S.KT.とクラリミコン2[Behind The Wave #4]トラブルシューティング編
はじめに
S.KT.です。
曲を作っています。
Behind The Waveの第4回は、短めの記事です。
今回のクラリミコン2にて配布されたボーカルデータをプロジェクトに入れたあたりの頃、まさかの事実が発覚…!!
それは、同じくクラリミコン2に参加されていた優唯愛/ゆいあず さんによる、ボーカルデータ取り込みにおける注意喚起から始まりました…
以下、優唯愛/ゆいあず さんのツイートです(注意喚起ありがとうございました!)↓
ボーカルデータの録音形式が『48kHz/24bit』…?
…あぁ、サンプルレートとビットレートのことですね(調べた結果)!
ええと… それじゃあ今ボーカルデータを入れた自分のプロジェクトのサンプルレートは…
なん… だと…
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ボーカルデータ取り込みをミスった者の末路[サンプルレートとビットレート]
S.KT. ←知らなかった人
リミックスを作ろうとした序盤の頃、私はボーカルデータを入れて作業に取り掛かるところでした。
そんな中で冒頭のツイートを目にし、自身のプロジェクトのサンプルレートや配布されたボーカルデータのサンプルレートを確認したところ…
確かに48 kHzと書かれていました!
私は最初
『サンプルレート?なんか聴いたことある言葉だけど、そんなの音が綺麗になるかどうかじゃないのぉ〜?』
と、関係ないことのように感じていましたが、いざ設定をいじってみると、衝撃の変化に遭遇したのです…
何が起こるのか?
試しに、プロジェクトのサンプルレートを44.1kHzに設定し、そこにボーカルデータを読み込ませてみます。
ここでプロジェクトのサンプルレートを48kHzに変更すると…?
なんと、波形が短くなり、音が高くなったのです(上赤枠の右半分に注目)!!
サンプルレートの変化で音が高くなる理由(自分なりの解釈)
なぜ、サンプルレートを変えたことで音が高くなるのでしょうか?
サンプルレートは『1秒間に流れる音の区切る回数』と解釈できます。
これが44.1kHz(= 44100Hz)なら1秒間に44100回分区切ることができ、その分の情報が入れられることになります。
また、サンプルレートの値が高いほど区切る回数=入れられる情報量が増え、間隔が狭くなります(図は44.1kHzと48kHzの比較)。
ここで、44.1kHzでボーカルデータを読み込ませたプロジェクトのサンプルレートを、48kHzにしてみます。
すると、プロジェクトによるボーカルデータの区切り方が狭くなります。
ここで、元々のサンプルレート(44.1kHz)ですでに区切られていたボーカルデータはプロジェクトのサンプルレート(48kHz)に追従し、より狭い区切り方に合わせられます。
このときにオーディオデータの波長が短くなることから、高い音に変化したのだと考えることができます。
ボーカルデータとプロジェクトのサンプルレートがズレるとどうなる?(推測)
問題が起こるなら途中でプロジェクトのサンプルレートを変えなければ良いと思われますが、もしボーカルデータとプロジェクトのサンプルレートのズレが残っていた場合は、元の録音されたボーカルデータの再現性が少なくなる問題が発生すると考えられます。
先ほど48kHzのデータは1秒間に48000回分の情報が記録されていることはお伝えしました。今回のようにボーカルデータに48kHzの表記があった場合、そのデータは1秒間に48000回分の情報を持っていることになります。
一方、プロジェクトのサンプルレートは1秒間におけるデータの『区切り方』を意味します。44.1kHzであれば、プロジェクトは1秒間に44100回分の情報を処理します。
つまり、1秒間に48000回分記録された情報を1秒間に44100回のペース(元の情報より少ないペース)で処理することとなり、本来持っている情報が欠けるなどして正しい処理方法にならない可能性があります!
ビットレート(少しだけ)
なお、ボーカルデータのプロパティにはビット/サンプルの欄もあり、そこには24と書かれています。これはビットレートです。
ビットレートは『1秒に送られるデータ(ビット)の量』を表します。
これが高いほど1秒に送られるデータの量が多くなり、高音質と呼ばれる状態になります。
『このボーカルデータのビットレートは24bit』と言われれば、ざっくり1秒間にデータを24ビット分サンプルして作ったものであると考えられます。
これが合っていない場合を考えます。
ボーカルデータのビットレートが24で、仮にそれを受け入れるプロジェクトのビットレートが24より少ない(16など)とします。
こうなると、元データが持つ情報量がプロジェクトで流せる情報量を上回り、情報を伝達しきれないという問題が生じると考えられます!
おわりに
サンプルレートは音質に影響し、制作途中で変更すればデータの損壊が起こります。また、プロジェクトとオーディオデータでサンプルレートがずれている状態も処理に影響を及ぼすかも知れません。
とにかく、作曲のはじめにサンプルレートを確認し、途中でソフトウェアのサンプルレートを変えないこと!オーディオデータの音の高さなどが変わってしまいます!…ということでしょう。
また、事前に配布されたオーディオデータのサンプルレートを確認し、プロジェクトと合っているかを確認することも大切ですね… (ビットレートも同様)
今回のお話は詳しい人がたくさんいらっしゃると思うので、あくまで私の覚え書き、体験談としての側面が強いことをご了承ください…(_ _)
それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました!
マガジン『S.KT.とクラリミコン』
序章編
<S.KT.とクラリミコン2[Behind The Wave #1]リミックスの制作・序章編>
ミックス編
<S.KT.とクラリミコン2[Behind The Wave #2]リミックスの制作・ミックス編>今回のリミックスに仕込んだイースターエッグ
<S.KT.とクラリミコン2[Behind The Wave #3]隠し要素編>
以上、失礼いたします。
(S.KT.)