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36歳、ひとり、四文屋で飲む

・世はまさに大後悔時代である

何の予定もない土曜日。
いつもと同じ時間に目を覚ますも布団から抜け出せるほどの力はまだ目覚めていない。
とりあえず枕元のスマホを確認して各種SNSやニュース、天気予報に目を通した。
そうしているうちに「起きねば」のパワーが充填され60%ぐらいになったところで布団から脱出できた。
疑似連2回の緑オーラで当たった、ぐらいの結構な感動であり安めの奇跡である。通常なら80%は充填されないと起きれないから。何の話??

軽く掃除や洗濯を済ませ11時。朝食を食べるか食べまいか悩む。
というのも前日の歓迎会で中華をしっかりと食べその後も家で飲み直すといったハード飲酒をしていたのだ。ちょっと胃に疲れが見え隠れしているが目玉焼きを2個クリエイトして焼酎をソーダで割ったもので乾杯。11時ならばギリギリ昼飲みに入るのでは?と心の中で言い訳しながら飲んだ。休みっていいものですね。

その後も焼酎ハイボールをおかわりしながらYouTubeやらをみてダラダラ過ごす。そんな時にふと思う。せっかくの休日これで良いのか?オフの時にこそ自己研鑽を積まなければいけないのではないか?と自分に問いただす。そうだ、資格の勉強をしよう!キャリアアップだ!と、取り組むもすでにほろ酔いのため頭になに一つ入ってこなかったので、見聞を広めるべく天王寺へ飲みに行くことにした。先に飲んでいなければ勉強していたはずなのに…世はまさに大後悔時代である。

・マジの射的を生業とした組織

天王寺。大阪市内キタ・ミナミに次ぐ第三の繁華街。シンボルであるあべのハルカスを有し、和歌山県への特急列車や堺方面へと走る路面電車、通称チン○ン電車の始発駅でもある。
阿倍野区などの高級住宅街と日本一のスラムと呼ばれた西成区に隣接している繁華街であり、大阪メトロ動物園前駅は出口を間違うといきなり西成のど真ん中に放り込まれるといったカオスな駅ということで有名だ。
キタ・ミナミに比べると若干劣ることは否めないがそれでも十分な規模感。
昼時ともなればあべのハルカスははじめ天王寺ミオ、あべのキューズタウン
、阿倍野ルシアス、アポロビルなどの飲食店は長蛇の列。
ファミリーやカップルばかりのなか、一人で並ぶのはちょっと避けたい。というかそんなギチギチの店舗は落ち着かないし、早く出て行けよ感をバシバシ感じる。それはちょっとキツいよねぇ。とブラブラしていると他県の人が大阪といえば!問われ道頓堀のグリコの次に思い浮かべる新世界・ジャンジャン横丁まで来ていた。もちろん観光客であふれかえっているがそれはあくまで「だるま」や「八重勝」などの有名串カツ屋やガイドブックに載っているようなお店のみ。それ以外の地元の人が集まるような店などは意外と空いているのだ。

せっかくなので久しぶりに訪れた新世界をブラブラする。あちらこちらに射的場ができておりまさに観光地。はじめて訪れる方はあまりの展開度合いに驚き浮かれ騙されるかもしれないが、決して射的が名物ではないので注意してほしい。
なんだったら新世界から南下した地域にはマジの射的を生業とした組織の事務所がたくさんあるので要注意である。まさかその為の練習場!?

ソースの二度漬け禁止を世に知らしめた串カツだるまの長蛇の列を横目にジャンジャン横町へ。八重勝も溢れんばかりの人。外国人観光客は三桂クラブ(囲碁将棋場)を興味深く眺めている。
その中に良いのか悪いのか。12時を過ぎて奇跡の店内客がカウンターにポツポツと数人だけの店舗が。

・東京もんの店

四文屋。関東資本の焼きとんメインの居酒屋、大阪弁でいえば「東京もんの店」である。
以前、よく音楽(思い出野郎Aチーム)やnoteの記事、代表作「いつか中華屋でチャーハンを」を読ませていただいている増田薫さんの記事に出てきたので興味はあったものの大阪には店舗がなく、足を運ぶ機会が中々なかったので丁度良かった。

焼き場前のカウンターに座りメニューを眺める。
ホッピーがあったりキンミヤのハイボールや梅割りが揃っているのがなんとも関東の飲み屋といった雰囲気である。

なんにせよとりあえずハイボール。
オーダーはアゴ、アスパラにガツとカシラ。
残念なことにアスパラは品切れとのこと。マジか。気を取り直して白ネギをオーダーした。

焼き物はちょっと時間がかかるとのことで先にハイボールを飲み干した。メニュー見てるだけで飲めますね。つづいてホッピー(黒)を注文。
関西では本当にホッピーを置いている店は少ないのでちょっと嬉しい。

ソトってパンパンまでいれるもんなのか?半分ぐらいでもいいのか?などと迷いながらもパンパンまで入れる。麦っぽい香りがする。単純に焼酎の割材としてとても美味しい。ちびちび飲みながら串の到着を待つ。

アゴが到着。焼きたての良い香り。
部位は文字通り顎の部分。ちなみに豚の咬筋はジャック範馬も驚きの凄さらしい。知らんけど。一口食べてみると程よい脂と噛み応えで味付けは油分に合わせて少し塩が濃いめ。かたいというよりもしっかりしたという表現が正しい肉質。間に挟まれたにんにくの芽がとても良い仕事をしている。噛めば噛むほどおいしい。この味のガムが発売されるべき。
アゴを二本食べ終えたところでナカをお代わり。同時に追加の串が来る。

ガツとカシラ。
ガツは胃袋。いわゆる豚のホルモン。
牛ホルモンが覇権を握っている大阪で豚のホルモンは珍しい。最近は豚ホルモンを出している店も増えてきてはいるが大抵のところは牛ホルモンなのが実状である。食べてみると以外にもあっさりとしている。サクサクとした触感で楽しい。

続いてカシラ。これはこめかみ。しっとりした噛心地で濃厚な肉の味。脂も少なめで美味しい。これが本日の一番好みだった。
全体的にゆっくりした提供スピードだったのでこちらもゆっくりとできる。
最後に〆として「デカい」とかかれた焼きおにぎりをオーダー。
noteを見たりTwitter(新X)などを見てゆっくりと過ごす。家と同じ行動を別の場所でしているだけであった。ほどなくして焼きおにぎりが着。

何気にうれしいのがスープもセットになっているが、焼きおにぎりが提供されたすぐに持ってきてくれたこと。
よく先にスープを出すお店が多い中、こういった気遣いは嬉しい。
そしておにぎりがデカい。コンビニのおにぎりの約2倍ぐらいの厚み。醤油に少し甘みが足されたようなタレが染みており染み染み…シしみじみ美味しい。
食べ終えてスープを飲み干してお会計。ごちそうさまでした

・皆さんも休日には酔い飲酒を

今回改めて思ったのはホッピーっていいなぁ、ということであった。薄くも濃くも作れて間延びしない酒である。ちびちび飲んでもごくごく飲んでもどちらにも合う。
ちびちびと飲み焼き上がりを待つ。お好み焼きの焼き上がりを待つような共感。あの焼きとんを待っている時間に一番合う飲み物がホッピーという飲み物なのだろう。
時間も13時を回りより長くなった串カツだるまの行列を眺めながら、再度天王寺に向かって歩き出す。まだまだ休みは始まったばかり。
あと二、三軒酔って帰ろう。皆さんも休日には酔い飲酒を。

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