キッチンレター12月号
キッズキッチンでは11月からの3ヶ月間は小麦粉を知ろう!の期間で、日本のうどん、ユーラシアのパスタ、そしてパンを学びます。普通に食べている、当たり前に食べている食品ですが、どうやって作るのか?そもそも小麦ってなんなの?!を探る3回連続のお料理教室になりそうです。
小麦は1万年以上前に西アジアで誕生した世界最古の穀物と言われています。日本古来の食べ物はイネであるというふうに言われがちですが、日本には弥生時代には麦も伝来しており、古くから馴染みの食べ物です。万葉集にも「小麦」の文字があり、朝廷も小麦や大麦を畑で作ることを推奨したとの記録があります。
西アジアで生まれた小麦は中国の黄河流域で麺の祖先になったのでは?と言われています。水を入れて捏ねた麺のたねを、引っ張って伸ばす、薄く伸ばしてから切る、型に入れて押し出す、という概ね3種類の方法で麺を作っています。塊のまま薄く切る刀削麺や濃度の薄い生地を湯に直接投げ入れる撥魚など他の特殊な方法もあります。
さて引っ張って伸ばす麺の生地は水分量が多くて柔らかく、伸ばしてから切る麺は水分量が少なく、押し出し麺はグルテンがすくなく伸びにくい生地を入れて押し出して作ります。どの麺も私たちにはお馴染みの麺です。
うどんは家庭では2種類の作り方があります。水分を6割ぐらい入れて柔らかい生地を引っ張る方法、そして水分を半分以下にしてかたい生地を作り伸ばして着る方法です。踏んで生地を伸ばして腰を入れて作る、うどんのイメージは後者でしょう。香川県でうどん体験をしたというお子さんもおられました。踏んで、伸ばして、畳んで、切って・・・そんなイメージのあるうどん。粉にするのも手間がかかり、混ぜて切って作るのも手間と時間がかかるので、特別な日の食事でもありました。「食事は簡単にうどんですませよう」なんて昔の人が聞いたら驚くかもしれません。
小麦粉を上手に扱う一つのコツは、水回しと教わりました。
水が均等に上手に回っていれば、のびやすい、ツルッとした表面で、そして腰のある良いグルテンができます。
今回、教室では「手抜き本格うどん」を作りました。どの辺が‘手抜き‘かというと、粉を練って数時間もしないうちに切ってうどんにしてしまうので、手抜き。‘本格‘なのはうどん製造の過程を経ているところです。練って、踏んで、伸ばして、畳んで、切って、という切りうどんは本格的に作りました。
教室では超特急で行う麺作りですが、ご家庭ではゆっくりのんびり作ったらいいかな?と思います。強力粉で作る場合、一晩寝かせると驚くほど伸びやすく、扱いやすい生地になります。うどんは固くて作りにくい、と思っておられる方はぜひ、一晩寝かせてください。少々物騒な言い方になりますがこの寝かせ過程を「粉を殺す」と言っていました。粉がきれいに‘殺せ‘たら、たいへん伸びが良くなります。
今回のレシピは、切ったうどんで作る中国の炒め麺です。