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透々実生
2024年3月27日 17:08
「なあ……スガワ。最近俺さ、誰かの視線を感じるんだ」 大学の食堂。クラスメイトの額井は箸を止め、雑踏と雑談に掻き消されない程度の声量で言った。まるで、誰かに聞かれないようにしている様子に、俺も事情を察する。「……ストーカーか何かか?」「だと思うんだけど……」 だと思うんだけど、って。 俺の怪訝な顔を見て、額井は「いやさ」と言葉を続けた。「奇妙なんだよ」「奇妙?」「ああ。普通ストー