MCバトルの魅力を、語りたいよー!
みんなMCバトル(ラッパー同士のバトル)みてるー?みてない?そっか…
結構面白いので見てほしいなぁ
MCバトルはなんかよく分からないなという人もたくさんいると思います。ぼくもそうでした。ぼくは3年位前から何となく見始めている人だから、はじめて入る人にも魅力を伝えられるように頑張ります。
MCバトルとは?
こういうのです。字幕があると何言っているかよくわかりますね。
ぼくはMCバトルのことを「レベル100の口喧嘩」だと考えています。
この試合は晋平太が強すぎる。
MCバトルとはDJがかけるビートに合わせてMC(ここではラッパーと同義)が即興でラップをする。
このバトルは8小節ごとにお互いがラップを披露してそれを4ターン(往復)する8×4という一番ポピュラーな形式です。
現在色々な大会が開催されており、トーナメント方式で、優勝すると賞金がもらえるため、MCがしのぎを削っているわけです。武道館で大会を開催されたり、最近だと賞金1000万円の大会も開催されたりしており、年々規模が拡大しております。(それを商業的すぎると嫌うラッパーも当然いますが…)
勝敗・判定基準・魅力
勝敗は「どっちがよりスキルを魅せ、カマせたか」主観で決められます。
「カマす」の判定基準はざっくり次の通りです。
総合的に判断して基本的には観客(大会によっては審査員)が判定を行います。
韻(ライム)
音楽性(フロー)
メッセージ性
これらをいかに即興で出し切ることが出来たか、を決めます。
MCにもそれぞれ特徴があり、どれが強い・弱いがあり、それがそれぞれのMCの魅力にもつながってきます。
それぞれ説明します。
1.韻(ライム)
韻を踏むというのは、だいたい同じ母音の言葉を別のフレーズで繋げることです。ライムとも言います。ダジャレに近いですが、即興で、ビートの上に乗せてやると不思議とカッコいいんですよね。文字で分かるので、初心者にもすごさが分かりやすいと思います。
曲での例です。クリーピーナッツの代表曲「かつて天才だった俺たちへ」の一節です。1分10秒~
「I wanna be a 勝者
I wanna be a 強者
まだ見ぬ高みへ駆け込み乗車
花火のような
運命だろうが
我が身果てるまでやりきれそうya」
「勝者」「強者」「乗車」「ような」「ろうが」「そうya」
一行一行すべて最後がouaの母音で終わっています。こういう風に韻が踏まれていると聞き馴染みが良くなります。
試合の動画でもありましたが、晋平太は非常に韻を踏むのが巧みです。その中でも2分20秒~
「そのための橋渡し「日本武道館」ionuouan
俺は後ろには「一歩も動かん」ioouoan」
動きも合わさり非常にパフォーマンスとしてカマしていますね。ヤバすぎて審査員も笑っちゃっています。
対するAuthorityもすごい韻を踏んでいます。2分40秒~。韻は長いほどすごさは出ますね。この場合は7文字の韻です。長すぎると「それ即興じゃなくて家で考えてきたやつだな」感が出るので難しいところですが。
ここ「危ない距離感」auaioian
飛ばす宇宙「バズライトイヤー」auaioia
お前の勝負「まずないと見た」auaioia
戦極24章「侍の血が」auaioia
韻踏みが有名なMCと代表的な試合を挙げておきます。
だいたいコメント欄で誰か文字起こししているのでそれを見ながら聞くのも良いでしょう。
MC: Fork、晋平太、SAM、韻マン、Authority
2.音楽性(フロー)
ビートの上に乗って言葉を出すので、リズム・音程としていかにカッコよく乗せることが出来るか、の要素です。フローと言います。
韻でバトルしている人たちに比べると言葉は聞き取りづらいかもしれませんが、「音に乗りこなしている」の観点だとこちらに軍配が上がると思います。
鎮座DOPENESSが即興にしては音源みたいな乗りこなしをするのでヤバいです。フローが優れたバトルは後から何回も聞きなおしたくなります。
フローで有名なMCとそのバトル
MU-TON、鎮座DOPENESS、ID、
RAWAXXX(別名 鬼ピュアワンライン、MOL53)、S-kaine
補足:最近ではレゲエのバトル(Deejayクラッシュ)とMCバトルの融合が増えてきており、レゲエをやっている人がMCバトルに参入することも増えています。レゲエの特徴としてざっくり次のイメージになります。
・音程がはっきりしている
・自分の曲からの引用が多い(セルフサンプリング)
・バックミュージックがDJでなくバンド
3.メッセージ性
口喧嘩の要素です。これがぶっちぎりで強いのが呂布カルマです。
最近普通にテレビで見かけるようになってきましたね。
呂布カルマは今のMCバトル界で一番強いと言っても過言ではありません。
フローや韻も良いですが、何より圧倒的な口喧嘩力が他の追随をゆるしていないです。相手を刺すパワーワード、いわゆるパンチラインが次々と飛び出してきます。
口喧嘩とは異なりますが、自閉症を持っているGOMESSはその出自も含めて命を削って魂でラップをしている感覚を相手にぶつけてきます。
DOTAMAはシンプルに悪口(ディス)が強いです。
どのようにはまっていくか
MCバトルで検索してもたくさん動画が上がっていて、どう見たらよいか分からないかもしれません。
推しを決めていろいろな動画を見よう
このNote内で10以上の動画を挙げておりますが、これらの動画を見てピンと来なかったらハマる適性がなかった・今はまだハマる時期じゃないかもしれません。逆に何かしら良いと思ったのなら次のステップに行きましょう。
この人いい感じだなと思うMCで次の動画をみましょう。ぼくの推しはSAMとForkと鎮座DOPENESSです。
1.他のバトル動画
MCの名前でyoutube検索して、再生数が多い他の動画をまず見るとよいです。
2.バース集
他のバトル動画を調べると出てくると思います。バトルの寄せ集め集です。特定のMCに限ったバトルだけ見ることが出来ますので魅力がより伝わりやすいです。(代わりにバトルの対戦相手とのやり取りの部分が犠牲になってしまいますが)
3.解説動画
色々な人がMCバトルを聞きながら解説している動画を挙げています。
晋平太は有名なバトルならほとんど解説していますね。
そこの韻気づかなかった、そこの言葉にはこういった背景が…というのが分かります。
最後に
MCバトルは様々な魅力があります。
DJが流すビートそのものもカッコよく、ビートは基本的に有名なラップの曲から引っ張ってきていることが多いですので、元の曲を聴いてみて曲にハマる、RAPにハマるということもあると思います。
RAPってなんだろう、という人にもMCバトルの競技性というのは判りやすいですので、入り口としてMCバトルを見てみてはいかがでしょうか。