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「鉄拳制裁」を死語にしませんか

北海道日本ハムファイターズの中田選手が、同じチームの選手に暴行を加え,出場停止となった。

暴力は、理由の如何を問わずは許されない。刑法では204条に傷害、208条に暴行の罪を定めている。体育系の運動部では、上級生が下級生に対して「しごき」や「いじり」と言い換えて暴力をふるることもあったが、これも暴力であることに異論はない。絶無を期すべきだ。

ついでに、「鉄拳制裁」という言葉を思い出した。前には、プロ野球の監督などの指導的な立場にある人物が、選手、後輩などに「指導」の名目で暴力行為を働いたことを、暴力といわずに「鉄拳制裁」と称したものだ。指導を目的としたものであれば、暴力ではないということらしい。

しかい、これも間違いなく暴力の一種であり、私的制裁である。

「鉄拳制裁」を「相手の成長を願って」と正当化する向きもあるが、そもそも、暴行したのは本人の思い込みであり、相手が「上手くなりたいので殴ってください」と言ったりはしないのではないか。

前に、プロ野球で監督も務めた権藤博さんが、「教えて上手くなるやつはいない」とある新聞記事に書いていた。その通りだと思う。どんなに指導しても、成長するか否かは、本人次第。指導者が選手を作り上げることはできないと認識すべきだ。

マスコミも「鉄拳制裁」などという、暴力を正当化するような言葉を使わないようにするのが望ましい。暴力はどうやっても暴力でしかなく、正当化は不可能である。犯罪を免ずるような言葉は使わないことだ。

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