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「ワンダーボーイ アーシャ・イン・モンスターワールド」サウンド・コンセプト 2

わいわいと賑やかなアコスティックな曲や民族楽器的な作りは半井香織さんに託したので、花岡拓也さんには華やかで壮大なオーケストレーションを施すべき楽曲と、パンチの効いたボス曲をお願いしました。例えばこのゲームの第二のテーマとも言える「Overture」(リンクの動画の23秒目からの曲)も花岡さんの持ち味を活かした素晴らしいオーケストレーションが施されています。この曲も最初に作って貰った時のメッセンジャーの内容を確認すると坂本から

テンポ下げを試みただけあって壮大な感じがして良いかと思いました。確かに元曲からのストレートな編曲な気もしますが、この路線で行くなら(行って良いと思ってます)
ド頭の音だけで、かなり元曲を感じるので、もっとその後は違い(装飾?)があっても良いかと思います(特にバックのアルペジオ的なものはデータ量の都合抑えているので、元を感じさせつつも違いがあって良いのではと)
・ダイナミックレンジを広げたい(抑揚を表現したいし、段々大きく成ったり、厚くなったり)
・下支えをする音を増やしたい
・と、同時にWETなリバーブを少なくしたい。故に下支えパートが欲しい。
・テンポに揺らぎ(段々後半で走っていくとか)とか人間味が欲しい

と、また言いたい放題で言わせて頂いてます。
本当はここで、その時の曲と採用になった曲の両方お聴かせできればよいのですが、そうも行かないのですみません。
(自分だけ、これを書きながら聴き比べてあまりの違いにビックリ!この頃はまだ画面情報もあまり無かったイメージするのも大変だったと思います)

そして、別のプロジェクトで一杯一杯なはずの森野智広さんにも幾つかジングルをお願いしました。ペペログーの関わるジングル「Birth of Pepelogoo」では、

この曲は森野さん「ぺぺろぐーーーーーだ!」って言ってるんすよー。

とか、なんか勢いを勢いで説明したり。こんな感じでコロナで皆が在宅勤務になりつつも1曲、1曲確認しながら訳の分からない坂本語を皆にぶつけて対応して頂き来ました(汗)

もちろん、コロナで在宅勤務になっても、実機確認は必要なので曲や効果音が実装される都度、実行ファイルを栗原さんから頂き、皆で出勤をし内容を確認。そこで更にチューニングを繰り返しました。でも、実はもっとも実機確認で大変だったのは石井崇之さん。
石井さんが全ての効果音を作ったので、それを全て実機で確認する必要もあり、全シーンを確認(プレイ)する役になってました。僕らはそんな石井さんを後ろで囲んでプレイを眺めつつ(そして坂本は後ろか、色々言う)実機確認をしてました。最初のうちは良かったけど、最後の方は通しプレイが長時間に及び大変だったと思います。

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