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キッズキッチンレター2月号
食育の分野で、何故か、何かと悪者にされてしまう場面を見かけます。砂糖がこれほど大量に出回るようになったのは近年のことで、日本の料理において甘みというのはハレの日の料理でした。特別な日の豪華な料理を毎日食べるとそれは、健康にはあまり良くないでしょうね、というのは分かりますよね。子どもたちに伝えるときは「あんまり食べてほしくないな」と思うものはその背景を説明して、考えてもらうのが良い方法と思っています。単純に食べるな、というとやはり反発してしまうもの。特に甘いもの、油っこいものとの付き合い方は子どもの頃から、考えていきたいですね。
1月のテーマは「砂糖」でした。砂糖は甘い。甘いってどんな味かな、と、上白糖、黒砂糖、甜菜糖の3つを舐めて、そして、伝統の甘みである米飴も舐めてもらいました。同じ砂糖の、甘さ。そしてちょっと違う糖の甘さ。表現はしにくくとも、微妙な違いが分かったような気がします。
料理と甘いものの関係は、甘い味をつけるほかに、細菌が使える水を奪って細菌の働きを抑える効果、水を保つ効果があるので肉などが柔らかくなる効果、そして酸味や苦味をマスキングする効果などがあります。どれも食べてみるとなるほどなあ、美味しいなあと思えるものです。
レモン汁を溶かした酸っぱい水をそのまま飲むのと、砂糖を入れてから飲むのを試してもらいました。酸っぱいレモン水でも全然飲めるけれど、砂糖を入れるとまた違った美味しさが出ると言った感想が聞かれました。
ジュースには大量に砂糖が入っている、とは良く教育の場面でも言われますが、実際に酸っぱいものに砂糖を入れてみて、飲んでみると驚きと発見があるようです。「砂糖少なかったらちょっと飲みにくい。だから砂糖がいっぱい入ってるんだね」と発見した子も。2024年5月のお酢のひみつのときは、コーラのpH(酸性度を測る目安)が「2だ!」と驚いていた子も、レモン水に砂糖を入れて納得したそうです。
2月から来年度の募集が始まります。3月で科学がテーマではなくなりますが、教科書で読んだ、図鑑で読んだ「それ知ってるよ!」ということをこれからも教室に盛り込んで参ります。この数年、生成AIが飛躍的に発達しています。いろんな物事の学習方法も、これから変わってくるかも知れません。それでも、現実社会に生きる私たちは五感を使って、この世界を認識しています。体験や実験を通じて学ぶという方法は、ますます大切なものになりました。ウェブサイトや動画サイトでさまざまなことが学べます。体感を持って、自分の手で自分で行ったことは、その学びをより良いものとしてくれるでしょう。デジタルな世界になったからこそ、体験、手を動かしてアナログな学びがより重要!そう考えて、来年度のプログラムを組み立てました。どうぞお楽しみに!
来年度もどうぞよろしくお願いいたします。