短歌 #5
涙と海は同じ味がするって知った わたしだけが見つけた夜に
自販機で110円のしあわせを買ってみました 「つめたい」でした
この雨はうたれてもいい 心より 君が降らせたやさしさだから
傘だけが優しさじゃない 阻まれて虹が見えないことだってある
愛しても毒 恋しても毒 執拗に 通り過ぎる喉、赤と黒
「ゆびきり、ね」 絡めた先からとけだした 「さいごだね」って何度めだろね
涙にも色をつければ分かるかな 痛みが見えるようになるかな
柔らかい空気のなかで怪我をする 似ている僕らを許してほしい
どうしても優しくなれない日があって 満月ばかり眩しく見えて
綴ってもぽろぽろはらり零れてく 自分みたいな他人がいるの
昼下がり 閑古鳥だけ泣いていて 囀ることすら下手くそで
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「赤と黒」の句は愛してやまないコカ・コーラを詠んだ句です。(友人にテーマを頂きました。)こんなに愛しているのに飲んだら2回に1回は腹を壊すので多分向いていません。頻度の問題でしょうか…
「閑古鳥」の句は、ずっとずっと昔に書いて、いろいろあって字を公開するのを一度辞めた詩を思い出して詠みました。傷ついて削除してもう二度と書けないし思い出すことも出来ないのだけれど、大切な詩だから忘れたくないなと思います。
今までまとめた短歌の中には、実は短歌投稿アプリの方にしか投稿していない短歌も含まれていて、かつ、noteにすらまとめることなくアプリの中で眠っている短歌もあり、更にどこにも投稿してない短歌もあって、本当になんか言ってないと死ぬんやな私、と思います。短歌と出会わせてくれた友人、そしてその友人に感謝を。読んでいただいてありがとうございます。これからも気ままに書いたりしていくので気が向いたらよろしくお願いします。