_表現の技術_

髙崎卓馬『表現の技術』のいいところ・いまいちなところ

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嫌なところもある本

 様々な点で引っかかる本ではありました。たとえば息のくささの例になるのがいつも男性で女性はそれを評価する側です。
 でもそれは「需要」と「供給」に応じて現れた、市場の素直なあらわれなのかもしれません。

『表現の技術』の、「観客になにかをゆだねるのは、表現が死力を尽くしたときにだけ許される」という言葉には共感しました。さらに、広告における大きなテーマを考えているところもよいと思いました。何のために自分は表現を行っていくのか、ということを考えるのは大切だと思っています。ある意味でこれはうまくなるための本ですが、うまくなる以上のものを求めていない表現は、最終的には退屈に思えます。


情報をしめす順番

 情報の、提示の順番に気を使う。この話は、結構さまざまなジャンルで語られる原則です。

 一応の定石としては、我々の日常表現が「説明」の順番になっているのを、「認識」の順番に組み替えることで、読者に追体験させることができます。これは短歌に限らないジャンルで使われている手法です。
 荒川洋治『詩のことば』でうまく説明されています。

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