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砥峰高原ツーリングの奇跡

恒例のハーレーツーリング。

ハーレーとは、アメリカのバイクメーカーであるHarley-Davidson(ハーレーダビットソン)のこと。

その(エンジン音がやたらうるさい)バイクを連ねてのツーリングに行ってきたのだ。

今回の行き先は兵庫県神河町の砥峰高原へ。

美しい眺めだった砥峰高原
池に映る景色も美しい

砥峰(とのみね)高原は、村上春樹原作の映画「ノルウェイの森」のロケ地としても有名だ。

あと、大河ドラマ「平清盛」、「軍師官兵衛」、映画「信長協奏曲」、「燃えよ剣」などもロケ地としても使用している。

さてのその砥峰高原ツーリングだが、そこでちょっとしたトラブルがあったのだが、そのトラブルで何だか学ばされた。

いつも一緒に行く四人のうち、自分ともう一人は、自前のハーレーを持っていない。そのため、いつもハーレーショップでレンタルする。

ハーレー四台と砥峰高原

最近のバイクは進化していて、車みたくキーレスエントリー。鍵を刺さずとも持っていればエンジンが掛けられる。

砥峰高原まで行った後、その日は姫路市近くにある友人宅に皆で泊まることになっていたので、とりあえず友人宅近くまで戻ってきた。

そこで、先に温泉に行くか、先にご飯食べるか(何を食べるか)を決めるため、ある店の大きな駐車場で打合せすることに。

結果、まず温泉に行くことになり、さぁ、行くぞ!とエンジン掛けて駐車場出口で待っていたのだが、一人の友人が全然来ない。

どうやらエンジンが掛からないらしい。

聞くと、キーレスエントリーの鍵がどこにも見当たらないという。

砥峰高原でハンドルロックのため鍵を使い、そこでエンジンを掛けたものの、どうやらその砥峰高原の駐車場か、もしくは帰りの道中で鍵を落としたらしい。

打合せするためエンジンをいったん切って(ハーレーはエンジン音がうるさいからね)再度エンジンを掛けようとしたものの、鍵が無いためエンジンが掛からなくなったのだ。

さぁどうする!

その友人が借りたバイクは、ハーレーの中でも一際大きなバイクで、その重量はなんと387kg。

エンジンが掛からないとなれば、借りた神戸のハーレーショップまでレッカー車に載せて返却しに行かねばらない。

さて困った、ということになり、とりあえずハーレーショップに電話してみると、営業時間は過ぎていたものの、何とか連絡がついた。

聞くと、その友人が借りたハーレーは最新式で、鍵がなくても暗証番号が分かればエンジンが掛けられる仕組みだった。

取りあえず大事にはならないな、となったものの、鍵をどこかで落としている。

なので探しに行こうかという話になったが、砥峰高原の駐車場で落としたのならまだしも、帰りの道中なら(その距離60kmほどの間)探せる訳がない。

砥峰高原の管理事務所に電話して聞いてみようということになり、翌朝電話してみた。しかし、残念ながら落とし物の届けはなかった。

バイクのレンタルは午前中の11時までだったので、とりあえずそれに間に合うように返却しなければいけない。

なので、自分とその鍵を落とした友人は、バイク返却のため神戸まで帰ってきた。

ハーレーショップに聞くと、鍵を無くした場合の鍵取り替え料金は四万円弱かかるという。

まぁ仕方ないね、道中で落としたのなら見つかる訳もないし、ということで諦めていたのだが・・・。

実はその高砂(姫路近く)の友人は、鍵を探しにいくと言ってきかず、前日からずっとそう言っていたのだが、鍵を無くした本人がまた砥峰高原まで行く余力がない、ということでなんとか納得してもらっていた。

しかし、自分たちがバイクを返却するため神戸に戻っている間、その友人はひとりで砥峰高原まで鍵を探しに行っていたのだった。

そして、なんと見つけたのだ!

小さな小さな鍵を、砥峰高原の手前10分ほどの道に落ちていた鍵をだ!自宅から砥峰高原までの60km近い距離を、目を皿のようにして、ハーレーで走りながら見つけたのだ。

友人宅から砥峰高原まで一時間半ほどかかるから、10分マイナスして1時間20分のも間、目を皿のようにしていたのだ!

これかその鍵!

凄い、まさに奇跡。

執念の賜物というか、何事も諦めたら終わりだなと思った。

少しでも可能性があれば、チャレンジすべきだ!という精神を改めて学ばせてもらった。

しかし凄い、凄過ぎる。

伝説出来たわ。

ところでツーリングの途中、妖怪の町として知られる神崎町に寄った。

神崎町は、「遠野物語」の著者として有名な民族学者・柳田國男の生誕地。

柳田國男は「日本人とは何か」という答えを求めて全国を行脚して回ったという。

その過程で妖怪を体系化。ゆえに生誕地の神崎町では「妖怪の町」として売り出しているのだ。

町の中には二十二もの妖怪の像が設置されており、観光名所になっている。

こんな感じの妖怪像があちこちに


さて、柳田國男が求めた「日本人とは何か」はなかなか奥深い設問だが、自分なりの答えはこうだ。

万系一世の天皇陛下が
統治(シラス)す国の
八百万の神々を信仰する人たちが
日本人であり国体

そしてその国体を
継承していくのが
日本人の本質・・・

しかし、いま思うと・・・
鍵を落としたのは妖怪の仕業かも。

鍵を落とした友人は、河童に尻子玉抜かれていたからなぁ。

抜かれた瞬間!

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