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タイミー早押しから見えた真実 〜就職氷河期世代が気づいた、本当の価値提供とは〜
家族との食事中も、子どもたちと過ごす大切な時間も、スマートフォンの画面を気にしながらタイミーの案件を探す毎日。
「今日も仕事が取れなかったら…」という不安を抱えながら、「早押し」のような仕事の奪い合いに、自分を見失っている。家族を守るためと始めたはずが、皮肉にも家族との時間を削ってしまっている—。
この状況に違和感を覚えた時、昔のポケカ転売の記憶が蘇りました。
タイミーでの「早押し」体験:ギグワークの現状と課題
1月、タイミーの案件数は激減していました。
年末にはそこそこあった仕事も、今では美容室やコンビニなど、限られた案件しか残っていません。特に未経験者でも応募できる案件は、募集開始から数秒で埋まってしまう状況です。
私は日々、スマートフォンの画面を凝視しながら、新しい案件が出るのを待っています。案件が表示された瞬間に応募ボタンを押さないと、あっという間に他の誰かに取られてしまうのです。まるでオンラインショッピングの目玉商品を争うような、そんな状況が日常になっています。
この状況は、隙間時間を使って収入を得たいという人々が一定数いる一方で、案件数が圧倒的に少ないことを示しています。私のように、家計の足しにしたい人、将来への不安から副収入を求める人、様々な事情を抱えた人々が、限られたパイを奪い合っているのです。
派遣の仕事と掛け持ちしながら、なんとか生活を繋いでいる状況ですが、正直なところ、この「早押し」のような仕事の獲得方法に違和感を覚えています。取れたら今日の仕事がある、取れなければその日の収入はゼロ。
これは本当の意味での「働き方」と呼べるのでしょうか。
ポケカ転売との類似点:過去の反省から見えた真実
このタイミーでの「早押し」体験は、私に忘れかけていた記憶を呼び覚ましました。そう、かつて私が手を出していたポケモンカードの転売ビジネスのことです。
当時、ある人から「生きていくためなら仕方ない」と教わり、始めたポケカ転売。確かに、定価で仕入れて品薄状態を利用して高値で売れば、それなりの収入になります。
でも、本来子どもたちの手に渡るはずのカードを、大人が転売目的で買ってしまう。その行為が、どれだけ子どもたちの夢を奪っているのか、子を持つ親として、次第に後ろめたさを感じ程なくやめました。
そして今、タイミーでの案件獲得に躍起になっている自分の姿が、どこかその時と重なって見えるのです。早く応募ボタンを押さないと案件を取られてしまう。その焦りと緊張感は、まるでポケカの販売開始時に行列に並んでいた時のよう。形は違えど、やはり奪い合いの構図は同じなのかもしれません。
ただ、重要な違いもあります。ポケカ転売は子どもたちの夢を直接奪ってしまう行為でした。一方、タイミーでの早押しは、同じように働きたい人との競争である点が異なります。
とはいえ、この「早押し」という働き方自体が、果たして健全なのだろうか。そんな疑問が、日に日に大きくなっていきました。
家族との時間vs副業:就職氷河期世代の葛藤
「お父さん、見て見て!」息子の声に、私の目は依然としてスマートフォンの画面に釘付けです。夕食時も、子どもたちと遊ぶ時間も、常に新しい案件が出ないかどうかをチェックしている。気がつけば、大切な家族との時間さえも、タイミーの案件獲得に支配されていました。
妻は特に何も言いません。ただ、静かに支えてくれています。就職氷河期世代の私たちは、バブル崩壊後の厳しい就職市場で苦労してきました。その経験が、今でも私の中で経済的な不安となって残っているのです。だからこそ、少しでも多くの収入を得たい。その思いが、この「早押し」のような働き方を続けさせているのかもしれません。
長男は受験生、次男は中学生、末っ子はまだ幼い。教育費の心配は尽きません。でも、今の私のやり方は、本当に正しいのでしょうか。家族のためと始めた副業が、皮肉にも家族との大切な時間を奪っている。この矛盾に、少しずつ気付き始めていました。
気づきと変化:これからの働き方を模索して
昨日の夕食時、末っ子が描いた絵を見せてくれました。
スマートフォンを見ながら「うん、うん」と適当に相づちを打っていた私に、妻が静かに「今しかないよ」と声をかけてくれました。その言葉が、私の心に深く響いたのです。
確かに、家計を支えることは大切です。でも、子どもたちの成長する姿を見逃してしまっては、本末転倒ではないでしょうか。かつてのポケカ転売から学んだように、目先の利益に囚われすぎると、本当に大切なものが見えなくなってしまう。そんな気付きが、少しずつ私の中で形になってきました。
タイミーの「早押し」に追われる日々は、きっと私に何かを教えてくれているのだと思います。単純な仕事の獲得競争ではなく、もっと自分らしい、家族との時間も大切にできる働き方があるはずです。
まだ具体的な答えは見つかっていません。
でも、この気づきを大切にしながら、一歩ずつでも前に進んでいきたい。そう思える自分がいることに、小さな希望を感じています。
家族のためを思って始めたことが、実は家族との時間を奪っていた。
その事実に向き合えたことが、私にとって新しい一歩を踏み出すきっかけになるのかもしれません。