後悔なく休止になってほしいなんて綺麗事だった



【当たり前だと思っていたことは当たり前じゃなかった】と感じることの多かった2020年。

それを最も強く実感したのは、12月31日の嵐の活動休止前に行われた最後のライブだった。


正直、結論から言うと、これを描き始めた2021年1月1日午前3時現在も、嵐が活動休止したなんて実感はない。

暫くは更新されることのない嵐の曲を聴きながらも、当たり前のようにまた新曲がすぐ出るような気がしてならない。


今年からは年始恒例の嵐の特番がないことも、来週からは嵐のレギュラー番組がないことも、今年の冬からは嵐のコンサートがないことも、どうも想像できない。

なんなら、明日の朝になればひょっこり5人で「嵐でーす!」なんていつものように声を揃えていても違和感なく見ていられる気がする。




きっとそれくらい、私の24年間の半分以上を一緒に過ごしてきた嵐は私の日常そのものだった。




どうせなら5人が後悔しないくらいやり切って、活動休止になればいいな。


なんて心の何処かで願っていた。



活動休止に対して反対だ、とは一切思わなかった。

智くんが辞めたいと思っていたのも今まで何度か聞いていたから、『むしろここまで第一線で活躍してくれて、いつも楽しませてくれて、本当にお疲れ様です』という労いの気持ちしかなかった。


だからこそ、活動休止までに与えられた2年間は、5人の好きなように活動して、やりたいことを全てやりきってほしいと思っていた。



結局、計画していたことも叶わなくなったことが多かった2020年。

活動休止前の最後のライブ『This is 嵐』での5人の挨拶が嵐の全てだった。



これは私感に過ぎないけれど、2020年12月31日まで悔いなく嵐の活動をやりきったと思えたのは、きっと智くんだけだ。

「何の悔いもありません」という言葉が本音だったら、の話だけれど。


それと対照的だったのが、「まだまだツッコミたかったし、もっといじりたかったです。それが本音かな」と言ったニノと、「満足できていないこともたくさんある」と言った松潤。

そして、「21年で叶った大きな夢といったら、この5人で一緒にいられたこと」と言った櫻井と、「人間としてトップの4人と21年やってこれたことが僕の宝物です」と言った相葉さん。


まだ叶えられていない夢がたくさんあるけれど、4人で活動するのでもなく、解散するのでもなく、智くんが戻ってくるまで活動休止にして、いつか来るかもしれない【5人での再出発】を尊重した嵐の全てが表れていた挨拶だと思った。



幼い頃からなんとなく5人の人間性に惹かれて、いつも『こんなこともできて、嵐はすごいな』と漠然と思っていた。

いつしかジャニーズの他のグループとの掛け持ちをし始めたけれど、やっぱり嵐はすごかった。

幅広い世代からの人気や、活動の規模から、『国民的』ってこういうことか、とひしひしと感じていた。




だから、いくら私が5人の姿に感心しても当の本人たちの中には叶えられなかった夢がまだまだあった思う人もいたと知れたことが嬉しかった。

その反面、智くんが悔いなく嵐としての活動ができたことも嬉しかった。

いつか、その叶えられなかった夢を叶えるために、誰かが声をかけてまた5人で戻ってくるんじゃないかという希望を持つことができたことが何より嬉しかった。


だって、2020年いっぱいで5人が後悔なくやり切ってしまったら、次に集まる理由がなくなってしまう。





5人が後悔なくやりきってほしい、なんて綺麗事だった。





ただ、これからしばらくは嵐のいない生活が始まる。

いつか5人で戻ってきた時の夢の続きを想像しながら、それを糧に生きようと思う。






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