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組織の変革で忘れてはいけない人のケア
こんにちは!米田 @ マーケティング変革実行中 です。
私もよく経験するのですが、組織の変革プロジェクトを推進する際には、組織の機能をどう変えるか、それに伴ってどういう変更を実装するのかのプロジェクトマネジメント (技術的側面) に集中しがちです。一方、その際に忘れられがちなことがあるので、そのことについてまとめてみたいと思います。
チェンジマネジメントとは?
最近、私の周りのコミュニティで流行っている資格があります。それはProsciという団体が発行する「チェンジプラクティショナー (Change Practitioner)」という資格です。私も最近取得しました。
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チェンジプラクティショナーは、デジタルトランスフォーメーション、働き方改革、ダイバーシティ推進、企業合併など、組織におけるあらゆる変革プロジェクトを推進する上で必要になる「チェンジマネジメント」を実践する "プロジェクトリード" に相当する中心的役割を担います。チェンジマネジメントは変革プロジェクトを推進する上で組織の中の人のケア (人的側面) に重点を置く考え方で、以下のように定義されています。
チェンジマネジメントとは、組織の成功や成果を導くための変革を個人が上手く受け入れられるよう準備し、環境を整備し、そして個人をサポートし続けるための体系的なアプローチです。
チェンジマネジメントにおいては、変革プロジェクトを推進する上で、以下の5つのことをよく認識して実践します。
変革には理由がある。
組織が変わるためには、個人が変わる必要がある。
組織の成果は個人の変革の集合結果である。
チェンジマネジメントは、人的側面の変革の管理を可能にするための枠組みである。
チェンジマネジメントを実施するのは、変革によるベネフィットと望ましい成果を実現するためである。
スポンサーの巻き込みがとても重要
変革プロジェクトのヘルスチェックを行う際に、変革を成功に導くための4つの要素 (PCT Model)である「成功の定義ができているか」「リーダーシップ/スポンサーシップの巻き込みが出来ているか」「プロジェクトマネジメント (技術的側面の管理) が出来ているか」「チェンジマネジメント (人的側面の管理) が出来ているか」をアセスメントします。それぞれが重要な要素であるのですが、変革プロジェクトの成否を決める要因として「スポンサーシップの巻き込みが出来ているか」が特に大きいことが調査から分かっています。
人の意識のボトルネックを分析する
変革プロジェクトを成功させ効果を出すには、組織の機能だけでなく個人も適切に変革されていく必要があるというのが、チェンジマネジメント理論の教えるところなのですが、個人が達成すべき要素には5つのものがあり、かつこの順番で達成していかなければならない、という要素があります。これが、「ADKAR® Model」と呼ばれるもので、以下の5つの要素です。
Awareness (認知) - 変革の必要性の認知
Desire (欲求) - 変革に参加し、サポートしたいという欲求
Knowledge (知識) - 変革の方法についての知識
Ability (能力) - 必要なスキルや言動を実行する能力
Reinforcement (定着) - 変革を維持するための定着
これらは、それぞれの要素だけではなく順番も重要で、「達成されていない最初の要素を見つけて、それを集中的にフォローしていく」というのがアプローチの方法となります。つまり、最初に行うべきは変革プロジェクトの必要性の認知であり、先にいくら知識についてトレーニングしても必要性についての認知がされていなければ意味がないということになります。このモデルにより、アセスメントを実施してどの要素が達成されていないのかを見極め、どの要素を集中的にフォローすべきかを体系的に理解することが可能になり、とても便利です。
個人的にも、これらの要素の存在自体はいままでの変革プロジェクトのOJTの中でなんとなく理解していたものの、体系的に学習できたことでアクションアイテムの適切な絞り込みがよりやりやすくなったと実感しています。
組織は人から成る~変革プロジェクトに必要な人のケアに関する計画
チェンジマネジメントのエッセンスは、つまるところ「組織の成果は個人の変革の集合結果」であり、プロジェクトマネジメントをしっかりやるのと同じくらい個人の変革の管理をしっかりやる必要がある、という気付きを与えてくれることです。組織の中の個人の状態に注目することで、変革プロジェクト失敗のリスクを減らし、予想される抵抗に適切に対応し、さまざまな状況に対応できるガバナンスモデルを構築し、適切なロードマップを描けるようにします。そして、これらは変革プロジェクトのアウトプットを最大化することに繋がります。
チェンジマネジメントの詳細については、一度トレーニングをしっかり受けて学ぶことをお勧めします。個人的には、変革プロジェクトを担う者として、受講してみてかなり有用なトレーニングだと感じました。
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それでは、また!
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