キッズキッチンレター4月号
今年度最後のキッズキッチンが終わり、1年間の教室が終了しました。
3月は1年間の集大成、包丁の技を駆使してアジを三枚おろしにしました。年少さんから小学校6年生まで、みんな1人1匹、アジを捌きました。海も荒れず、美味しいアジが用意できました。
日本の食事といえば、和食、和食と言えば、魚料理と言う連想がされるほど、日本の食事と魚は欠かせないものです。ただ近年、日本人は言うほど魚や海鮮を食べなくなっています。平成19年には畜産の肉の消費量が魚を超えました。
(社)大日本水産会の調査では、魚を食べなくなった理由は、骨があって食べにくいこと、独特の匂いがあること、肉より割高なことが原因と、分析されています。また株式会社ミツカングループの魚食に関する調査では、全ての子どもが魚が嫌いなわけではなく、寿司など食べやすくなった魚は好まれています。味が嫌われているわけではないので食べ方さえ知っていれば、もう少し魚を食べることができるはずです。動物の肉も、骨をとった状態で売られているので魚より食べやすいと感じているのかもしれません。魚の骨は、哺乳類や鳥類と違って、骨が小さく、細く、取ることがむずかしい。食べる人が骨を取る、骨に気をつける必要があり、食べるにも技術が必要です。食べる方法、調理する方法、下拵えの方法と、学んで慣れていく必要があるのです。学校で習うものでもありませんが、お料理教室でも魚の教室は貴重です。
お魚の教室を開催するのは、実は結構ハードルが高いものです。と言うのも、希望の魚が、決まった日に獲れるかどうかは、海の都合によるからです。嵐が来たり、海が荒れて漁に出られなかったら、魚は来ません。海の温度が暖かかったり、冷たかったりといろんな理由で、「いつもはあるんだけれど、今日は無い」なんてことが起こります。
機会があったら魚を食べて、慣れていきたいですね。魚の構造を知り、骨がどこにあるかを知ると食べやすくなります。自分ひとりで1匹の魚をさばいたり、食べたりすると学べます。今月のレシピはいりこの飴煮。いりこを分解して、骨を見た後、身を料理します。