読書記録 銀行を淘汰する破壊的企業 その4
3日連続で、「銀行を淘汰する破壊的企業」の読書記録というか、大幅に脱線した個人的見解を連ねてきたが、その間に、本書でも紹介している「ペイイパル」が国内の「ペイディ」を買収すると報じられた。日本ではまだ現金決済の割合が高いので、EC決済の成長余地が大きいと評価しているらしい。
ペイパルも日本に本格的に参入してくるのか。どうする国内勢。
偏見だといいが、日本人が持つ「サービス業」のイメージが、特異なように感じる。サービスを辞書で調べると、「売買した後にモノが残らず、効用や満足などを提供する、形のない財。」、「相手のために気を配って尽くすこと。」という説明があるが、日本では「相手に尽くす」ことがサービスと認識されているように思えてならない。
そのため、24時間営業で深夜はワンオペのコンビニエンスストアや牛丼チェーン、原価ギリギリまで価格を引き下げるレストランなど、「一生懸命頑張ってます!」が売り物というか、そこしかセールスポイントがないサービス業が多い。
反対に海外の企業は、顧客のニーズに合致したスマートで便利なサービスを提供し、ITを活用して無駄な経費を省き、適正な利益を確保している。顧客が満足する便益であれば、十分に儲けることが可能なのだろう。
本書が対象にしている金融業もサービス業の一分野だが、こちらはまた異なる意味での異質さがある。元々が免許を得て営業できた業界なので、業務の範囲が限られお上の言うことに従っていればよかった。ところが、今は異業種からも金融業に参入可能となり、規制業種の頭では想像もつかないサービスが次々と展開され、追いかけるのに精いっぱい。お客様第一とは言いながらも、背後に見える監督官庁の姿をチラチラと気にしている。
免許を得ている業界という点では同じなのは、通信業界。この間、使用料が安いプランに変更しようとしたら、使う予定がないサービスをいったん契約してからでないと、手続きが進まないことが判明した。手順をチャットで確認しているときにそのことが分かり、納得がいかないので「おかしくないですか?」と質問したら、「申し訳ございません。」だけで済まされた。オペレータは、質問に真面目に答えてくれたのだろうが、それ以前のシステムの設計が顧客本位ではないのだと感じた。
このようなこと一つをとっても、日本のサービスはどこかおかしい。大分本題からずれたが、今日はここまで。
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