1st コンセプトアルバム 『Road Of Water』 セルフライナーノーツ

S.KT.です。
曲を作っています。


はじめに

今回の記事は、2023年12月1日リリースの1st コンセプトアルバム『Road Of Water』のセルフライナーノーツとなっております。
作品を聴きながら読んでいただくと、より記事を楽しめると思います!
ぜひ聴いてみてください!

https://s-ktmusic.com/discography/road-of-water/

前置き

経緯

今回は、Road Of Waterの各曲を解説していきますが、まずは本アルバム発売までの経緯についてお話しします。

本アルバムを作り始めたのは、S.KT.が公に活動を始める1年前、つまり今から2年前ほど。
当初は『コンセプトを統一した楽曲群を作ってみたい』という考えで、思いつきで曲を作っていました。
それは趣味の感覚だったのですが、曲が2.3曲できていくうちに、

『これ、年内にアルバムとしてまとめられるのでは?』

と思い立ち、去年(2022年)の夏頃からペースを上げていきました。

しかし、そう甘くはありませんでした。
2022年内に完結すると思われたアルバムは4曲までしか完成せず、リリースは先延ばしに…
本来趣味として作っていたこともあり、ここで制作を止めることも考えられましたが…

『来年に持ち越そう』

2,3年趣味で作曲をしてきた自身が、初めて長期スパンでリリースを考えだしました。

その後、2023年(今年)初めには知声を迎えた楽曲『真冬の雪』で、S.KT.として公式に曲をリリースし始めます。
外堀を埋める活動が進んできたこともあり、Road Of Waterは若干のクオリティアップが図られました。
それはリリース環境・制作スキル両方において…

こうして、今年の10月初めには全曲が完成しました。
少ないノルマとはいえ自分でもまさか完成するとは思っておらず、2023年に出来た4曲を加えた8曲でコンセプトアルバムをリリースするに至ったのです。
この2年間を通して、自身が少しでも成長できたのではないかなと感じられる作品になりました。

アルバムのコンセプト

さて、今回のアルバム『Road Of Water』は、文字通り水のさまざまなあり方をコンセプトにした楽曲群を集めたものです。
ひとくちに水と言っても、

  • 存在しないゆえに感じる『渇き』

  • 水が自然と織りなす『アメニティ』

  • 海を取り巻く我々と生き物の『営み』

  • 果てしない海への『憧れ』

  • 水と文化が溶け合う『幻想』

  • 激動する海に立ち向かうための『発揚』

  • 冷たく姿を変え、時に牙をむく『冷ややかさ』

  • 深い海の中で儚くも美しく生きる『躍動』

…などなど、さまざまなシチュエーションが考えられます。

今回は8曲を書いたわけですが、勿論水のあり方はこれだけにとどまらないと考えています。
それらの温めたアイデアは、またどこかで曲にするかもしれません。
お楽しみに…(?)

セルフライナーノーツ

1.Faraway Oasis

水をテーマにすると言いながら、初っ端から『水がなかったら』な世界を想像して曲を作りました。
我々は水をどうして求めるのか、どうして時に心に響くのか… そんな果てなき探究心を表しています。
渇くというと苦しいような様子も描きたくなりますが、今回は水を求めてひたすら世界を巡る、活力のある様子を表現し、水という存在を改めて実感できるような導入にしました。

2.Coastal Wind

Coastal Windは、とにかくアコースティックな音色と有機的な海風がモチーフです。水は自然を構成する一部であり、それらが織りなす情景には、いつも何ともいえない心持ちにさせられてきました。そんなアメニティを思い起こさせるような曲にしたかったのです。
また、前後の楽曲は若干のつながりを持たせていて、シームレスに聞けるようになっています(多分)。より『水の道』を感じられるかもしれません。

3.Exchanging Port

船に乗る足音から始まるこの曲は、港にあふれる少しの無機質さと、海を望む人々の営みをテーマにしています。
遠くに広がる海を停泊した船の上から俯瞰しながら、夕陽などを背に業務に勤しむ港の様子をすこし物憂げに表現しています。
そして、そんな情景を海風がほんのり包み込んでいるような、浸るタイプのトラックです。

4.Infinity Ocean

船に揺られるイメージで、3拍子にしました。
1拍目を意識したドラムで、ズタタのリズムを心地よくできるような試みを行いました。
タイトルの無限の海のごとく、一つの展開を軸にしながら延々聴き続けられるように…できたら良いのですが…どうですかね?
5曲目の方が先に完成したこともあり、この曲は繋がりをより意識して作られました。途中では次の曲のような三味線ぽい音色を出しつつ、最後にはメロウな感じとなり、船旅の果てにたどり着いた境地を演出しています。
そこは…

5.Aquatic City

実はFaraway Oasisの次にできた曲です。
初期にできた曲らしく、かなり背景描写がイメージされています。

ライトが照り返し、輝く水面が広がるリゾート都市。
しかしかつては水に浮かぶまほろばとして古代から栄えた…という設定です。
ギラギラ感と美しさを調和させた曲となります。

Aquatic City

曲は、都市特有のひしめく賑わいが織りなす高揚感と、どこか規律を思わせる緊張感が表現されています。
メロウなサウンドの中に鋭さが加わり、都市に着いた一行を暖かく迎え、そして引き締めるような印象に仕上がりました。

6.Naval Base

Naval Base = "海軍基地" ということですが、軍歌っぽい感じではなく、隊所属の吹奏楽団のような明るめの雰囲気にしました。
先ほどまでの5曲が昼から夕方、夜…となるイメージなのに対し、この曲は一夜明けた朝と出港がイメージになっています。
総じて、困難に立ち向かうような、勇気をくれる曲になりました。

7.Ice Deep

文法的には『Icy Deep』じゃないか?となりそうですが、実はこのアルバムにおける全曲のタイトルは、何年か前に思いついたアイデアをそのまま使用しています(鮮度が命)。その影響で、ややおかしなタイトルであっても当時を踏襲してそのままになっています。
曲は拍子が変化しながら、冷たさを強調したシンセトラックに乗せてポップに進みます。これにより、先の読めない自然の超然感と希望を抱いて進まんとするを両立させた曲に仕上がりました。
そして、最後の曲に続きます…

8.Submarine Ridge

7曲目が水の上なら、この曲は水の下がテーマです。
今までの曲とは一線を画すような印象で、より水の深さが感じられる曲となりました。結果、深海に生きる生物の躍動感を表しています。
今回参考にした(あくまで参考)ジャンルは『リキッドファンク』です。ドラムンベースの派生で、浮遊感のあるパッドや、どこか透き通るようなトラックが特徴的です。
1stコンセプトアルバムの終着点を飾る曲として、最後に制作されました。アルバム完成までに2年間、途中から配信を始めるなどの大きな変化があったことが、これらのトラックの雰囲気の変化から感じられます。
曲中の展開がスムーズに繋がるよう努めました。情景の変化を感じていただければ幸いです。

おわりに

今回のように、2年間をかけてゆっくり作るのも変化を感じられて良いですね。
テーマを決めるのも、お題の中で様々に試行錯誤できたことが良い体験となりました。

…ということで、次の2年後でお会いしましょう!

Next Concept Album is… "???"


以上、失礼いたします。
(S.KT.)

©︎ S.KT. Music

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