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写真展と映画
「石川直樹:ASCENT OF 14 ー14座へ」
2023年12月16日~2024年2月18日
日比谷図書文化館
講演会 ヒマラヤと自分
今月3度目となる東京は、日比谷図書文化館で開催している、石川直樹さんの個展に行ってきた。当日の午後7時から講演会もあり、そちらは応募して行くことが出来た。この日はずっと楽しみにしていた日だった。日比谷周辺、有楽町、銀座は20代の頃にこの辺りで働いていたから馴染みの深い場所。その街を一人で歩いているとなんだか心地よかった。そして様々なことを思い出しては一人黙々と歩いてた。
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今年になってよく東京に出かけている。東京には、地方にはない独特の文化があるから、その文化を肌で感じたくて出かけているんだと思う。
今回は写真展というカテゴリーになると思うけれど、会場に設置されたいくつかのモニターから流れている動画に惹きつけれられて、多くの時間をその画面の前で過ごした。一通りじっくりと作品を見ることが出来たので、夜の講演会までの間、少し時間があったので久しぶりに、銀座のAUX BACCHANALES (オーバカナル)に行った。以前、バカナルから歩いてすぐのカフェで働いていたので、仕事の帰りによくバカナルでビールを飲んでキッシュを食べてた。この日は電車で行ったんだけど、千葉に戻ってから車の運転があるから、カプチーノとキッシュ、そしてレモンのタルトを。夏目漱石の「道草」を読みながら。こうして、お茶をしながら本を読むなんて、しかも一人で、ずいぶんと久しぶりの時間だった。しかも久しぶりの場所で。僕のお店でも、最近は本を片手にコーヒーとケーキの時間を楽しんでくれるお客さんが増えてきた。それはとても嬉しく思う。そうやって日常のあれこれを、一旦横に置いて、自分だけの時間を過ごせる場所。
喫茶店やカフェの重要な役割だと思う。
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講演会には平日にも関わらず、たくさんの人が続々と集まってきた。僕は少し早めに着いて、物販コーナーでタイトルに惹かれて、一冊の文庫を買った。
購入した流れで、
「サインはどうされますか?」とスタッフさんに聞かれた。
隣のテーブルには石川さんがスタンバイしていた。この時少しだけ会話を交わすことが出来た。もちろんサインも頂いた。この時の会話はずっと忘れないし、これから先、石川さんの作品に触れるたびに、この日の思い出がふっと出てくると思う。
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この個展は世界にある8000m峰の山を全て写真に収めるというコンセプトなんだけど、今のところ石川さんは13座に登頂していて、最後となる「シシャパンマ」登頂に向けて来月からヒマラヤに行くと言ってた。ヒマラヤの山々のお話、それぞれの遠征での出来事、雪崩やルートミス、どの話もとても楽しかった。
約1時間半、石川直樹さんの言葉に全神経を集中させた。
また機会があれば参加したいです。
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そして翌日は木更津へ家族で映画を見に行った。ずっと観たかった映画。
ここ最近で観た映画で印象深かったのは『すばらしき世界』。
PERFECT DAYSも役所さんが主演。
とにかく涙ぐむし、自分は「映画」が好きなんだなって心の底から思えた。
これは皆さん、ぜひスクリーンで観てほしい。
ロケ地の大半が明香の地元だったり、明香との思い出が沢山ある場所がスクリーンに映って、しかもそこには好きな俳優さんたちが映ってる。それだけで嬉しかった。音楽ももちろん素晴らしかった。これはDVDで購入したいな。
パンフレットもとにかく良いです。スタイリングは明香の師匠で、なんだかそれもグッときた。久しぶりに会って色々と話したいなって。
写真、映画といった文化(カルチャー)に飢えてるなって。
そうしたらまた東京に行って、刺激を受けたい。
アートに触れる時間が僕には必要だ。
2月も3月も東京に行く予定。久しぶりの友人に会ったり、尊敬する俳優さんの舞台だったり。
PERFECT DAYSを観て以来、なんだか客観的に自分を見ている気がして、そうすると今の自分にとって何が大切か?とか、誰と過ごしたいのか?とか、より明確になっていくような気がする。
アートの影響によって、生きる道の方向が定まってきますよね。
思えば今までの人生が、まさにそうだったような気がする。