再考再生の再
この一年、Regenerationとは何かを問い続けてきた。
いろんな人の話を聞き、本を読み、現場を訪ねた。まだ全然足りないし、これが正解だとは言えない。でも、このテーマには終わりがないからこそ、一生考え続ける価値があると思っている。
そんな中、最近読んだ長田弘さんの「なつかしい時間」の中に、大きなヒントを見つけた。
この言葉にある「再び」という行為。それはただ繰り返すことではなく、今、この瞬間に、新しい意味・価値を主体的に創造することであるということ。なるほど、腑に落ちた。
知らないところで誰かが悲しむ消費を無くしたい
私たちは、知らないうちに、誰かを傷つける消費をしてしまうことがある。生産と消費がかけ離れ、ブラックボックス化されているこの世の中で、ある種仕方ないことかもしれない。作り手が搾取された商品であったり、環境を破壊する製造工程を経たものだったり。安さや便利さを求める中で、目の前の「物」だけを見てしまい、その背景にある「人」や「自然」に思いを馳せることを忘れている。
でも、すべての消費は繋がっている。今日私たちが手に取った「もの」が、どこで、誰の手によって作られたのか。その過程で誰かを不幸にしていないか。それに気づくことは、消費という行動の在り方を再考する第一歩になる。
知らないところで誰かが悲しむ消費を無くしたい。そのためには、知ること、考えることが必要だ。
Earth Giftが目指す「再発見」
私たちが手にするモノや食べ物、飲み物は、ただの「物体」ではない。それは、人と自然のつながりそのものだ。誰が作ったのか?どうやって作られたのか?その背景にどんな想いと労力が込められているのか?
Earth Giftは、その背景にあるストーリーに出会う場をつくる。たとえば、畑で汗を流す、職人と一緒に手を動かす。そうした体験を通じて、消費者はモノづくりの過程に思いを馳せるきっかけを得る。そのことを「知る」という行為自体が、消費を新たな視点で捉え直すきっかけになる。
Earth Giftが提供したいのは、この再発見のプロセスだ。
これはジャーナリズムの考え方にも通じる。ジャーナリズムは、「知ること」を通じて物事の裏側を見せ、新しい気づきを与える。そして、「考えるきっかけ」を人々に届ける。
Earth Giftも同じように、モノづくりの過程を伝え、知り、感じてもらう場を提供したいと思っている。参加者自身がそのプロセスに触れ、「自分が消費することで誰かや何かにどんな影響を与えているのか」を再確認する機会を作りたい。それは、ただ受け取るだけの「消費者」から、「価値を再創造する贈与者」へと変わる旅の始まりになる。
(ところで、Earth Giftというのは、今絶賛立ち上げ途中の事業でして、、こちらについてはまた別途書きます。)
悲しみの消費から、贈り物へ
すべての消費は「選択」であり、その選択が誰かを幸せにすることもあれば、不幸にすることもある。
Earth Giftは、「悲しみの消費」から「地球への贈り物」への変革を目指している。モノづくりに関わり、つながりを感じることで、消費者は単なる「購入者」ではなく、価値を再創造する「贈与者」になる。
そのとき消費は、社会や環境に「贈る」行為となり、誰かを悲しませる消費ではなく、喜びを生む贈り物へと変わる。
自分自身の再生
と、ここまでつらつら書いてみたけれど。
結局のところ、これは自分自身への問いかけでもある。
私はこの1年、自分の「生きる力」の弱さを痛感しまくってきた。へこんで、萎んで、どうしようもなくなって(今も)。それでも、「私でもできることがある」と信じ、なんとか自分を奮い立たせて踏ん張っている。
Regenerationとは、きっと個人の中から始まるのだと思う。失敗しても、再挑戦する。再生とは、そんな力強さのことかもしれないなと。。
小さな一歩だけれど、Earth Giftを通じて、まずは私自身がこの「再び」の価値を問い続けていきたい。「悲しみを生む消費」を少しでも減らし、「つながりを生む消費」を増やしていきたい。そのために、まず自分自身が再考し、再発見し、再挑戦していく。
まだままだ考えることが山積みで汗汗の夜。